原田 |
最近はぼく、iMacさんと言われますからね。
会社名間違えてるんじゃないか、と(笑)。
ぼくは、「アップルコンピュータ」の
「コンピュータ」という部分はなくなるという
コマーシャルのサンプルをつくったことありますよ。
アップルには「コンピュータ」がないほうがいいと。
ただ、これ、余談になりますけどね、
「社長、アップルって、
コンピューターのアップルですよね?」
と、ある時きかれたことがあるんですよ。 |
糸井 |
いいねえ。 |
原田 |
Gパンはいて、きったない格好してるからねえ。
普通にしてたら社長に見えないわけです。 |
糸井 |
してやったりですね。 |
原田 |
だからまだ
(社名から「コンピュータ」を取ってしまう)
勇気がないんですよ。まだ早いですね。 |
糸井 |
日本だとむつかしいのかな。
郵便物の問題ですかね。 |
原田 |
今の名前でも、パーティーの招待状などには
困りますよ、株式会社と書いていないから。
さすがに有限会社とは書いて来ませんけど、
「アップル株式会社」になったりしますから。
ただ、変えるときは、表記を思い切って変えたい。
「ジ・アップル」とか。そしたら、かっこいいね。 |
糸井 |
何でも売れますね、逆に。 |
原田 |
うちの戦略は、ビヨンド・ザ・ボックスですから。 |
糸井 |
ほー。 |
原田 |
ボックスというのは、強いて言うと、箱。
コンピュータのことです。
アップルはハードとソフトを両方つくっている。
そこにインターネットや
ソリューションを提供すると、
提供できるものは
単なる箱以上のものになるんです。 |
糸井 |
攻撃に入りましたね。 |
原田 |
(笑)そこがうちの強みなんです。
よそはね、インテルからチップ買って、
マイクロソフトからOSのライセンスを受けて
インターネットに接続して、
プロバイダと手を組んだりして・・・
ってやってるでしょ?
うちはもう、Mac買った瞬間から、
日本ではまだスタートしていませんけど、
誰でも20メガのディスクスペースを、
同時にもらえるわけですよ。
Mac買ったら、誰でも自分のホームページをつくれる。
誰でも、Eメールができる。
誰でも、グリーティングカードを出せる。 |
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今年中・・・?。 |
原田 |
今年中にはスタートしたいと思いますね。
コンピュータのビジネスも
どんどん変わってきてるし、
まさに今日のテーマのように、
誰でもパブリッシャーになれるんです。
iMacもひとつの提案なんです。
今朝も厚生省のかたから、
将来への課題や展望などに関する
いろいろなインタビューを受けましたけども、
ウェブパブリッシングというのには、
本当にさまざまな課題がたくさんありますよね。
ボーダレスで誰でも勝手にはじめられますから。
でも、ビジネスの形態が見えないわけですよ。
送り手の姿も見えないビジネスが
出てきたりしますからね。
いろいろおもしろいことも起こると同時に
課題もたくさんあって、
その課題を超えられるところが
のびてゆくのでしょうね。 |
糸井 |
コンピュータ系では、
ほとんどの計画を
やり残しながら次に行きますよね。
それがおもしろいですよね。
昔だとひとつのことが済んでから、
ブロック積むようにやってたじゃないですか。
今は「それは、ちょっと待ってね」と言って
次がはじまるんで、
前のやりかたの仕事がつながって、
急にぽーんと抜けたり。
たぶん、人間だってそうだと思うんです。
急に中学時代のともだちに会ったら、
大学でやってたラグビーを
そいつも偶然やっていた、とか、
そういう例とそっくりですよね。
人間のやってることだと、
「やりかけの友情」なんて言葉はないわけで、
ともだち同士はともだちなわけだから、
会わなくてもいいんですよ。
違うところで会ったら、またつながる。
「じゃあね」って言って、会わないでも、
またいつか電話する、それに近いような・・・。
人間だとか自然だとかっていう
昔からのアナログの世界に、
ヒントがやまほどあると思いますね。
(つづく) |