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雑誌『編集会議』の連載対談
まるごと版。

1.ひさしぶりです、原田永幸さん篇。

第12回 今度「原田・古川対談」やらない?

原田 あるラジオ番組に
古川さんに「行かない?」と誘って
一緒に行ったんですよ。
行ったら、新聞、フライデーまで来ていた。
フライデーの記事にもなりましたよ。
アップルとマイクロソフト、世紀の対決!って。
古川さんとの腕相撲の写真が載ってて。

まあ、そこに出たわけです。
そこでキャスターがきくわけですよ。
「次世代OSの、マックOSXについて、
 ぜひご紹介をおねがいできますか?」
だからぼくは、
「あ、その件につきましては、
 古川さんのほうがぼくより詳しいですよ」。
糸井 あはははは(笑)。
原田 ぼくはそういうやりかたしています。
糸井 古川さんなら説明したいほう。
ひとの会社のもんでも、「技術なら俺がいる」。
糸井 今、例えば原田古川対談っていうのを
うちでやったらどうですか?
原田 おもしろそうですねー。
糸井 やりましょうか!
原田 やりましょう。全然違うふたりが(笑)。
糸井 名刺をちゃらにしちゃって(笑)。
おもしろいよー。
うちの力って、ほんとはすごく出てきたんだけど、
誰もうちが何かやってると思ってないんですよ。
だからそういうことどんどんできる。
例えば井上陽水が、
「ぼくはこんなこと言うとイメージダウンだ」
なんてことを言いながら、文字が出る。
それをほぼ日の読者は「だからいいい」って読む。
でも、もしそれが雑誌に出たら、
「陽水、なんとか発言」ってなるでしょ。
こういう騒がれかたって、
文化風土が違いすぎますよね。
例えば古川さんがイーグルスをすすめるところに、
原田さんがジャズをすすめてさあ、意味もなく。
「何でそんなことでやりあってるんだ」
みたいな、そういうことできるはずなんですよね。
原田 「電車でGO!(トレインシミュレーター)」の
25万部数突破記念が、こないだ
品川のホテルであったんですよ。
「普通のひとにはおもしろくない。
 そういうものこそマニアの人には
 おもしろいんだろう」
と言ったんですよ。
糸井 (笑)
原田 そのあとに、古川さんの挨拶。
「わたしは、トレインシミュレーター、
 めちゃくちゃおもしろい」。
糸井 性格出てるなー(笑)。
原田 「なぜかというと、あそこの駅の
 何番目の柱でブレーキをかけた感覚が・・・」
と言うわけですよ、
糸井 本人どうしがその話したらおもしろいなあー。
それ、組んでいいですか?
原田 いいですよ、古川さんなら喜んで。
糸井 ぼく、原田さんと古川さん、
似てると思うんですよ。
古川さんのほうは、イメージでは
違うと思われているんですよね。
会社のイメージで思われているんです。
前にほぼ日の読者のOLと焼肉を食う会があって
「古川さん来る?」
と言ったら「来る」って。それで最後、
「みんな割りかんね」っていって集めたそのとき、
古川さん、5200円出してるの。
俺はね、その5200円を出している古川さんを見て
「あ、これ原田さんとおんなじだ!」
と思ったんですよ。
「いいよ」っておごるのが昔の社長ですよね。
でも、5200円の場では5200円出すべきなんですよ。
それをわかるひとたちが、やっとぼくらの世代で
社長になったっていうのが、おもしろいですよね。
その5200円を財布から出す古川さんは、
俺、また原田さんに合わせたいなあ、って思った。
両方ともスポンサーにしてないでしょ?
この立場がいいと思うんですよ。
自分もえらいと思うんです。
「どうもどうも」って言って
スポンサーにしちゃうのが
代理店のやりかただけど、
いいんだよ、そんなことは。
原田 ぼく、今でも音楽好きで、ジャズ好きで、
毎日練習してるんですよ、家でね。
そこで仲間を集めて、5年くらい
「マックンロールナイト」
というイベントをずっとやってきたんです。
プロとアマチュアが演奏して、楽しんで。
赤坂ブリッツとかでやっていたんですよ。
今度マックンロールナイト株式会社として・・・。
糸井 ばかだねー(笑)。
原田 私も社長の立場ですから、
あんまりあそこのイベントで公私混同って
言われたくないわけですよ。
カシオペアの向谷さんなんかとジョイントで
ドラムをぼくはやったんですけど、
自分の社長の立場を利用してやってると
思われるんじゃないかと・・・。
糸井 (笑)思われないと思うけどね。
原田 でもちょっと心配なので、
株式会社つくって記者会見開いて、
ナスダックジャパン上場やって(笑)社員を募る。
それでぜんぶ無給。
ぼくはそこで糸井さんの対談に出て、
しゃべりまくって宣伝する。
例えば有料チケット3500円でやりますよね。
何枚売れたらやるよ、と。
日にちも場所もそれまでは決めないで、
何枚売れたらそこから準備する。
糸井 いいですねー。
原田 ぼくアップルを卒業したら、まじめに・・・。
糸井 マックンロールナイト社長?(笑)
原田 その会社で
プロのデビューを前にしたひとたちにも、
そういうことできるんじゃないか、と。
今までない論理のほうがぼくはわくわくする。
やっぱり、ひとを幸せにすることが
1番楽しいわけじゃないですか。
だからコンピューター業界のなかでも
ぼくは、アップルなんです。

マックンロールナイトは、
株式会社って言ったって資本金ゼロでね。
けっこう売れると思いますよ。

(つづく)

2000-05-03-WED

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