原田 |
あるラジオ番組に
古川さんに「行かない?」と誘って
一緒に行ったんですよ。
行ったら、新聞、フライデーまで来ていた。
フライデーの記事にもなりましたよ。
アップルとマイクロソフト、世紀の対決!って。
古川さんとの腕相撲の写真が載ってて。
まあ、そこに出たわけです。
そこでキャスターがきくわけですよ。
「次世代OSの、マックOSXについて、
ぜひご紹介をおねがいできますか?」
だからぼくは、
「あ、その件につきましては、
古川さんのほうがぼくより詳しいですよ」。 |
糸井 |
あはははは(笑)。 |
原田 |
ぼくはそういうやりかたしています。 |
糸井 |
古川さんなら説明したいほう。
ひとの会社のもんでも、「技術なら俺がいる」。 |
糸井 |
今、例えば原田古川対談っていうのを
うちでやったらどうですか? |
原田 |
おもしろそうですねー。 |
糸井 |
やりましょうか! |
原田 |
やりましょう。全然違うふたりが(笑)。 |
糸井 |
名刺をちゃらにしちゃって(笑)。
おもしろいよー。
うちの力って、ほんとはすごく出てきたんだけど、
誰もうちが何かやってると思ってないんですよ。
だからそういうことどんどんできる。
例えば井上陽水が、
「ぼくはこんなこと言うとイメージダウンだ」
なんてことを言いながら、文字が出る。
それをほぼ日の読者は「だからいいい」って読む。
でも、もしそれが雑誌に出たら、
「陽水、なんとか発言」ってなるでしょ。
こういう騒がれかたって、
文化風土が違いすぎますよね。
例えば古川さんがイーグルスをすすめるところに、
原田さんがジャズをすすめてさあ、意味もなく。
「何でそんなことでやりあってるんだ」
みたいな、そういうことできるはずなんですよね。 |
原田 |
「電車でGO!(トレインシミュレーター)」の
25万部数突破記念が、こないだ
品川のホテルであったんですよ。
「普通のひとにはおもしろくない。
そういうものこそマニアの人には
おもしろいんだろう」
と言ったんですよ。 |
糸井 |
(笑) |
原田 |
そのあとに、古川さんの挨拶。
「わたしは、トレインシミュレーター、
めちゃくちゃおもしろい」。 |
糸井 |
性格出てるなー(笑)。 |
原田 |
「なぜかというと、あそこの駅の
何番目の柱でブレーキをかけた感覚が・・・」
と言うわけですよ、 |
糸井 |
本人どうしがその話したらおもしろいなあー。
それ、組んでいいですか? |
原田 |
いいですよ、古川さんなら喜んで。 |
糸井 |
ぼく、原田さんと古川さん、
似てると思うんですよ。
古川さんのほうは、イメージでは
違うと思われているんですよね。
会社のイメージで思われているんです。
前にほぼ日の読者のOLと焼肉を食う会があって
「古川さん来る?」
と言ったら「来る」って。それで最後、
「みんな割りかんね」っていって集めたそのとき、
古川さん、5200円出してるの。
俺はね、その5200円を出している古川さんを見て
「あ、これ原田さんとおんなじだ!」
と思ったんですよ。
「いいよ」っておごるのが昔の社長ですよね。
でも、5200円の場では5200円出すべきなんですよ。
それをわかるひとたちが、やっとぼくらの世代で
社長になったっていうのが、おもしろいですよね。
その5200円を財布から出す古川さんは、
俺、また原田さんに合わせたいなあ、って思った。
両方ともスポンサーにしてないでしょ?
この立場がいいと思うんですよ。
自分もえらいと思うんです。
「どうもどうも」って言って
スポンサーにしちゃうのが
代理店のやりかただけど、
いいんだよ、そんなことは。 |
原田 |
ぼく、今でも音楽好きで、ジャズ好きで、
毎日練習してるんですよ、家でね。
そこで仲間を集めて、5年くらい
「マックンロールナイト」
というイベントをずっとやってきたんです。
プロとアマチュアが演奏して、楽しんで。
赤坂ブリッツとかでやっていたんですよ。
今度マックンロールナイト株式会社として・・・。 |
糸井 |
ばかだねー(笑)。 |
原田 |
私も社長の立場ですから、
あんまりあそこのイベントで公私混同って
言われたくないわけですよ。
カシオペアの向谷さんなんかとジョイントで
ドラムをぼくはやったんですけど、
自分の社長の立場を利用してやってると
思われるんじゃないかと・・・。 |
糸井 |
(笑)思われないと思うけどね。 |
原田 |
でもちょっと心配なので、
株式会社つくって記者会見開いて、
ナスダックジャパン上場やって(笑)社員を募る。
それでぜんぶ無給。
ぼくはそこで糸井さんの対談に出て、
しゃべりまくって宣伝する。
例えば有料チケット3500円でやりますよね。
何枚売れたらやるよ、と。
日にちも場所もそれまでは決めないで、
何枚売れたらそこから準備する。 |
糸井 |
いいですねー。 |
原田 |
ぼくアップルを卒業したら、まじめに・・・。 |
糸井 |
マックンロールナイト社長?(笑) |
原田 |
その会社で
プロのデビューを前にしたひとたちにも、
そういうことできるんじゃないか、と。
今までない論理のほうがぼくはわくわくする。
やっぱり、ひとを幸せにすることが
1番楽しいわけじゃないですか。
だからコンピューター業界のなかでも
ぼくは、アップルなんです。
マックンロールナイトは、
株式会社って言ったって資本金ゼロでね。
けっこう売れると思いますよ。
(つづく) |