第158回
8月1日・火曜日
夕方、空きっ腹に冷たいビール、というのが気持ちよくて、
なんだ、ビールだったらとことん飲めるじゃーん、
と思いながらヘラヘラ飲んでたら、
食事もしてなかったせいか、急に気持ち悪くなってきて、
ベッドにうまいこと倒れた。
もう一生飲みたくない。
3時間後、コドモに
『(寝ている私の姿は)手をおりたたんで、
顔が白くって、まるで白鳥の湖だったよ』と言われた。
うれしくなってオットに、
『さっきはどんなだった? 私』と、聞いたら、
野獣の咆哮のような擬音で返ってきた。
8月2日・水曜日
こないだ、さる著名芸能人と会ってしゃべってたら、
『日記を公開するなんて、とてもできない』と言う。
なんでか、というと、
「仕事が毎日ないのがわかっちゃうから」なんだそうだ。
仕事に追われて忙しいイメージは、
やっぱり、よしとされる姿なのかなー。
私がこういう業界に入って、印象的だった事のひとつに、
まわりの人たちから、まるで挨拶みたいに
「忙しいでしょう? これからも仕事?」
なんて当たり前のようにしょっちゅう言われる、
ってのがあった。
「あなたの方が!」
と言いたくなるような人からすらそうなのだ。
「そうでもないですヨ」なんて言うと
しーん、と、ちょっと間ができたりして。
会話に水さした、みたいな。ありゃ。
そのうち、忙しくもないのに、
サービスで、忙しいフリでもしなけりゃ、
みたいな人も出るて。
大物ほどヒマなんだけどね。
8月3日・木曜日
ビバリ−、高田文夫さんが夏休みで、
マドモアゼル愛さんと御一緒。
マドモアゼル愛さんというのは、
このところ、ニッポン放送の『人生相談』で、
ずうっと高い聴視率をとっておられる先生なんだけど、
名前が名前(中年男性)なので、
番組の中で話題になっていたのだ。
会った瞬間に笑ってしまった。
またなんでそんな名前なんですか、と聞くと、
こういう話に男の名前ではいけない、
一方的になりがちかもしれない、
と直感で思われてつけたのだそうだ。
なるほど両性具有、という感覚は、
意外と人生相談に必要かもしれない。
まじめなおだやかな方で、
リスナーの相談に、目をつむって
集中して答えられる姿が印象的だった。
すごいきれいな放送になった。
インターネットで占いもなさる、と聞いて、
私もさっそく終了後、占ってもらった。
そしたらずーっと誉められるので、
笑いが止まらなくなってしまい、
その日は一日中、微笑んでいた。
8月4日・金曜日
暑かったけど、コドモと昼間っから
『スチュアートリトル』を見に行った。
場内はすいてて、
アイスクリームをなめながら、幸せだった。
ああ映画館っていいなあ、
始まる前もいいし、始まって暗くなる雰囲気もいいし、
始まって全員がいっせいにながめる、
という出だしもいいなあ、と、
やに普通の感想をしみじみ感じた。
8月5日・土曜日
日帰りで北海道へ。
なんて距離的に遠いのに時間的に近いんでしょう。
のびのびとした景色、のんびりとした牛、
人はおおらかで、じゃがいもはでかいし、
ラーメンの麺も太い。
ああ、日本の旅行こそゆっくりしてみたいなあ、
と思った。
帰ったらちょっと体重が増えていた。
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