SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
1999年7月の日記

第78回

7月1日・木曜日
ビバリーとCBC。
そのあと、ライブでやる80年代メドレー用の
カラオケを探しに、いろんなレコード店へ行くが、
欲しくない曲ばっかり。
「演歌以外のカラオケのCDは?」と聞いただけで、
びっくりされるほど置いてないものなのだ。
90年代のシングルCDだと、
カラオケがB面に入ってるのが当たり前なんだけど、
80年代はないも同然。ありゃあ。
打ち込みを誰かに頼むのも時間がない。
インターネットのカラオケから買おうとしても、
打ち込みの音がスカスカな音で使えそうになかった。
夫から「カラオケが一番置いてある」とされている
秋葉原のイシマル店で、「赤道小町」と
「アリスメドレー集」が買えた、恥ずかしかった、
と携帯電話で連絡があった。
ありがとう、あなた。

私は中川さんとカラオケボックスに行き、
80年代のカラオケをMDに落とすことにした。
いくら料金を払うとはいえ、もしかしたら
法律上やばいんじゃないか、お店の人に見つかるかも、
と思うとドキドキし、なんかごまかすために歌っててよ、
とお互い楽しくもない歌を、陽気に歌いながら、
一人はジャックのつながる部分を探す。
アレンジが使えそうで、なおかつ私が歌えそうな曲。
見つけるのだけで、ものすごく疲れた。

7月2日・金曜日
スポーツクラブへ行って1時間走る。
さる音楽のプロの方から、
「30分も連続で歌うなんて、そんなのぜったい無理だよ、
 本物の歌手だってできないことだ」とまじめに言われ、
しまった、万が一、モノマネで息切れしてたら
カッコ悪すぎるもんなーと思ったので。

そのあと、宝島の顔マネ写真撮り。
撮りながら夫が、似てない、違うなあ、と
ゆっくりした口調で言うので、
うるさい! もとが違うんだよ! と険悪なムード。
でも顔は葉月里緒奈の被写体のままなので、
タンカ切るほど冴えない。

学校からコドモが帰ってきて、
「あ、サラダひかりのつもり?
 シャキッとサラダにー、の人?」と言う。それだ。
そっちだ、と夫婦で急遽方向を変更し、ギターを持つ。
コドモ、アラビア語の歌を軽く鼻歌で歌いながら
トイレに行ったのがおかしかった。
君、覚えたのか。ヨソで歌うなよ(ネタで使用する歌)。

7月3日・土曜日
テレビブロスの原稿など、3本書く。
この日記を連載してから、とにかく
書くペースがどんどん早くなっている。
でもこの連載、締め切りがないため、
遅刻しがちでいつもすみません。

こないだ書いたネタの「ユルマゲドン」読み直すが、
なるほどさっぱりわからない。
こないだは上機嫌でハイになってたのかも。
コドモと「ムーラン」をレンタルして見る。
おもしろかったあ。泣けたー。2回見た。
ムーラン、ママに似てるね、と言うのでよけいよかった。
昔のネタのノートを見直したら、
「犯罪者としてではなく、
 作曲者としてみた麻原彰晃・作曲法」とあって、
本当にやったかどうかおぼろげながらも、
読んでて笑っちゃった。
「ひーとつふーたつ(数え歌)
 私はやってない潔白だ(バラード)
 ショショショショショショショショーコー(マーチ)。
 この3つをリミックスして以下のように歌う」だって。
よくもまあ。
「みんなの精神科」(多重人格モノ)、オチができて
夫に見せ、二人で静かに笑い、直しを入れる。
不気味な夫婦だ。

1999-07-22-THU

第79回

7月4日・日曜日
麻布にある美容院に行って、パーマをかけてもらった。
いつも思うのだが、あの頭の上でくるくる暖めるやつ
(天使の輪っかみたいな)が黙ってまわりだすと、
鏡に映る姿がどうも間抜けなカンジ。
「こいつが、パーマあてています」と、
まわりに訴えているみたい。
色もちょっと赤くしてもらう。

今度、私は土曜ワイド劇場で、
「コドモもいるというのに、10歳も若い男と
つきあっている女性」の役を演じるのです。
いいなあ。このフレーズ。
美容師のミホちゃんに
「コドモもいるというのに、10歳も若い男と
つきあっている女性らしくしてね」と、
わざと大きな声でお願いした。
また永坂更級でつけとろ。
夕食用の魚を買って帰る。

7月5日・月曜日
坂本龍一の「energy flow」をピアノで弾き、
それを録音した。うまく行かずに何度もやりなおすうち、
すっかり覚えてしまった。
録音した音に電光掲示板で文字を流し、
ライブのオープニングに使う予定。
世界初のエッセイつきピアノだ。

コドモの友達、大橋君ら3人が来て、
「ウンジャマラミー」を思いっきりやり始めたので、
うるさくてしょうがない。
「居間じゃなくて、あっちに行ってちょうだい、
ゲームはあとあと。オラオラ」と、
コドモの部屋に行かせる。
「おばちゃん、あの本はありますか?
あの、変なマンガ、こないだここで見たんですけど」
と笑いながら聞く。
そのマンガとは私の「伝染るんです」(吉田戦車)で、
今、この子たちにものすごくうけているのだ。
1ページ1ページを皆でセリフを読みあっては
長時間爆笑していた。
私も小さくなってその輪に入りたくなった。
大人だとありえないからね。
なぜか「しいたけ」が人気らしい。
あと斉藤さんのぶぶぶぶーと飛ぶ姿。

7月6日・火曜日
峰竜太さんの「ホンの昼メシ前」に出演。
来月あたりからできたらレギュラーで、とお願いされた。
ひゃあ。
そのあと、NHK「スタジオパーク」にコメントで出演し、
夕方、TBSの「見ればなっとく」のゲスト。
また峰さんと御一緒。
峰さん、とっくに石原プロから
独立しているように思えてならない。
でも気持ち的には、もうそうなんしょ、と聞いたら
一生懸命否定しておられた。


7月7日・水曜日
「イライラしてくるDJ」というタイトルの、
ワイドショーから音をとったばかばかしい声などで
不快になる曲の打ち込み。
しかし、本当にイライラしてきた。
ヘッドフォンポカーンっと投げたいような。

そのあと、東映の大泉撮影所へ行き、
ドラマの衣装合わせ。
さすがに「恋愛の真っ最中!」という
かわいい洋服ばっかりで、
口角が上にならないように気をつけた。
仕事で仕方なく着ています、という顔で
写真を撮ってもらう。

夜、夫、
「energy flowは、録音したピアノより、
やっぱナマで弾いた方がいいんじゃないの?」なんて言う。
無理だよそんなの! 録音もったいないじゃんっ!
と、斉藤さんのぶぶぶぶーと飛ぶ顔で言う。

1999-07-27-TUE

第80回

7月8日・木曜日
ビバリー、毎週お台場から放送中。よろしくね。
レインボーブリッジを渡る時、
海と空の美しー景色を、車の窓からチェック。
いつもここでは小沢健二をかけながら。
眠いときは真心の「拝啓ジョン・レノン」を、
無理矢理一緒に歌う。
舌のまわり、もともと悪い方なので、
この早口の歌はとても助かる。
洋楽音痴の私にはジョン・レノンへの思いは
なきに等しいが、これを一緒に歌うと
凄い好きだったような気になる。
こんなちょぴっとした事で「眠気」も
「やる気」になるのだから歌とは不思議なものだ。
ビバリーが終わってCBC出たあと、
小林克也さんとの新番組のランスルー。
小林克也さん、サンドバックのように打っても
よけてもつかめない、みたいな。
ただ、あるがままに、ってな歌、
ビートルズにあったんだよなあ。

7月9日・金曜日
ひとりでスポーツクラブへ。
なんと、若い筋肉ムキムキ男から
「よくお会いしますね。前にもここで……」
「マシンの使い方教えましょう」など、
キラキラした目で何度も話しかけられる。
いわゆるナンパのようだ。
場所を変え、一人で走りながら、
(でもこれだな、主婦の浮気するカンジ)、とわかった。
きっと自分はまだ若い、声をかけられる、
まだいける、という「確認」をしたくなるのではないか。
生命への執着。
それを愛だの恋だの言葉で塗ってるんだな。
スポーツクラブという所は
もともと生命(若さ)維持を目的とする空間だけに、
けっこう淫靡な場所に転身しやすいかもしれない。

夕方、事務所で小さなライブのリハをする。
キーボードと、電光と、ヤノッチの「出」と、
テープ出しのタイミング。
楽しいのと、恐いのと両方に襲われる。
でもキャパシティは4回でたかだか1000人ほどなのだ。
このHPの連載や、ラジオは毎日数万人。
テレビに及べば何千万人単位なのだ。
ああくだらねえ、小さい、小さい、と自分に言い聞かす。

7月10日・土曜日
LFで小林克也さんと「ハッピーウイークエンド」生放送。
4時間とちりっ放し。新人か。
でも来週からはぜったい大丈夫、という予感がした。
家に帰って寝ていたら、野沢直子から電話で起こされる。
あっちは明るいがこっちはボケボケのままで話をする。
切ったあとで、全身、ものすごく嬉しくなっていた。
私は本当に野沢直子が好きだ。尊敬に近いものがある。
芸能人としても大好きだが、知人として
彼女ほど正直で、デリカシーのある女性はいない。
ってゆーかあとにも先にも、
業界に友達はこのヒトしかいない。
26日に一家で家に遊びに来る。わーい。

7月11日・日曜日
朝、直感で「イライラするDJ」やめることにした。
また無駄な時間をさいてしまった事になる。
徹夜明けの夫、新聞を読んでたので、
一番心配な「歌謡曲メドレー28人」を
聞いてもらおうとたのむ。
ヤノッチ、「長いっす」、と言ってたのが気になるのだ。
しかし、それはカラオケだけを聴いたからであり、
きっと歌が入ると違う、でも証拠はない。
「えー、では」と、いざマイクを持ち、
夫を目の当たりにしたら、一気に恥ずかしくなり、
「ま、あんたから歌いなさい」とマイクをゆずる。
夫、あっさりと出ていった。
ゆずりあわんか。

1999-07-29-THU

第81回

7月12日・月曜日
土曜ワイドのドラマロケ。
田中美佐子さんを殴ろうとして、
逆にやられて転倒するシーンで、
足にサポーター巻きながらも、
プロの殺陣師にいろいろと教わる。
私の持つ「殺陣師のイメージ」って、
「武士」だったんだけど、実際はカメラアングルや、
写されるタイミングを深く把握しての、
現代人のプロの仕事であった。当たり前か。
でも、やっぱり際だって男らしかった。
しばらく見たことない凛とした後ろ姿。
蛭子さんがいたなら逆に吹き出すかも、とも思った。
たくさんシーンを撮った。


7月13日・火曜日
スポーツクラブ。
汗をふきながら走っていると、
ふと自分がすごく「ストイック」になってるカンジがする。
私にはないキーワード。
でもこのストイック気分が目的、という人も
実はけっこう多いのでは、と思った。
心身ともにまっすぐにきれいになっていく気がするから。

そのあと鍼を打ちに青山の治療院へ。
きのうのドラマの転倒するシーンで、
左ひじの様子がどうもおかしく、あざができていたので。
お、ストイック。
そのあと圧力釜で玄米を炊いて、焼き魚とスープの夕食。
メシ・ストイック。
コドモがっかりストイック。

7月14日・水曜日
「ウンナンの気分は上々」スタジオゲスト。
でかい身体で実は気持ちのやさしい
星野ディレクターと久々に会う。
初めて出た番組の「冗談画報」から
「夢で逢えたら」まで長いつきあいなんだけど、
何度会っても私はちょっとあがってしまう。
あさってライブあるから来てよ、と言おうとしたが、
なんとなく誘えず。
「こないだ、直子ちゃんから電話あったよ。
日本にいるんだってさー」と、
ナンちゃんと星野さんに言ったら、
「おー、じゃ、みんなでメシ行くぞー」と言ってた。
行けるといいなあ。

7月15日・木曜日
ビバリーとCBC。そのあとリハ。
なんだか楽しみになってきた。めずらしい。

7月16日・金曜日
ライブ本番。
ヤノッチの新車を借りる。
電光掲示板など、楽々運べて大活躍。ありがとー。
ジァンジァンに到着したら、もう列ができていた。
わ、きっと早めの人にはリハーサルの声ぜんぶ聞こえるー。
はずかちー。

槙原敬之さん入院で来られなくなったとかで、
マネージャーさんらが「槙原からでーす」と、
きれいなひまわりをくださった。
ありがとうございました。

ライブは楽しかった。皆さん、ありがとう。
家に着いて、明日の朝が早いので(5:30出)、
早く寝ようと思うが興奮しているのかなかなか寝られず、
深夜にアンケートかたっぱしから読んだ。

7月17日・土曜日
ライブ日だけど、朝7時から11時まで、LFで生放送。
集中すべきは、常に目の前の仕事のみ。しゃきっ。
でも、いしだあゆみの曲がかかったら、
いしだあゆみを歌う事で小さなリハをいたす。
これはよしとする。

ライブに初めてコドモが来た。
「ママが出てきた時、キャーッて言ってる女の人の気持ち、
わかった気がした」と言っていた。
そうか、やっとわかったかね、うひゃひゃひゃ、といばる。
たまたま大瀧詠一さんと野沢直子とが
隣同士の席だったらしい。笑った。
業界の両極端に位置しながら、
メジャーを拒否した人間同士。
それがせまいジァンジァンで隣かー。人生よのー。

楽屋で紹介したら、私の言い方がヘタだったらしく、
直子ちゃんには
「こちらが、太田・慶一さんだよ」と聞こえたらしい。
直子ちゃん
「あ、ども、こんばんわー(誰?)」ってな顔をし、
あとになってから、
「えー!? ミッちゃん、さっき大瀧詠一さんって
言ってたの? あれじゃあ、まるで私、
大きな態度だったじゃないよー」とぐちっていた。
ごめんごめん。
大瀧さんからメール。嬉しい。

1999-08-01-SUN

第82回

7月18日・日曜日
ライブの昼の部に、名古屋から前のマネージャー、
コトミちゃんが、夫婦で見に来てくれた。
嬉しかったが、私は矢野顕子さんの曲の一番の途中で、
思わず思い出したりして、涙が出てしまい、
間奏ではしーんと泣きながら弾き、
2番もそのままただしーんと演奏ばかり。はずかちー。
お客さんは「いったいどーしたんだ、この人」
という顔をなさっていた。

夜の部では急に糸井さんたちがかけつけてくれた。
普通「ごめん、急に行けなくなっちゃったの」
という事は(私も)よくあるものだが、
「ごめん、急に行けちゃったの」というのは
めずらしくも嬉しいものだ。

楽屋にもどって、アンコールに出ようとし、
ふとマネージャーのヤノッチを見たら、
なんとヤノッチが泣いてんの。
私はむくむくと嬉しくなり、
「もっと泣かしたーい!」と、
さらに強力な踊りで舞台に出た。
ありがう、ヤノッチ。いいぞ、ヤノッチ。

7月19日・月曜日
糸井さんのここのHPの言葉、
嬉しくなり、思わずコピーした。
コドモ、終業式だった。今日から夏休みなのだ。
親まで嬉しくなる。なぜかわくわくする。
パーン、と通知表を渡される。
良くも悪くも、鮎、解禁みたいな。
釈放、みたいな瞬間だ。
夕方頃、中川さん、矢野、夫、私、コドモの5人で
スペイン料理屋でライブのミニミニ打ち上げ。
でも、お礼の言葉をうまく言えず。
ありがとね。

7月20日・火曜日
日テレ「ホンの昼メシ前」に出演。
次の仕事の時間まで、テレビ用の洋服の買い物。
売場のかわいい女の子に
「これ、ぜひ清水さんみたいな人に
買ってもらいたかったんですー。腕、細いですよねー」と、
ブレスレッドを見せられ、お世辞とは思いながらも
「えー。一万円もすんのー」と言いつつ、いただいた。

そのあと土曜ワイド劇場のロケ。
ロケバスの中でグレートチキンパワーズさんに
「ビバリー聴いてます!」と言われ、喜ぶ。
ラジオを聴いてる、と言われるのは、
テレビの10倍以上、嬉しい。
そのあとまた日テレへ。
ケーキをいただく。うまかですたい。

7月21日・水曜日
「ごきげんよう上半期大賞」。5日分収録。
藤井隆さんが、楽屋にいらして挨拶。
実はファンだったので、ナマで会えるのが楽しみだった。
なんと、藤井さんは、学生時代にお兄さんと、
私のCD「幸せの骨頂」を聴いててくださったのだそうで、
顔マネの本まで持っておられるとの事。
うっそー、と驚きながらも、また喜ぶ。
CDを持ってた、と言われるのは、
ラジオの10倍以上、嬉しいものなのです。

でも、1日目分の録りの本番後、
「どうでしょうか、今の」と、
海砂利水魚の二人とともに相談に来たので、
わざと「先輩の姉さん芸人」って顔で、
「全然ダメなのね」と、
いばって注意してたら(冗談のつもりだった)、
本気に取られて、藤井さん、
マネージャー・ヤノッチつかまえて
「あのダメ出しは本気なのでしょうか……」
と相談してたらしい。
今度は本番後に、こっちから
「あの、さっきの嘘ですからね」
と楽屋にノックしておわびに行く。
何を互いに往復しとるか。

1999-08-07-SAT

第83回

7月22日・木曜日
ビバリーとCBC。
そのあと、明日のためのリハーサル。
今年は「著作権100周年」という事で、23日、
初台の新国立劇場で大きなイベントがあるのでした。
「ほぼ半世紀メドレー」なんてもんじゃなく、
ちゃんと100年間の日本の一世紀のメドレーを、
高平哲郎先生演出のもと、20数名の芸能人が歌うという。
振り付けの土井はじめ先生のもと、
4時間にも渡る踊りリハ。

私は小堺さん、斉藤晴彦さんと「ベアトリ姉ちゃん」、
マリリンモンロー「I wanna be loved by you」、
矢野顕子「丘を越えて」、ニューミュージック数名など、
時代ごとに出番が違うので、記憶力を駆使したつもり。
ヤノッチ、さすがもとスポーツ選手で、
鈍い私と違い、踊りの覚え方が早い。
帰り道に、復習。
動きのコツを教えてもらった。


7月23日・金曜日
「著作権100周年イベント」。
楽屋の中は、私、綾戸智絵、ケイコ・リーで、
低音ばっかりの笑いの部屋となる。
そこへ渡辺えり子登場で、いっそう恐怖の館が強化された。

私はあれだけ覚えたのに、
本番、マリリンモンローの踊りが、途中で、
なんだか「ブホッ」と吹き出してしまった。
「ブホッ、じゃねえぞー!」と、
階段で堺正章さんと小堺さんに言われてしまった。

山下洋輔さんの演奏に麿赤児さんの舞踏、
という組み合わせを、客席の後ろのほうに行って見てたら、
「ま、麿さんって、ど、どういう方なんですか?
笑っていいんですか?」とヤノッチ。
ともかく4時間の本番が終了した。楽しかった。
帰宅したら、コドモが
「今日、ファービーが踊った!」と言ってた。
「今日はママも踊った!」という話を着替えながらした。

7月24日・土曜日
いいお天気。朝から生放送。こちらも4時間。
小林克也さん、ライ麦パンのような風貌であるが、
毎回、奥様お手製のおにぎりを食べておられる。

そういえば昔、私の友達がサラリーマンと結婚し、
「うちの主人の手製のお鮨、
ぜひ食べてほしい! 感激するから!」
と言われた時は笑った。
「あんたらは愛し合ってるからいいかもしれないけど、
よく知らないヒトの握り鮨なんて、
世の中で一番食べたくないわよ!」と、
おえっ、という顔で言った。

友達「あ、そうか!」と言ったくせに、
わざと会うたびに「鮨、鮨。まだ?」と言ってくる。
鮨は鮨屋。

帰ってきたら、知人からメールで、犬の写真が来てた。
ペット好きな人が陥りがちな一枚で、笑ってしまった。
しかも本人はかつて、
「なめ猫」について怒っていたはずではないか。

1999-08-10-TUE

第84回

7月25日・日曜日
自分の部屋で、
テレビブロス、宝島、FROM・Aの原稿を書く。
締め切り直前にあせって書く方が好きだ、という人は多い。
私もそうだ。
だんぜん、しっかり書かなきゃ!と、やる気になる。
ただし、先日もらったライブのアンケートに、
「ブロス」とこのHPの連載と中身がだぶってるのは困る、
ブロスには安いけどちゃんと金を払ってる、とあった。
えへっ。気をつけます。
でも日記なんだからいいじゃない。

コドモ、部屋にやってきて、
「実はこのあいだテストの時に隣の人の答えが見え、
カンニングをしてしまった」
と言いにくそうに言う。
なんてまじめなんだ。親に言うか。
私なんかずうっとカンニング人生よ!
もっとちゃっかりしなさい!
信号が黄色だったら、うまいこと渡りなさい、
ちゃっかりが足らない、ちゃっかりが、
普通するわよ! と変な注意となる。

笑ったのは、友達A子ちゃんの話で、
左の手のひらにびっしり細かく漢字を書いて、
しかもわざわざ
「これならカンニングじゃないよね!
自分の身体だから!」
とまわりに確認してたらしい。
みんな返答に困ってたそうだ。
これもちゃっかりがもひとつ足りない!
おしい!

7月26日・月曜日
仕事の帰りにスーパーへ。
今日は野沢一家が遊びに来るのだ。
直子ちゃんの夫のボブ、到着するやいなや、
勝手にウチの冷蔵庫を開け、
自分の持ってきたフルーツなどを入れ、
「タルトヲツクリマス。イツモタベルダケダカラ」
と作り始めた。
やさしー。
野沢直子はえへらえへらしながら
私とボブの料理を食べるだけだ。
「これが、ちゃっかりだから」と指さして
コドモに教えるいい機会に。
そのうち、美鶴ちゃん一家、ヨーコ、ヤノッチ、中川さん、
遅れて夫、と到着し、にぎやかになる。
コドモ、全部で4人が一緒に遊んでる姿
またかわいいかわいい。
かくれんぼ、ちっとも隠れてないのに隠れた気でいる表情。
「いったい、どこだ?」
「私の子がいない! 困ったわ!」
なんて言うと、
「ココデス! ワタシハココデス!」と
真珠ちゃんが必ず飛び出てくる。

7月27日・火曜日
羽田から青森市へ。
全国の保母さんの集いの、東北編と、東京編の2つに
私が参加するのでした。
今日は東北編。

一緒にトークをする代表の保母さん1名、
ステージ上でいきなり私に、
手話で(こんにちわ!)と挨拶。
とっさに私も「あ、こうやるんですか!」と覚える。
しかし、まわりに手話を必要とする人はいないのになぜ。
そのあともちょこちょこと手話で答えようとするので、
「あの、ちょっと自慢してるっしょ! 手話!」と言った。
英語と手話、ニーズがない時にやられると
途方に暮れてしまう。
なぜかいきなり英語で怒り始めた
「藤田朋子の記者会見」もおかしかったな。

メークを取り、タクシーで帰ろうとしたら、会場の目の前に
ナンシー関さんの実家「関ガラス店」を発見。
「ちょっと、待っててください」とおもむろに
マネージャーに写真を撮ってもらう。
そしたら、本物のお客さんがやってきた。
待っても待ってもお店の人が出てこない様子で、
私にまじまじと
「お店の方ですか?」と訊いたのには笑った。

7月28日・水曜日
ダスキンマンにお掃除をお願いした。
そのあと「アド街っく天国・高山編」のゲスト。
同じく仲代達矢さんもゲストっだったのだが、
気のせいかもしれないけど、スタッフが、まるで
「この方に失礼があったら、刀で斬られる!」かのような
平身低頭の挨拶の仕方だったのがおもしろかった。
心の中で(斬ったりして)と思ったらまた笑えた。

しかし、VTRを見てたら、その笑いも止まった。
なんと、カメラ目線で私の父が出てきたのだ。
確か昔、
「タレントの妻や親がテレビに出てくるほど
みっともないこたーない」と言ってたのに。
しかも、
「愛川さん、ミチコをよろしくおねがいし、ぶほっ」
と吹いていた。
9月3日頃、放送らしいです。

1999-08-18-WED

第85回

7月29日・木曜日
ビバリー昼ズとCBC。
そのあと「天才てれびくん」の収録で、
子供たちにユーミンとUAの歌マネのコツを伝授。
教えといてこう言うのもナンだけど、
だんだん子供たちが、モノマネうまくなってるのが不思議。
うまい、うまいねー、とほめたたえる。
いきなり、担当のディレクターが
「転勤になってしまった」と聞き、しょんぼり。
いい人だったのに。
ヤノッチから「ダンス・レボリューション」という
ゲームソフトを借りた。
向いてなかったなあ。

7月30日・金曜日
日テレ、ロンブードラゴン収録。
いろんなお店に行って、
有名人のサインを見つけるゲーム。

たまたま発見したシンクロの選手、小谷実可子さんの
サインの絵があまりに下手だったので、爆笑してしまった。
普通、ヘタだと、悪いから口にできないもんだけど、
これは、気持ちよくヘタで、
思いっきり口にしてもいいよ!
そんなのびのびしたデザイン。
水中で描いたんじゃないか? そんな絵柄。
欲しくなっちゃった。

YOUちゃんも一緒で、お互いのメールアドレスを交換。
UVケアしながらも強い日差しにしっかりあたってたので、
パックし、たっぷり水分をおぎない、早く寝た。
小林克也さん、暴漢に襲われる! という
大きな見出しの夢を見た。

7月31日・土曜日
LFで生放送。
小林克也さん、暴漢に襲われてなかった!
そのあと、移動。
上野国立科学博物館で、「大顔展」というのをやっており、
南伸坊さんとトークをした。
二人とも顔が大きいから選ばれた、のではなく、
顔マネしている同士だからです。
シンボーさん、
「最近、電光掲示板を見ると、
ちょっとふざけてくれないかなと、思うようになった」
とおっしゃっていた。
スライドを使って二人の顔マネを評価しあう。
ふたりとも、ず、ず、ずさん。
いいお客さんで、楽しかった。
南さん、本当に器の大きな方だなあ。いつもそう思う。

そのあと新宿へ移動し、友達の西条昇くんに頼まれた
「全日本お笑い選手権」の審査員。
小中高生の中から、
日本で一番おもしろい子供を選ぶ、だって。
高校生の部は、さすがに言葉の選び方がおもしろかった。
光ってた。
先生の部、なんてのもあったけど、
こっちはいまいちで、ちょっと寝そうになっちゃった。
テレビにラジオ、新聞社まで来ていた。
いろんな仕事があるものです。

1999-08-21-SAT
BACK
戻る