第62回
5月9日・日曜日
「天才てれびくん」3本収録。
ハデな格好の東京の女の子と、さらにハデな大阪の女の子
二人が会った瞬間から仲悪い様子だった。
歌ってるうち、東京の女の子がちょっとまちがえた。
「ちゃんとしいやーあんたはー」、
「事務所から落とされんで」みたいなつっこみに、
ついに涙ぐんでしまった。
こういうセリフ、周り(大人)がうけるんで、
大阪「私は冗談で言っとったねんで」みたいな顔していた。
私もこういうタイプの子供だったので、
大阪の気持ちもわかった。
コドモって、
うけたい・ほめられたい・認められたい一心で、
大人びた事を言っちゃ、
驚かせようと頑張る生物でもあるのだ。
「君はもすこし上品に、あなたはもすこし下品に」と
アドバイスし、楽しく収録、のはずが、
収録合間での、私へのつっこみまでけっこうきつくて、
そのうち頭からもくもく煙が出てきた。
家に帰り、今日は母の日で、
コドモからメッセージが書いてあるカードと、
好物の「塩大福」2つもらった。
「塩大福って、ハムスターに似てるね」と、コドモ。
笑った。確かに。
大きさや、柔らかい白の中に黒く濡れた丸、
という構図がそっくり。
塩大福 |
ハムスター |
5月10日・月曜日
羽田空港で時間が余り、THE・GINZAで買い物。
富山で、北陸一帯に流れる料理番組
「清水ミチコのおかず屋さん」の司会。いつの間に。
ところで行きの機内で雑誌を読んでいたら、
林真理子さんが
「言葉使い(敬語)」について怒っておられた。
これを読んで思い出したのが、私の知り合いの怒り。
新幹線で、ある好きだったタレントさんが
立ち去った席を見て、そのちらかしっ放しの様子に、
ものすごく腹を立ててたのだ。
「あの人、そんな事しそうなタイプじゃん」と私が言うと、
「そういう問題か? いっぺんで嫌いになったわ、最低!」
と怒り収まらず。彼女はものすごく
公衆マナーがきちんとできている人だった。
この怒りが、どうも私にはピンとこなかった。
悪いことは悪いけど、何もあんたが怒らなくても、
と不思議だった。
しかし、林さんのでわかった。
人はどうやら、その人が「得意とするジャンル」にこそ
怒りエネルギーが爆発しやすいようなのだ、と。
また「清水・格言シリーズ」でしめてみました。
5月11日・火曜日
プロの料理人を横に司会。楽しかった。
料理に集中しておられるので、つまみ食いしたり、
ナスで遊んだり、歌いだしたりと、
いろいろな司会の仕方を編みだした。
きびしい一社提供なので、たくさん偉い人が来ていたが、
オッケーなのだそうだ。
オッケーなのだ。
オッケーって何だ。
土地の方と、何でもない話から、
「富山から出た有名人には、
本当は西村雅彦さんがいるんだけど、
多分、どうも彼は隠したがってるようです」
というのに笑った。
真偽は知らないが、(どちらでもいいのだが)
「薬売りの行商の姿で
東京までひたひたと歩いてきた西村さんが、
今刑事をやっている」という
松本清張シリーズの絵みたいなのが浮かんだ 。
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