
ほぼ日 |
仕事に立ち向かうお母さんと
自分のお母さんって違うもの?
一緒? |

スガノ |
いや、何かね。うちは商売やでしょ、
こんな家庭はイヤーッ、てずっと思ってた。
もっとだから自分が家庭を持ったら、
子供を大事にしようとか思うように、ね。
”教育木の葉現象”って
呼んでるけど、
葉が落ちるときに表、裏、表、裏
ってなるでしょ?
「母にされたことは、
私の子供にはしない」って。 |

きょうこ |
うちもとにかくほったらかしで
なにもかまわないんですけど、
泣くと怒られたな。
母は泣くことに関してすごく厳しいの。
私が友達と喧嘩して泣いて帰ったりすると
絶対うちのママに見られたらダメだなと思って
サーッと部屋に上がって泣くのね。
そうするとダダダダって上がって来て
私の部屋をパッと開けて
「泣くんじゃないよ、
情けない!!」
とか言ってまたバッて去って行くんですよ。 |

スガノ |
男…。 |

きょうこ |
そう、男なの。もう。 |

りか |
ハルオ…。 |

きょうこ |
やられたら、やりかえせっ、って。
やってきなよぉとかって言って。 |

美雨 |
「やってきなよぉ」・・・。 |

きょうこ |
「やってきなよ一発!
泣いてんじゃないよ!」
とか言って去って行くから、
私は絶対こうはならないって思ったの。
そしてそれを言ったんですよ、ママに。
私に子供ができたら、
ママと反対のことをすれば
すっごくいい子に育つと
思うんだって言ったら、
「 私もおんなじよ!
私はおばあちゃんに
されたことと逆のことを
あんたにしてんのよ」って! |

ほぼ日 |
逆の教育方針で育てたんだね。 |

スガノ |
おばあちゃんはかまい過ぎたって? |

きょうこ |
うん。しつこくてうるさかったから。
それでその逆で、
もう突き放すくらいじゃないと
何でも一人でできるくらいじゃないと
ダメだっていうのが、教育方針なんだって。 |

スガノ |
うーん。 |

きょうこ |
ボーイフレンド別れた時に私が、家でしみじみ
「ああ、○○っていい男だったよねぇ」
ってぼおっとつぶやいたら怒ったの。
「そんな別れた男のことを
『良かった』なんてねぇ、
歯を食いしばっても言うんじゃないよ!
みっともない!」 |

ゆうこ |
かっこいいー! |

スガノ |
男だ! |

りか |
ハルオは男だ。 |

きょうこ |
でもねえ、
私は家庭でも歯を食いしばって
本音も言えずに生きていく
のかしら・・・って。 |
一同 |
(笑) |

きょうこ |
「次行くんだよ、次!」って。
ちょっとはねえ、しみじみしたいときもあります。 |

美雨 |
ふーん。 |

ほぼ日 |
そういう哲学的な教育ってされました?
教育って言うのかね。 |

美雨 |
哲学的な教育ねぇ。
こういうものよ、
世の中ってこういうものよみたいなのって、
世の中は甘いものじゃない、
一人で生きてんじゃないよあんたっていうのは、
すごく教わりました。
彼女自身15で東京出て来て
居候しながら16くらいでナイトクラブで
ピアノ始めて朝までやって稼いで、
みたいな生活をしてたから。
いろんな人に迷惑をかけ、
いろんな人に助けられて生きててっていうのを
10代後半ですごく感じてたと思うから、
それはすごく言われます。
細かいことはあんまりあれだけど、
何だろう、とにかく何か
「子供っつーのは
恥ずかしいこと
いっぱいしてんだよ」
っていうふうにいっぱい言われる。
子供は、恥ずかしいいろんなことを
回りの大人に注意されたりしながら、
やっと、少しずつ大人になっていくんだって。 |

きょうこ |
・・・(しみじみ)。 |

スガノ |
まともだぁ。もっともだ! |

ゆうこ |
すごい! |

美雨 |
彼女の方針とか哲学的には
全く理不尽なことは言わない人だし。 |

ほぼ日 |
へえー。 |

美雨 |
論理的だし、言われたことは
すごく納得するのね。
でも、ちっちゃいことはやっぱり変かも・・・。 |

ほぼ日 |
え? ははは! |

美雨 |
朝食で言うなら、
たまーに朝ご飯作ることがあって
彼女すっごい近視なのね。
コンタクトレンズも特注なくらい。
新聞が(ほとんど顔につくくらい寄せて)
こうでないと読めないくらい。
で、そのまんま料理作るもんだから、
いろんなものが入ってたりするの。 |
一同 |
うわー(笑)。 |

りか |
裸眼で料理ですか。 |

美雨 |
サラダに輪ゴムとかが
入ってたりするの! |
一同 |
こ、こまる! |

美雨 |
食べてて「ねぇこれって」って言ったら
「サービスよ、サービス!」 |

きょうこ |
おかしいっ! |

スガノ |
おもしろい! |

まいこ |
うちのお母さん、たまごを割って
家族4人分の目玉焼きを作ろうとしてたのね。
鼻歌うたいながらすごいスピードでたまごを割って、
フライパンに入れてるんだけど、
「きゃーっ! いやーん!」
って悲鳴がきこえたの。 |

ゆうこ |
そうそうそう。ひどいの。
フライパンにはたまごの殻が入ってて、
三角コーナーに、中身が入ってたの。
 |

まいこ |
お皿に、いちごのへただけが入って
実が三角コーナーに入ってたこともあるよ。 |

ほぼ日 |
(笑)ゴメンとか言わないの? |

ゆうこ |
もうねえ、あきらめてるなー。 |

美雨 |
うちの母も、何かそういうところが適当。
賞味期限とか適当かな、すっごく! |

きょうこ |
あー、適当、わかる! |

美雨 |
いきなり10年前の缶詰が出て来たりするのよ。 |
一同 |
あはははは。 |

きょうこ |
わかるわかる~。
うちも、そうだもの!
缶詰は基本的に腐らない
っていう変な哲学があるのよ。 |

美雨 |
そうなの! ぜったいそう思ってますよね? |

きょうこ |
思ってる! |

美雨 |
ごまかそうとかじゃなくって…。
大丈夫って信じてるの。 |

きょうこ |
大丈夫。
缶詰は腐らないって。 |

美雨 |
完全にそれ遺伝してるんですけど(笑)。 |

きょうこ |
そう、私もそう。
そいで賞味期限っていうのは
多少サバ読んでるって言うのね。 |

美雨 |
うん。そうですよねぇ。 |

きょうこ |
でも私ね、それで一回、
古い牛乳でじんましん出来たことある。 |

美雨 |
えー? |

スガノ |
ダメじゃん、じゃあ。 |

きょうこ |
小学校の頃、しょっちゅうじんましん出来てた。 |
一同 |
(笑) |

きょうこ |
朝牛乳飲むとじんましん出来てた。
ママすごいじんましんが出来た。
すごくない? って言ったら、
「あ、そう? あんた何したの?」
「牛乳飲んだ」
「あ、それ飲んじゃったんだ。
私は新しいの飲んだから大丈夫」って! |
一同 |
(笑) |

きょうこ |
古いの捨ててよー。 |

スガノ |
ひどい! |

りか |
子供を強くしようって? |

きょうこ |
そう、強くしようって。
もう、基本ですね。
(つづきます。メールはこの下で!)
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