MASUNO
このごろのもりまりこ

みなさま、どうですか、おげんきですか〜?
雪にすっころんだりしていませんか。
そうですかっ。ちっとばかしアンラッキーな
日もあるわいな。ということで、どうぞお大事に!
あたくし、もりまりこはなんともひとりで
こうやっておしゃべりしてるのもなんだか
つまらなくなってきてしまいましてね。

今日はですね。なんとあたくしの記念すべき
第一歌集『ゼロ・ゼロ・ゼロ』(フーコー/星雲社)の
なかの『謎の人物T』とですね、だべりでも
かまさせて頂けたらと思っています。
ヶイタイにTELしますんでしばしお待ちを。
(090-○○○-????)
どうぞ、おイヤでなければ、明るい盗み聞きなんぞを
まうすちゃんでカチッカチしてお楽しみ下さい。
声のほうは御自由に御想像下さいまし。

       ♪0♪0♪0


『ふあ〜いっ。(いつものことだけどふぬけな声で)
お前すっごいタイミングでかけてくるな、いっつも』


『な〜な〜何してたん?』


『なにって。そりゃあんた、窓見てたらびっくりしたわ。
いつのまにやら真っ白やん。積もってやがんの。
雪ってな、降る前なんであんなに静かなんやろ〜って。
雨なんか降らしたるぞ〜って、えらい宣伝しよるやろ。
ばらばら、とか。しゃっしゃっ〜とかな。うあ〜、
雨ふっとんちゃうのって言わしたいんやろな。
あいつうれしがりやで、ぜったい。
そんなに存在をしらしめたいのか〜って!な〜』


『あんたな〜。どーでもいいけど、のっけからよう
しゃべるな』


『そーか?そんなことないでっ。平野レミよりは、
ましやろっ。でもな、あの人えらいわ〜。
呑まんであれやで。感心するわぁ』


『そやそや。今日いてはったで。すごい酔っぱらい』


『どこで?』


『御堂筋線の梅田の改札でたとこ』


『あー。なーちょっといい?』


『なによ』


『その話長なんの?』


『聞きたないん?』


『ちゃうねんて。異常事態発生。
ごめん、しょんべんちびりそうやねん。行ってきていい?』


『もらしても、あんたひとりやねんから
どうってことないって。ヘ−キヘ−キ』


『あほかぁぁぁぁ・・・(しばし声が遠くなりサイレント。
すみませんトイレ待ちで〜す。しばし音楽でも。
やっぱり奥田さんはいいですね。マシマロの世界。
最後に♪奥田民生も関係な〜い♪ 
って声が聞こえてくるのはあたくしだけでしょうか)
おまたせっ!』


『でな、そうそう酔っぱらい。ふたりいてて。
たぶんな関係は上司と部下かなあ。おじさんと若者。
でもな、その上司の人の髪型がなとにかく、
いんぱくとあんねんって』


『なー、スマップの草薙くんパーツんとこの
♪いんぱくとがこんぱくとに♪って箇所な〜んか
気になんねんけど』


『あんた人の話し聞いてるか?
こんぱくととちゃうって。
そのおじさん、すっごいキャッチな頭やったんやって。
きっとな、多分な。元の髪型は1・9分けやったと
思うねん、でもなみたら0・10分けになってたんよ』


『杉浦さんちゅうことかいな』


『だれそれ?』


『そういう人がいてはんのやって。で』


『ちゃうねんて、あたしが云いたいのは
髪型の話しやのうてな、そのふたりな
肩たたきあってとにかく笑いあってンの。
もう、まわりの目も気にせんとな。
そりゃ通行のじゃまやからエラ迷惑な話しやで。
でもな、笑い続けてんねんて。なんか友だちみたいに。
みだれ髪も直さんとな。その部下のコも、社交辞令じゃ
ないって感じやねんって』


『だからな、酔っ払いかたがな、最近尋常やないんやって。
やっぱ、シラフじゃきついんやって』


『うん、それも確かにあると思うけど。
でもな、あんなに上司といっしょになって
思わず呑んでしまった部下って。
はじめはなメンドクサって思ってたかもしれへんやん。
でも、いつか瞬間があったんやって。
ぱしっと打ち解けた瞬間がな』


『・・・そやろなあ。俺ないな。そんな呑み方。
でもそんなふうに呑めたらめちゃくちゃ気持ええやろな。
やっぱ、おんなじ船の乗り組み員みたいな感じやねんて。
おっさんらようわからんけど。
かけひきとか利害とか超えてしもうたんやろな』


『だからな、あたしそのふたり見てて思っててん。
心配すんな、出口がなくても気にすんな。って
云われてるみたいでな。すっとしたわっ』


『それってなんや、三代目魚武濱田成夫みたいな』

(つづく?)

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    もりまりこの第一歌集
『ゼロ・ゼロ・ゼロ』(フーコー/星雲社)は
アーチスト・立花文穂さんのブックデザインで
   ただいま全国書店で発売中です。 
  どうぞ、お手にとってくださいね!

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2000-02-10-THU

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