第7章 レッスン3は、晴れた日だった(2)
亀の歩みであろうとも、
我々は確実に、前に進んでおります。
今回は、いよいよプロバイダの契約手続きです。
ISDNの問題は、お読みになるとおわかりの通り、
予想がくつがえされました。
そして、うれしはずかし!
「メール・アカウント」候補の決定。
このあたりには、ミーちゃんは頑固になるんです。
なんでもいいわ、とは、絶対に言わない。
では、南波先生よろしくお願いしまーす。
今回の「ランチャー」は氷菓系。
赤福好きのミーちゃん、「雪見大福」を召し上がる。
まずは美味しいおやつをいただきながらの談笑。
もうこれがないとレッスンに突入できない体質に
なりそうだ。
まったく「先生」だか「飛び入り客」だか
区別が付きにくくなっている。
「せっかくMacの机も来たことですし、
今日は写真を撮らせていただきますね。
ホームページに載るかもしれませんよ」と私。
「あ~ら、あははは、そうなんですかぁ~?
そんなことかとも予想してたけど・・・
じゃあ出演料いただかないと!(爆)」
ご子息さま、早くマネージメント部門を
発足しておいた方が・・・。(笑)
さて、今日こそはプロバイダ申込書を
お預かりしていかないと。
ミーちゃんも同様なお考えだったようで、
さっそく申込書を取り出してきてくださる。
「回線の種類」を選ぶところで、ISDNについて
簡単に説明して差し上げた。
お電話がよくかかってくるとのことなので、
2回線分が利用できるなどの利点をお話しすれば、
もしや飛びついてきてくださるのではないかと
予想していたのだが・・・。
「あ、それは要らないわねぇ。
ノリコ用にもう1回線来てるし、
お電話くださった方も話し中なら
『あー、またインターネットやってるわ』
って思ってくださるでしょうから、
また後でかけてくるでしょう」
「あ、そうですよね~。
一日中回線を占領するわけでもないですしね、
iMacは処理能力に優れてますから
データを読み込むのも速いですし、
ISDNは、そうですよね、要りませんよねぇ」
セールス・ウーマンには到底なれそうにない。
デジタルとアナログの違いを
簡単に説明するくらいが限界だ。
「話し中」イコール「インターネット中」という、
他者との暗黙の了解。
私自身の環境も、自慢じゃないが
一般のアナログ回線なので、よく人に言われる。
「ずっとインターネットやってたでしょう」
「昼間からそうやって遊んでるのぉ? 信じられなーい」
とも。
いや、あの~、仕事するうえで必要なのです、
インターネットが。
しかし、やってない人に説明しても、
わかってもらえないことが多い。
また、「暗黙の了解」がなされてない人からの
「長電話してたねー!」とのお言葉もちょっと辛い。
仕事の合間についつい寄ってしまう
行きつけのサイトは確かにある。
そんなサイトに入り浸る合間に
ちょっと仕事をするような場合も、そりゃ確かにある。
でも、まぁ、これが私の生活だ。
でも、周囲との関係を保つためには、
やはりISDNにするべきなのか?
ミーちゃん周辺から、この先、
「お話し中」クレームが出ないことを祈る。
洗濯物干しながら掲示板に書き込みしても、
料理しながらリロードしても、いいじゃないか。
そういうネット主婦仲間はけっこう多い。
揚げ物する時までPCを離れなくなると、
これはちょっと危険だが。
(ん?そんな人、いないか・・・)
ミーちゃん、お庭いじりの合間にちょこちょこと
ネットライフを楽しんでくださることだろう。
どの程度ネットで遊んでくださるのか、楽しみ。
話がかなり向こうに飛んでいってしまった。
そう、プロバイダ契約の申込書の話だった。
ミーちゃん、生年月日を「大正××年」と表記するか、
それとも西暦の方がいいのかお悩み。
どちらでもいいのでは? と申し上げても
ちょっと「いいのかしらぁ」な表情。
結局「T ××年」と。
「大正」ではなく「T」なところがさすがモダン。
いや、「モダン」なんて言葉は失礼だ。この現代を
バリバリの現役で楽しんでらっしゃるミーちゃん。
同世代感覚でおつきあいさせていただける80代。
全国のインターネット「T」世代に乾杯!
後で裏面をよく読んでみたら
生年月日等はオプション的扱いだった。
でも「T」のプライドにかけて、
ここはもうはっきりと「T」宣言だっ。
あとは、メール・アカウント決め作業。
第3希望まで記入するようになっているが、
どうしても第1希望しか思いつかないようだ。
カタカナで「ミー」、ひらがなで「ちゃん」
これがご自身のアイデンティティであるようだ。
名前を選ぶという場面では
これ以外には考えられないとの印象。
ユキエさんも
「そうね、『ミーちゃん』でいいわよ。そう書いたら?」
ミーちゃん
「そうね。第2、第3希望欄は空白でいいかしら」
「う~ん、でも、念のため、
何かしら書いておいた方がいいですね」
「何にしようかしら。考えつかないわ。
じゃレッスンが終わるまでに考えておきますね」
「はい、そうですね。お願いします」
でも、第1希望については今のうちに記入してしまおう。
別の紙に試し書き。
「こうでいいんですね?」とミーちゃん。
あ、やっぱり・・・。
カタカナとひらがなで、「ミーちゃん」だ。
「あ、すみません。こちらの例のように、
英数文字で、ということになっているんです。
インターネットでは・・・」と決まり事をご説明。
「あ、これじゃダメなの?」ちょっぴりがっかり。
改めてローマ字で「mi-chan」と。
よかった、8文字以内に収まった。
でも、もうすでに同じプロバイダ内に
存在してそうな予感もあり。
「みゆき」さんでも「みさき」さんでも
「みいこ」さんでも、
なんだか思い付いてしまいそうなアカウント名である。
「ミーちゃん」は「ミーちゃん」なのに
「ミーちゃん」と名乗れないとしたら
何だかとっても残念だ。
でも、「早い者勝ち」というルールには逆らえない。
「mi-chan」獲得成功を祈る。
思わず、俺も祈る。
しかし、ミーちゃんが、「mi-chan」になるのか。
この音引き「-」は、日本語だぜい、なんて、
杓子定規なことを言ってはイケナイ。
そういうルールの混血状態こそが、
新しい時代を生みだす原動力なのだ。
「セビルロー」が「背広」だぜ。
「アメリカン」が「めりけん」だぜ。
世代と世代の境界線のあたり、
文化と文化の汽水域のあたりにこそ、
いままでなかった何かが生まれいずるのだ。
・・・って、おおげさになっちゃったけど、
早い話が、「miichan」よりも「mi-chan」のほうが、
いいんじゃないの?
ということが、ぼくも言いたかったということです。
(明日に、またまたつづくんだ)
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