80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第7章 レッスン3は、晴れた日だった(5)。


ミーちゃんにとってのメール・アカウント問題は、
けっこう大問題だった。
ぼく自身も、そういえば悩んだっけなぁ。
はじめは、「itois」だった。
プロバイダを変えて、何にしようかと
さんざん考えたけれど、しっくりくるものがなかった。
そこで、急に「darling」を思いついたのだった。
誰でも知っている言葉なのに、
ひょっとしたら一生に一度も使わないかもしれない言葉。
言うほうの人が、口に出して恥ずかしさがある。
言われるほうも、かなり恥ずかしい。
この違和感というか、摩擦感をたのしもうと、
ぼくは「darling」に決めたのだった。
しかし、もう1年以上も使っているうちに、
羞恥心も消えてしまったようだ。
自分から平気で、「だーりんです」と、言ってるもんな。
ミーちゃんも、いっそ、第2第3候補は、
とんでもないものにすればいいのに。
「loveletter」とか、とんでもないやつに。
と思っていたら、もっといい感じの適当なやつを、
思いついたらしい。

では、南波先生、教えてください。



プロバイダ申込書は、
このあと私が代わりに代理店へ提出することに。
(当日、IDやパスワードをついに入手)
さて、未記入のアカウント名、
第2、第3希望はどうしよう。
お庭を見渡し、ミーちゃん、さっさと決定。
「ajisai」と「minibara」(アジサイ、ミニばら)
「これが咲いている季節にインターネットを
始めたってことがわかっていいわよね」と。

さて、第1希望が採用されるのか、
はたまたお花系となるのか。
4日ほどで結果が郵送で送られてくるはずだ。
お楽しみに。

***

二日後。
ノリコさんよりお電話をいただく。

「突然すみません。ちょっと助けてください。
動かなくなっちゃいましたー。教えていただいた
強制終了をやろうとしてみたんですけどね、ダメなの」

おっと、とうとう来たな、フリーズくん!
意外と早かったね。

「あれこれやってみてもダメなら、
やっぱり“楊枝”ですかねぇ」
「あ、やっぱり“楊枝”ですか、こういう場合は。
じゃ、穴に楊枝入れてみます」
「そうすると再起動するはずですので、
やってみてください」
「はい、やってみまーす。
多分、私が変なところ押しちゃったからなのよね。
OUTLOOK EXPRESSで。
じゃ、この後電話が来なかったら
成功したと思っていてください」

そして・・・めでたく、
初の「楊枝」作業は成功したようだ。

しかし、皆さん、お聞きになりましたか?
OUTLOOK EXPRESSと・・・確か・・・。
まだ私が一度も口にも出していない
ソフトの名を耳にするとは。

ミーちゃんとノリコさん、
クラリスワークスだけでは飽きたらず
もう気分はすっかりインターネット?
「どうせならメールソフトでワープロ練習しましょ」
なんて?
もうメッセージのボトル詰め作業に
取りかかってらっしゃるのかもしれない。
「早く海に流してみたいわよね、これ」なんて?
ホント、皆さま、
メールが届いても驚かないでくださいね。

次々に湧き起こる好奇心。
着々と前進し続けるお二人。
「先生」の知らぬ場で
どういうiMacライフが繰り広げられているのか・・・
やはり「エイリアス」となり、
ゴミ箱脇に立って眺めていたい。
(ラック・アシ危険回避システム、
それで3重構造になりますが、いかがでしょう。(笑)




ほんとに、先生のいない間に、大活躍しているようだ。
ぼくも、こんなふうに三味線をやっていれば、
いまごろは、人生が変わっていたかもしれないなぁ。
と、ちょっと反省。

(むろん、つづく。あしたは、重大発表があります)

1999-07-05-MON

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