第8章 4度目のレッスンは、蒸し暑い午後だった。
毎日掲載のスタイルでお届けしている、
「80代からのインターネット入門」ですが。
おわかりの通り、この連載は
リアルタイムでの進行ではありません。
レッスンがある。
↓
南波あっこ先生からのレポートが届く。
↓
レポートを何回かに区切って、
編集・構成の作業をする。
↓
更新・掲載。
こんな段取りで進んでいるわけですね。
ですから、ほんとの「現在のミーちゃん」は、
このレッスン4は終了していて、
その後いろんなところを旅行してきて、
今日あたりは静かにしているのかもしれません。
今日の掲載分は、レッスン4です。
このレッスンがあった頃に、「ほぼ日」の連載が、
スタートしていたわけです。
では、そのあたりのことが、
「ミーちゃんの周囲」で、どんなふうに語られていたか?
それを、お届けしてみましょう。
んじゃ、南波先生、スパイを、いや、レポートを!
いや〜、今日も蒸し暑い。
グイッとビールでも飲みたいような気分を封じ込め、
いざ出発。
約束の午後1時半に「レッスン会場」へ到着すると、
皆さん勢ぞろい。
華やかな声と笑顔のお出迎え。
どことなく「女の隠れ家」的なオアシスに
私のテンションもあがる。
「今、ちょうどお昼が済んだところなんですよ〜」
「あ、ちょっと早すぎましたか?」靴を脱ぐ。
「いえいえ、うちは、ほら、
いつもそこ(屋外)でいただくから
家の中は散らからないのよ。
先生もご一緒できたらよかったのにね〜」
ミーちゃん、ほんのりピンク。
あぁ、本当にご一緒できたらよかった。
かなり図々しい。
恒例の屋外ランチはヨーロッパの香り。
素直に憧れてしまう。
木漏れ日の中、美味しいご馳走と一杯のビールで
楽しく語り合うミーちゃんとそのお仲間たち……
これは絵になる光景だ。
次回のランチ付きレッスンの際には
ぜひレンズにおさめておこう。
「ついに昨日から始まったみたいねー!」
どなたかの声。たぶんジュンコさん。
ここで「何がですか?」などとボケをかまそうものなら、
一発退場、「先生」の称号剥奪だ。
「そうなんです。始まりましたー!
アクセス数も凄いらしいです」
しばらく「ほぼ日」の話題で持ちきり。
私が書いては送っているレッスン日誌も
そのうち掲載され始める。
「先生」という名の「密告者」であるかのような
一種の後ろめたさ。
レッスン風景を逐一「ボス」に密告していた
という事実を、そろそろミーちゃんたちに
お伝えしておかないと。
特別隠そうとしていたわけでもないが……。
「私が送っているレポートもそのうち載るんですよ……」
「あっら〜! やっぱりそうよね。それは楽しみー!」
ミーちゃんはじめ、誰一人として戸惑いの様子まるでなし。
戸惑うどころか、皆のテンション、ますます高まる。
「密告者」、意外なほどあっさりと、
単なる「報告者」と化す。
「初心者がどうやってパソコンを覚えていくかの
参考になるからなんでも書いてね」
「パソコンできる人にとっては
笑っちゃうような失敗の方がネタとして面白いのよねー」
などなど、
「報告者」としての私の立場をフォローする発言が続く。
「教えながらメモとっておいた方がいいわよ。
あ、どうぞ使って、このペン」
素早くペンと紙が目の前に用意された。
こうなったら別に速記者でも雇おうか。(笑)
「なんだったら、ノート型のパソコン持ち込んでもらって、
ここで教えながらレポートまとめちゃうとか(笑)」
さすがノリコさん。大胆な発想がキマッてる。
書いたレポートをここから即座に
送信してしまえたりしたらどれほどCOOLであろう。
どこかの通信社の記者にでもなった気分だ。
「いろいろと書いてはいるんですけど、
家に帰るとネタを忘れてしまうこともあって……
ですからレポートに書かれているのは
実際のレッスンの“ほぼ再現”でしかないので、
皆さんには失礼があるかもしれませんが、
よろしくお願いしますぅ」
ちょっとペコペコする「報告者」。
「どんどん何でも書いちゃって。
たまには脚色したっていいのよ、面白くなれば(笑)」
と、やっぱりノリコさん。
しかし、事実は‘脚色’よりも奇なり。喜なり。生成り。
それにしても、ありがたい。
取材される側にあってこの余裕。
まるで企画・制作会議のようだ。
「実験台」にのぼらされているような立場の
ミーちゃんまでもが、その立場をしっかりと
利用・活用しながら制作側に協力し、
自ら面白がってくださっているのだ。
「素人さん」集団じゃないな、これは。(笑)
「ミーちゃんもこの先『ほぼ日』に
文章送ることになるわけよね〜」
どなたかが言うと
「あら〜、そうなのかしら。
やだわぁ、面白そう〜」とニコニコ。
「また新たな人生の目標ができてよかったじゃない?」
ノリコさん、おっしゃる通り。
生き甲斐のひとつとなるに違いない。
では、大変お待たせいたしました。
その新たな目標に向かって
レッスンを始めるとしましょうか。
たしかにねぇ・・・素人集団ではないとも言えるけど、
よくよく考えてみれば、
完璧な素人集団なんですよねぇ。
「消費者」と「生産者」が同じ平面にならんで、
互いの情報を交換しながら、
モノやコトが生みだされていくという 「これからの時代は、もうこんなふうに、
すでに始まっているんでしょうね。
このレッスンの場そのものが、もうすでに
インターネット的であるというふうにも思えました。
(徹夜あけの釣り帰りで眠いけど、明日につづく)
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