第9章 レッスン5・接続の苦闘(3)
もう、忘れちゃっているかもしれませんが、
インターネットの接続が、まだできていませんよね。
それは、ぼくも、南波先生も、ミーちゃんも、
ミーちゃんちのギャラリーの皆さんも、
痛いほど知っているわけです。
iMacの内側のことなら、あっこ先生なんとかできるけど、
電話会社と各家庭の配線に関しては専門外ですからねぇ。
こういうケースでは、いわば素人に戻るわけですよね。
さ、つづきをお願いします。
今日も相変わらず壁にはモジュラージャックが4つ。
特にどこにも手が加えられた様子はない。
どうなるものでもないような気がしながらも、
前回同様、全てのジャックに繋いでは試してみる。
そのたびに、ノリコさんが二階の回線から下の電話を
呼び出してみたりして、回線状態をチェック。
とにかく、どういう構造になっているのだか、
それだけでも把握したい。
このコード抜き差しのせいで鳴る玄関の「ピンポーン」。
前回、思わずそれに「はーい」と
反応したミーちゃんであったが、
今回は即座に「あ、このせいね」と。
何度か鳴ったのであるが、
この中に本当のお客さまは
含まれていなかっただろうか。(笑)
どこかに繋げば成功するはず。期待を胸に一致団結。
例の「黒い物体」(「弁当箱」と命名--
しかし今回よく見てみたら「白い物体」だった)
に付いている
フタの中まで探ってみる。
中に複数のジャックを発見するも、結局、失敗。
素人業者たちによる、なんとも愉快なドタバタ劇。
こちらが専門の方、これをお読みになっていましたら、
ご一報を。というより、苦笑してやってください。
「もしかしたら二階のジャックが怪しいわよね。
この家、建てたとき、『二階でいいんですね?』って
NTTに何やら確認されたから、
たぶん、上のが本回線というか何ていうか。
とにかく怪しい」
ノリコ探偵、新たな推理。
「うちにすごく長い電話コードがあるんですよ。
あれ、持ってきてみたらよかったなぁ・・・」と私。
この素敵なお宅内の階段をダラダラと這う電話コード。
想像して笑ってしまった。
「もし二階のジャックで成功したら、ミーちゃん、
どうするぅ?二階にパソコン置いて、
そこまでいちいちやりに行くってのも大変よねぇ(笑)」
ノリコさん、それは確かに。
いくら足腰に何の問題もないミーちゃんでも、
それはちょっと面倒くさい。
「工事でどうにでもなると思いますけどね」
「そうね~」
などと思案に暮れながらも、全員の心にわきあがる、
ある一つの欲望。
「二階にこのiMacを持っていって試してみたい」
誰の発案というわけでもない。空気に漂う好奇心。
運ぶってか?!
二階に、移動させるってか?!
なんだか、男手のない状況での、女の力仕事って、
「やったほうがいいこと」のひとつなんだと思いますね。
女子校でも、毎日こういうことが行われているわけで、
「かばってもらう女性像」みたいなもんは、
こんなふうに現実に乗り越えられていくんだな。
がんばれ、力仕事の女たち。
(よいしょと、あしたにつづくのであった)
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