第9章 レッスン5・接続の苦闘(5)
インターネット接続が、電話会社の手を借りなければ
無理だということがわかって、
じゃぁ、することがなくなったかというと、
そんなこと、あるわけない。
プリンターが同じ時に届いたはずだから、
これもセッティングしなきゃね。
これまた、初心者にはめんどうくさいことなんだ。
そっちを、やっておこうというのが、
この時の南波先生の方針。
でも、その前に「お昼」だよ。
では、今のうちにプリンタを繋げておこう。
プリンタが入っていた箱から付属品を取り出す。
とりあえずインクカートリッジを
テーブルの上に置いたところで・・・
「そろそろお昼ですよ~」
お隣からの声。
勝手口からランチ用サンダル(笑)を履いて表に出ると、
テーブル上は、例によってお料理の花ざかり。
すぐ横はお隣の調理場。効率的なロケーション。
ビールをついで「いただきまーす!」
各自、大皿から各種お料理を
好きなだけいただくというシステムだ。
ここでも恋人岬の愛の鐘が話題にのぼった。
「ミーちゃん、インターネットで
恋人さがしでもしたらいいのよ、ねぇ!」
「じゃ、18才って書いておこうかしら(笑)」
もちろん今のはミーちゃんの発言。
「会ってびっくりじゃ、それもどうかしらね~」
「そうねぇ。あまりホラを吹くのも何だから、
それじゃトランペットでも吹いておこうかしら」
ミーちゃん、面白い。
今回の話題の中心はパソコンとインターネット。
「うちの店の通販もミーちゃんが
iMacで担当してくれるようになればいいのよね~。
インターネットで」
ミーちゃん、目を丸くしながらも、
内心どこかでそんな欲望がふと芽生えたかもしれない。
新たな「エサ」出現か!?
店主、ハツミさんとノリコさんがさっきから
気になる行動をとってらっしゃる。
指先で何かをポーンポーンと宙に弾き飛ばしているのだ。
何かの儀式であろうか。
「この間をくぐり抜けるってのは、
やっぱりかなり難しいわよ」
とノリコさん。
「この間」とは、背後に立っているラティスの、
その格子の目のことだ。やっとわかった。
弾き飛ばされているのは、サクランボの種であった。
自然のものは自然に帰すわけか。
それにしても、両者、プロの指さばき。(笑)
このお二人は、よく海外旅行をともにする仲である。
「旅行先のホテルでは下着にせっけんをつけて身体を洗う。
これぞ、一石二鳥!」
大胆というより効率的かつ合理的。大いに気に入った。
・・・暴露してよい話であったのだろうか。(笑)
あ~、たくさん食べて、たくさん笑った。
ほろ酔い気分がさめぬうちに(?)
さて、午後の部に入ろう。
おお、「通販」でも、「恋人探し」でも、
じゃんじゃんやってほしいものですね。
ノリコさんハツミさんの、
サクランボの種飛ばしは、ぼくもよくやります。
指で強くはさんで、すべらせるように飛ばす。
そういう方法でしょう?
・・・でもなぁ。
ぼくよりさらに年上で、
サクランボの種飛ばししている女性って、
日本中に何人もいないような気がする。
プリンタのことは、午後ですね。
(もちろん、あしたはプリンタの接続でしょう)
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