80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第10章 レッスン6・そして網のなかに(2)


ほんとに昨日は失礼をばいたしました。
つまり、えーと、前号までのあらすじ、
といっても、そんなに説明はいらないけれど、
要するに、ミーちゃんのファイルが、
急に現れたり消えたりする現象が追求されているんだ。
あらためて、その続きです。

もう謝るのはやめた。
さぁ、南波先生、ぼちぼちまいりましょうか。



文を選択してもいない。
通常通りのことをしただけ。
グラスに注いだはずのビールが、一瞬のうちに、
目の前から消失したようなものである。
これなら私もショックだ。(笑)

実験。 「現場検証」だ。
そのカーソルの位置で、いろいろなキーを押してみる。
しかし、どこを押してみても、文章は消えてくれない。
消えてくれないことを悩むのも、これまた、おかしな
話だが。

その一行が選択されていた、としか考えられない。
たどり着くのは、どうしても、そこしかない。
無意識のうちに文字の上をマウスでたどっていた?
しかし、「被害者の証言」とは食い違う。

「あ、私にしかできない間違いだから、いいですよ。
いくらやっても、先生じゃ、できませんよ〜(笑)」
そんなぁ、できないなんて嫌だ〜!(笑)

iMac、美味しそうに見えた一文を
消化・吸収してしまったようだ。
しかたがない。これを仮に「真相」としておこう。

しかし、
数行に渡って文章を選択しておいて、
インデントマーカーをずらすような
作業をしていたとしたら。
もっと恐ろしいことになっていたかもしれない。
その全体が「消滅の危機」にある。
思いがけない場所をつい押してしまい、
「あ、みんな、消えちゃったわ〜!」と。

「取り消し」を選べば元に戻るわけであるが、
一応ご説明はしたものの、
咄嗟にそれを思い出すかどうかは疑問である。

なにしろ、免許取りたての人がおっかなびっくりと
車を運転しているようなものであろうから。
ただし、iMacは公道を走れない。
他人に物理的危害を加える恐れはない。ラッキー。

関連して、ちょっと余談であるが、
私がMacとおつき合いし始めた頃、ちょうど自分の
車の調子が最悪のときであった。
いつエンストを起こして止まってしまうか、
ヒヤヒヤしながら走っていた。

Macを扱う際にも、いつ「爆弾」が出るか、
フリーズしてしまうか、ヒヤヒヤのしどおし。
だから、意識の中で、いつも車とシンクロさせていた。
外でも家の中でも気が抜けない、受難の季節であった。

さて、さきほどの一行消えであるが、
「何が書いてあったのかしらねぇ」
ミーちゃん、ちょっと気がかり。
そこで、私は微笑む。
「印刷したものを私が持ってますから大丈夫ですよ」

実は、その一行の内容を私は覚えていた。
前回のレポートで極秘公開した、あの日記部分に
たまたま含まれていた一行でもあるのだ。
すでに読者の皆さまの目に触れているわけだ。

なかなかラッキーなミーちゃんである。


そっかー。
南波先生の、クルマの運転のたとえ話はよくわかるわ。
高速道路に、ガソリンが残ってないまま
乗ってしまった時の怖さと、
電源コード持ってない状態の旅先で、
「ああ、バッテリーが切れるう」というときも似てる。

そうだよ、人間に危害を加えないなら、
多少手荒にあつかって、クセを憶えていったほうがいい。

(つづきは、もちろん、明日も掲載されてます)

1999-07-21-WED

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