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80代からのインターネット入門。 前橋の母Aが、Eメールで原稿を 送ってくるまでの物語。 |
第10章 レッスン6・そして網のなかに(3)
一安心されたミーちゃんの手が黄色い紙に触れる。 あっ、質問メモだ。 「『ず』ではなく『づ』の出し方」 「『つづく』と書くようなときに、どうやって 『づ』を出すんですか」 それは[D]と[U]で出るとお教えすると、 「あ~、そうなんですかぁ。 調べればどこかに書いてあるんでしょうけど、 さぼっちゃって」 ミーちゃん、すぐにメモ。 ついでに、たぶんまだご存じないと思われる 小さい「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」の出し方もご紹介。 [X]と[A]で、小さい「ぁ」という具合に。 あまり使うことはないとも思うが、念のため。 「あと、よくポンポン鳴らされるんですけど、 あれは変なことしたってことですかねぇ」 「そうですね。警告音のことですね?」 「文字を打ってる最中にもポンポン言われて(笑)」 「クラリスワークスでですか? 普通に文字を入力してる最中に?」 「そうなんですよ~(笑)」 文字入力中に警告される? う~ん、どんな操作をすると警告されるのか、 ピンとこなくてちょっと悩む。 「その文字、入力禁止!」 「それは変換禁止!」 「文が長すぎる!」 「正しい指で打て!」 そんなふうに注意されるのだろうか。 どうも、このiMac、 なにかと意思を持ちすぎているようだ。(笑) また現場検証しようにも、 その現場がいったいどこであったか、 「被害者」(「加害者」?)ご自身の記憶が 曖昧になっている。 もどかしくも微笑ましい未解決事件。 そのうち、私の目の前で、 同様の事件が発生してくれるだろうか。 それまで待とう。 「あ、そうそう。今日は新聞休刊日でしょう? ノリコがインターネットでこれ見られるのかって」 前日の新聞。「明日は休刊日です」のお知らせ。 「ニュースはインターネットでどうぞ」 とのことが書かれている。 「はい、見られますよ。後で見てみましょう」 ついに登場、待ってました「インターネット」! やっとここで、 「本当によかったですねー、繋がって!」 これを言いたくてミーちゃんに会いにきたはずが、 今頃になって初めて言っている。 「えぇ、まだ怖くて触ってませんけどね」 確かに。 「接続」はできても、さて、 じゃあ何をしたらよいのだか・・・。 それ以上は、まだ特に何もお教えしていない。 ピーヒョロロガーンガーンの 音色を楽しむくらいしかできない。 「ノリコさんからの電話でちょっとびっくりしました。 ダイアル回線(笑)」 「ね~。ダイアル回線っていうのは、 昔の、番号を回すアレでしょう? ここ建ってからまだ数年なのに 電話の回線はやけに古くさいのね~」 「てっきりプッシュ回線だと思い込んでました」 「使ってる電話はプッシュですもんね~、 だまされてたわね~(笑)」 そこで新しいモジュラ・ジャックを拝見。 どんな大げさなことがなされたのか、見てみよう。 プレートというかカバーが3つ穴用に変わっている。 単に一つジャックが増えているだけだった。 これなら、回線をiMacと電話機に分配する器具も 必要ないし、さっぱりとインターネットができる。 さーて、そろそろブラウザ起動だ。 これを覚えていただかないことには、 いつになっても「接続」止まりだ。 「ほぼ日」にも行けない。 デスクトップ上に元々用意された 「WWWブラウザ」というエイリアスをダブルクリック。 IEが起動。 「あら、これ、どこを押したら出てきたの? よく見てなかったわ」 おっと、これは一番重要な部分だ。 まずはこれを自分で開けないといけない。 今度は、じっくりと確認していただく。 そして、設定。 「だいたいこのままでいいと思いますけど、 いろいろと自分の好きなように設定できます。 なんのソフトでもまずはこういった「初期設定」で、 自分の使いやすいように変えるんです」 「この動いてるマークはな~に?」 「ツールバーのアイコン・アニメーション」である。 IEのマークがグルグルグルグルと回っている。 「『回る地球』っていうのもありますよ。ほら!」 今度はグルグルグルグル回る地球だ。目も回る。 「こっちの方がいいわね」 予想していた通りだった。 なにしろグローバル感覚あふれるミーちゃんである。 「これはデータの送受信しているときに回って それを示すんですよ」 「ホームページ」の設定は、MS社には申し訳ないが、 デフォルトの「まずはうちのIEサイトへ」状態を変えた。 「使用しない」を選ぶ。 その他の設定も一通りご説明。 そして、ついに、IEのウィンドウ画面に。 さて、どこから始めよう。 あれ? この画面、なんだか、どこかが自分のIE画面と違う。 なんとなく、見た目が寂しいのだ。 古いバージョンは捨てたはずだが、あれあれ? 「ちょ、ちょっとお待ちください」 バージョンの数字を確認。・・・合っている。 う~ん。何が足りないのか・・・。
この終わり方は、ちょっと心配かけるでしょう? |
1999-07-22-THU
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