80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第10章 レッスン6・そして網のなかに(7)


ついに、ここまで来たか、の今日のレッスンですよ。
仕組みがどうなっているかを考えているよりも、
わからないなりに「使う」のが、
理解の助けにもなるんですよね。
旅行の好きなミーちゃんに、そのへんのサイトを
覗いてもらうというのは、
見事なアイディアでしたね。
ぼくは、そのへんのページって、
いちども見たことありませんでした。

さぁ、どういうふうに興味がかきたてられるのでしょう。
南波先生に、バトンタッチしましょうね。



今度は試しにJALのページに飛んでみる。
まずは、本日の「空席情報」をチェック。
ずらずらずら〜っと出てくるリスト。
こうして私がのんきにしている間にも、飛行機、
しっかり飛びまっくっているのか。

「パリ、シャルル・ド・ゴール空港着」便の
「ファーストクラス」の文字をクリック。
予約画面が登場。

こんなに簡単に予約ができてしまうというのでは、
ついうっかり実際に予約してしまいそうだ。
空席は・・・まだ、ある。
さあ、ミーちゃん、どうします?(笑)

「ずいぶんと便利になったのね〜」
「世界」を間近に感じて感激のミーちゃん。

そんなこんなで遊びながら、さらに、というか、
もう一度、ブラウザの使い方を覚えていただく。
ミーちゃん、スムーズな相づちで進む。

すると、ノリコさんが通り過ぎ、
一度出ていったドアを開け、顔をひょっこりと出す。

「ミーちゃん、今の返事は『わかってない』って
いう返事のしかたよ(笑)」
ミーちゃん、一瞬、「あっ・・・」
あ、ばれたか・・・って?(笑)

「調子よく『はい』『はい』って、
あれは、わかってない『はい』だったわよ」
そして、にっこり笑い、
「私の分までちゃんと聞いておいてよね〜」
「あ、ほんと、そうね〜。ちゃんと理解しなくちゃ」
素直にノリコさんからの忠告を受け入れる。

ここの母と娘の関係、いつも素敵だ。
ノリコさんの言葉は、ちょっとクールな水面を這う。
でも、すくってみると手の中で暖かい。

ミーちゃん、みんなに愛されるためにこの世に
いらっしゃるかのような存在。
そして、それは、ミーちゃんの人徳がもたらす
結果に他ならない。

さーて、そろそろ、メールソフトに移らねば。
とりあえず、使用するのは、先日、最新版を入れた
OUTLOOK EXPRESS。

実のところ、私も、
レッスン前日になって慌てて使ってみたという状態。
短時間で把握できた基本だけしか教えられないが、
前日のメール送受信テストは成功したから、
ま、いっか。

まずは、やはり「初期設定」だ。

「メッセージの作成」で、
「メール送信の形式」を「テキスト」に変更。

OUTLOOK EXPRESSというと、
いつも最初に思い浮かべるのが、ここであった。
「HTML」がデフォルトというのは、あまり
親切ではないな、と感じてきた。

文字化けしたHTMLメールを受信するたびに、
プレーンなテキストが電子メールの基本であるはず
なのでは?と思ってしまう。
知らずにそのままの設定で使用してしまう人のことを
考えると、居ても立ってもいられない。

他の設定については、特に変更はしなかった。

メインウィンドウの左側のアイコンと文字から
どれを選択するかによって右側の表示がどう変わるか
お見せする。

「受信トレイ」「送信トレイ」「下書き」等は
実際の箱。
順に、「届いたもの」「送る準備のできたもの」
「まだ書いている途中のもの」を保管しておく
3つの箱を想定してもらって、納得していただいた。

「削除したいものについては、
このゴミ箱に持って行けばいいんです」
そう説明すると、
「あら。こんなところにまでゴミ箱があるの〜?」
ゴミ箱といえば、デスクトップ上だけだと
思い込んでらっしゃったのだろう。
「ええ、これはメール専用のゴミ箱なんですよ」

とりあえず、「ほぼ日」と私のメールアドレスを
アドレス帳に入力していただく。
「ここで人を選んで『メール送信』を押せば
その人のアドレスが自動的に入った新規のメール
ファイルが画面に出てきますので」
試しにやってみた。

私宛てに「テストです」とだけ書いて
「後で送信」を押し、「送信トレイ」に入れておく。

「ほぼ日」宛てのものについては、
宛先アドレスだけ入ったファイルを作っておき、
後でゆっくり内容を書いていただこう。
こちらは「保存」を押しておく。
すると自動的に「下書き」という箱に入る。

その「下書き」等の箱から、どうやってまた
メッセージを書く画面まで引っぱり出すかについて、
つまり「メッセージを開く」についての説明も
したのだが、いくらやっても不安がつきまとう。

「まったくの初心者が一回で覚えきれる範囲」を
ちょっともう超えてしまっているように感じた。

接続して、とりあえず、私宛てのメールを送信。
このiMac、生まれて初めてのメール送信作業、
無事、成功。
ちょうど目覚まし時計も鳴ったので、ここで終了。

物理的に接することはなくても、お互いの気持ちを
やりとりできるEメール。
ミーちゃんもきっと気に入ってくださるはず。

若者を含む、あらゆる世代の人たちと接し、
一緒に楽しむこと。
なにしろ、これが、ミーちゃん若さの秘訣(追加分)。

そのうち、ミーちゃんの「アドレス帳」も
いっぱいになるだろう。

また、
メールだけでなく、掲示板やチャット等を楽しむ
ミーちゃんの姿を想像するだけでもワクワクする。

ミーちゃん、老け込むチャンスも暇もありません。


そうそう。
これはちょうどいい機会だから、言っておきましょうね。
「OUTLOOK EXPRESS」を
メールソフトとして使っている方は、圧倒的に多いのですが
これが、ほとんど、必要のない「添付ファイル」が
付いてくる仕組みになっているんですね。
つまり、それが、メール本文とおなじものを
「HTML」にしただけのファイルなんです。
これ、まったく、不要ですよね。
必要な場合もあるのはわかるんですが、
今回のレポートを読んだことをきっかけに、
やめたりしてくれても、いいんじゃないかと思います。

いやぁ、それにしても、ここまでたどりつきましたねぇ。
ミーちゃんと、南波先生の二人三脚に、
みんなが拍手してくれるにちがいありません。

(そして、まだ終わりじゃないから、明日につづく)

1999-07-26-MON

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