80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第16章 あらためて、気楽に行こう(5)

ショートカットのことが出てきます。
ひらがな、カタカナ、アルファベットと、
いろんなタイプの文字を使う日本語は、
けっこう複雑な変換が必要になるわけですよね。
これがまた、いろんな人がいろんな方法を
教えてくれるもんだから、
混乱は深まっちゃうわけだ。
かっこわるくても、ひとつの自分の一番わかりやすい
変換方法を憶えておけば、それで問題はないのでしょうが。

自分の使うマシンが変わった時に、
あらためてまた悩んだりもしますが(いまの、ぼくです)。

とにかく、前回の「保存」のつづきからです。



「普通、手直し等した場合、
そちらの方を反映させたいわけでしょうから、
当然、新たに「保存」するわけです。
でも、新たに加えた作業をやっぱり残したくない、
元のままがいい、という場合もありますよね、中には」
「はぁ・・・」

たとえば、うちの上の子がMacで描いた作品上に、
下のチビが落書きしてしまうことがある。
「ダメでしょー!」という流れにはなるのだが、
閉じる際に「変更を保存する」かどうか聞かれたら、
「保存しない」という方を選べば問題なし。
元通りのまま保存されるわけだ。

この例を実際に簡単なお絵描きをしてみながら
ご説明すると、ミーちゃんもわかってくださった。

「保存しない」を選んでしまうと、
そのファイルごと保存されない、
つまり、消えてしまう、という錯覚に
確かに陥ってしまうかもしれない。

「変更を」という部分は見落としがちだ。
それをしっかり確認していたとしても、
「保存」との言葉にはどうも弱くなってしまいがちだ。
なんでも保存しておいた方がとりあえず安心である
ような気がする。

ノリコさんのこの件では、
要らないものを消したつもりが、
何度やっても蘇るというハテナであった。
実際は、毎回、「元通りのまま保存」していたわけだ。
せっかくの「変更」が生かされないまま。

プラス的作業の場合なら悩む必要もないだろうが、
その変更というものが削除といった
マイナス的作業だったことで
「消えない」事件が発生したということだ。

「あとね〜、ひらがなで打ったものを
カタカナに直したいとき、どうしたらいいんでしたっけ?」
ミーちゃん、次の質問。

入力した文字が下線付き状態で、ことえりの場合、
[control + K] でカタカナに変換される。
つまり、「鉛筆マークのキー」と「K」。
ATOKならば、[control + I] 。

このような変換等は、メニューバーの
鉛筆マークを押すと現れる
プルダウンメニューからも操作できるし、
そこにはそれぞれのショートカットが書いてある。

これまでミーちゃんにショートカットについて
特別お教えしたことはないと思う。
先日、イシノさんからふと「ショートカット」という
言葉を聞き、その存在にお気づきになったようだ。

鉛筆マークを押し、「カタカナに変換」等の文字の
右側に表示されているショートカットを確認。

「この上向いた矢印みたいなマークはキーボードの
[↑] のことなのかしら?それを一緒に押すの?」
と、ミーちゃんとノリコさん。

「あ、このマークは [shift] キーのことなんですよ。
試しにやってみましょうか」

たとえば、
「カタカナを入力」する場合には [鉛筆+矢印+K] 。
つまり、[control + shift + K] 。
それで、めでたくカタカナが入力できる状態になる。

普段は「ことえり」の「操作パレット」を使って
入力をしてらっしゃるようなので、
特別困ったことはないと思うが。

「覚えるまではちょっと面倒でしょうけど、
便利なときもあるので、一応、
こういうものもあるということだけ覚えておいてください」
「そうね〜。でも、一つのことをやるのに、
いろんな方法があるみたいで、ややこしいわね、ちょっと」

これこそ唯一の方法!
と言われた方が確かに覚えやすいかもしれない。
ユーザーの声を多く取り入れて、進化すればするほど
より便利に、そして、より複雑になってゆくのだろう。

しかし、結局は、自分が必要と思われるものだけを
覚えていれば十分なのだ。
あまり難しく考えない方がいい。



なんか、やっぱり、
ショートカットを多用して、マウスを
あんまり使わない人のほうが、かっこよく見えるんですよ。
だけどさ、そういうのが面倒だからマウスが発明されたり、
いろんなインターフェイスが工夫されていったり
したわけですものね。
平然とマウスを使いまくればいいんですよね、きっと。

では、今回はぼくも一言。
『そんなに手が速くなっても、君の考えは速くならない』
負け惜しみじゃないですよ。

(明日につづくのであります。おたのしみに)

1999-10-01-FRI

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