80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

最終章 そして卒業か (3)

ミーちゃん家と南波先生は、
師弟の垣根を越えて(って、おおげさか)、
ともだちどうしが、教え教えられるような
関係になっていますから、
レッスンがなんとなく楽しそうでうらやましく感じる。
しかも、たいていは、食事のたのしみが
セットになっているんだから。
ぼくらも、習い事は、こういうふうにやってみたい。

では、南波先生、よろしくお願いします。


さて、また時間が経ってしまった。
のんびりしているとあっという間に空っ風が吹き
荒れる季節になってしまう。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・

やっと時間が取れた。
「時間についてはその日の都合によりますので、当日
お電話します」
朝からお邪魔するのもちょっと気が引ける。
その上、私の脳味噌は午後にならないと処理能力的に
難がある。スリープ状態同然だ。

そして、前日の夜、ノリコさんからメールが届いた。

---

アッコ先生

明日のランチのメニューが決まりました。
中華料理+ムニャムニャです。
中華といってもいろいろありますが、
なんと! おこげの野菜あんかけです。
おいしいですよぉぉぉ-
よろしかったら、お母さまもお昼だけでも御一緒
しませんか?
お返事お待ちしています。

---

メールのタイトルは「エサで釣る」。
そして、見事に釣られた。
釣り人が喜ぶタイプの魚だ。

さあ、朝からスリープ状態などになってる暇はない。
釣り上げられて口をパクパクさせながら朝の用事を
済ませ、いざ着いてみれば、すでにお昼に近い朝。
これではいかにもエサ目的のようだ。
ちょっと恥ずかしい。念のため口は閉めておこう。

おしゃべり用の口だけ開けてご挨拶。
まずは暖かいお茶が美味しい。
今回の目的はレッスンだ、そう自分に言い聞かせる。
でも、ミーちゃんとのお茶飲み話はやっぱり楽しい。

Mac版 Outlook Expressがバージョンアップされた。
雑誌の付録CD-ROMだけは忘れずに持ってきている。
一般的な魚よりはちょっとマシかもしれない。

「メールは相変わらず勝手に増えてますか?(笑)」
「なんだかそうみたいね~」
ノリコさんも
「やっぱりダメでした。消しても消しても増えます」

「新しい版が出たので、これを新たにインストール
してみますね。心機一転、問題解決を願って。
元々の設定等はそのまま新しい方に生かされますから
面倒なことは特別ないですし」
インストールは簡単に無事終了。
前のバージョンでのメールファイルもインポート。

アイコンも、起動画面もやけにかわいらしく変身した。
メインウィンドウが現れる。
「あらー、ずいぶん色が派手になったのねー!」
「基本的な使い勝手は同じようなものですけどね」
「あ、ホントだ。メール、ちゃんと入ってるわね」

入りすぎてはいるが。(苦笑)
水増しメールを早くさっぱりとさせないといけない。
想像するに、体脂肪を減らすのよりは簡単なはず。

iMacが気に入ったメールを勝手にコピーして増やして
いるということでない限り、怪しむべきはどう考えても
アレしかない。

しかし、実のところ、私自身、最近またOutlook
Expressから他に浮気していたので、このソフトに
ついては、ちょっと頼りない先生だ。

「これ、『サーバーにメールを残す』っていう設定に
なっているんだと思うんです。メールチェックをしに
行く度に増えてませんか?」
「うーん、そうかもしれないわね~。どうかしら」
「かなり怪しいので、それをチェックしてみたいんです
けど・・・」
そう言って初期設定を開く。

隅々までチェックする。やはり見つからない。
おっと、これでは前回と同じだ。
どこかにあるはずのものが、あると思われる場所に
見つからないのはちょっと焦るものだ。

ガムが欲しい。
まさかシャンプーの棚に置かれているわけはない。
お菓子の棚にガムを探す。
ない。チョコはある。海苔巻き煎餅もあるのに。
ふと見れば、な~んだぁ、レジ手前に堂々とした顔で
売られているではないか。

さすがにガムひとつでそう焦る人もいないとは思うが、
ここにあるだろうという固定観念が邪魔して何かが
見つからない、見えないということはよくある。
引き戸を一生懸命引っぱってみたり押してみたり。
固定観念に縛り付けられている限り、そのドアは
(実は開いているのに)施錠されているのと同じだ。

話がどんどんずれていくように皆さんが感じるのも
一種の固定観念なのかもしれない。
これは単なる苦しい言い訳。 (笑)
さて、ドアとガムの前に戻ろう。

それで、仕方ないので、ヘルプに頼ることにした。
最初から頼ればよかったのかもしれない。

「赤い車」についても同様だ。
リアウィンドウの曇りを取ろうとスイッチ押したのは
いいが、止められない。晴天だ。交通量の多い道路。
全部の車が私のリアワイパーに注目しているかのような
錯覚。焦る。でも、前進しなくてはならない。
仕方ないので赤信号で密かにエンジンをかけ直す。
コンピュータ同様、再起動で問題は解決。
後で取扱説明書を見た。もう一度同じスイッチを押せば
いいだけの話だった。
頼れるものには頼るべきかもしれない。焦りは禁物。

ヘルプ。そこについに助っ人、発見。
初期設定の中ではなく「ツール」→「アカウント」。
な~んだぁ、こんな別の「棚」に置かれていたのか。
なぜか、すっかり見逃していた。

ここで、アカウントごとにメールの送受信についての
設定のあれこれができるようになっている。
初期設定とは別の「棚」にしたのには意味があるはずだ。
初期設定まで行かなくてもメニューバーから直接
アカウントの編集等ができるという便利さを狙った
のであろう。
お菓子売場まで行かなくてもレジ手前でガムが気軽に
買えるようなものか。

「アカウント」を選択してから「編集」をクリック。
そして「オプション」を押すと、ついに発見。
「メッセージのコピーをサーバに残す」との項目。
なにもこんなところに隠れてなくても・・・。
勉強不足を実感の「先生」は少々赤面&安堵。
まぁ、知っていればなんていうこともない話で、
この方が親切な心配りであろうと納得。

「ここです、ここ。これがオンになっていたので
メールサーバからメールが取り出す時にコピーされた
ものをもらってきたわけです。
だから、メールチェックに行く度に自動的にまたそれを
もらってくるはめになったんですね」
「あら~、そうだったのぉ。なるほどね~」

「他のパソコンを使って、たとえば会社とは別に自宅で
同じメールをまたダウンロードしたいという場合には
サーバに残しておかないと元のものがなくなってしまう
のでダウンロードできないですよね。
そういう時には便利ですけど、一つのパソコンしか
使ってなければ、一度受け取ればそれで十分ですもんね。
そういうことを設定する場所なんです、ここは」
「あ~、そうなんですか。じゃ、うちは必要ないから
チェックを外しておいてください」

これで解決されるであろう。
メールの増殖とは縁が切れるはずだ。


今日で元旦が終わり。
でもレッスンのレポートは明日もつづきます。

では、もう一回、ミーちゃんの日記があります。


12月8日(水)PM3・30室温16c--湿度60%

 遠い親戚のAさんに,
 此の家を建てる時手続き上の事等で
 お世話になっていたので
 年に2回程御挨拶方々遊びに行く事にしているので
 今朝はよく晴れて一日中暖かそうだから
 チャンスと思い出かける事に決めた。
 そこへめづらしい人から電話。
 ずうっと前に私と紀子が勤めていた時の先輩が
 昨夜亡くなったとの事,お通夜と葬儀の連絡だった。
 又一人知人が「此の世」を去った。
 広い「地球上」では,
 刻々といろいろ変わって居るのだな--と。
 『今』きり分らない人間の生命の事を考えると
 如何に『今』が大切かと改めて考えさせられる。  
 明日はお仕事なので
 今夜お通夜にゆくことにした。

12月9日(木)PM3・30室温17c--湿度57%スト-ブなし

 相変わらずお仕事も楽しく,
 その上お昼の食事が又美味しくて長引いてしまう。
 「クリスマス」の前なのと御歳暮のシ-ズンでも有り
 何かと新しい仕事が出てくる。
 時々私も欲しくなる様な物もある。
 日が短いので夕方急に暗くなるのでなんとなく
 最後の方は慌ただしい。
 今日はとても静かで暖かく風もなく
 「小春日和」という感じ。----
 『ほぼ日』へ続きの日記を送るのにうまく送れないので
 石野さんに甘えて今日送ってもらった。 
 11/15~12/1までを(11/22と11/23がない)
 可笑しいが「無いのだ」
 imac君も多分「僕は知らないよ」・・・と
 言うでしようね。

12月10日(金)PM3:30室温18c--湿度55%(スト-ブなし)

 朝から静かで暖かい。
今朝AM3・00に目が覚めたので,このまま眠れなくなる
 様な気がしたので安定剤を飲んでみた。
 ところが何時もより1時間も寝てしまい8時過ぎていた。
 朝の仕事が忙しくて嫌だから
 何時も少しでも早く起きたいのに
 悔しい!!!仕方なくもそもそと食事をして
 「お花」の水替えからいつもの通り始めた。
 しなければ---終わらない--当たり前の事。
 何だか時間を損した様な気がする?
 私は時々もうすぐ「死ぬ」ので
 こんなにせかせかして時間を物体ながるのかな-。
 と思う。
 昼頃「海外旅行」の初めの頃同室になり
 今でもお電話等している1才年上の人に
 お電話して見たところ「骨粗鬆症」で
 殆ど寝ている時が多いとの事。悲しくなった。
「世界中」何回も回った「旅のベテラン」で
 私は出かける度に「此所はどうかしら?」と
 お伺いする大切な人なのに・・・

2000-01-03-MON

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