ニューヨーカーとSAYAKA DAVIS
(1)緑川麻香さん
日本人デザイナーのサヤカさんが、
NYを拠点に展開するSAYAKA DAVIS。
NYの街に暮らす3人の女性に、
オールインワンやワンピースを身にまとってもらい、
着心地からファッションへの向き合い方までを
聞きました。
まず、ひとりめは、ブルックリン在住で
ファッションブランドに勤務する日本人の
緑川麻香さんです。
取材・文 仁平綾
写真 Keiichiro Nakajima
緑川麻香さんのプロフィール
みどりかわ・あさか
2002年よりブルックリン在住。
ファッションブランドdosaにて働く。
夫はアパレルでデザイナーをしている
Glenn(グレン)さん。
身長158センチ、着用サイズS。
麻香さんが選んだのは、ネイビーのオールインワン。
「とても着やすいです。洋服をチョイスするときは、
動きやすさや、肌へのなじみやすさが大事。
肌にぺったりくっついてしまう生地は苦手です。
でもこの服にはそれがなくて、着心地がいい」
そんな麻香さんの言葉を受け、
デザイナーのサヤカさんが
着心地の秘密を教えてくれました。
「レーヨン100%の生地だけれど、密に織ってあるので、
とてもハリがある。だから肌に張り付かないんです。
撚りの強い糸を使っているので、
レーヨンなのにマットな光沢があるのも、
この生地の特徴です」
流行は追わなくなった、と、麻香さんは話します。
「(流行のものは)すぐに飽きて着なくなってしまうので、
もったいないから。
せっかく洋服を買うなら、長く着られるものがいい。
同じ服を、長く、よく、たくさん着たいです」
ワードローブを占めるのは、
黒、紺、白、茶など好みのトーンの服。
ネイビーのオールインワンも、もちろんそのひとつに、
すんなり加わることになりそうです。
コーディネートはシンプルに。
「考えるのは、トップとボトムのバランスだけ。
重ね着はしません」
そんな麻香さんの着こなしに自分らしさを加えるものが、
アクセサリーだといいます。
「指輪、それからブレスレット。
ピアスはしたり、しなかったり。
シルバーとゴールドの組み合わせは、
あまり気にせずつけています」
ひときわ目を惹いたのが、左手首の腕時計。
夫のグレンさんが収集している
ロレックスのヴィンテージ、
60年代のメンズモデルだそう。
クラシックな腕時計がアクセサリーとなり、
装いを一層“私らしく”しています。
「おでかけ」をイメージして足もとに合わせたのは、
ホワイトカラーのミュール。
ちらりとのぞく赤いペディキュアが、
ドキッとするほど素敵。
「普通に遊びに行くときに着るなら、
足もとはスニーカー。ピアスはしないかもしれません」
と麻香さん。
普段着にも、ちょっとしたドレスアップにも
応用できるオールインワン。
「フレキシビリティがある服って、
すごく貴重だと思います」
撮影のさなか、麻香さんが
「あっ」と小さな驚きの声をあげました。
「ポケットがついてる! しかも位置がちょうど」
そう、実はポケットは、
デザイナーのサヤカさんが大事にしているパーツのひとつ。
iPhoneもすっぽりおさまる大きめのポケットが、
左右にひとつずつ、ついています。
「アメリカの服は、
ポケットがついていない服が多いし、
ついていたとしても
届かない場所だったりするんです(笑)。
機能性があるポケット、とってもいいですね」
と麻香さん。
スマートフォンと鍵、カードやリップをポンっと入れて、
買い物に出かけたり、外で食事を楽しんだり。
ポケットが着こなしの幅を、ぐっと広げてくれそうです。