REPORT

ニューヨーカーとSAYAKA DAVIS
(3)Annika Inezさん

日本人デザイナーのサヤカさんが、
NYを拠点に展開するSAYAKA DAVIS。
NYの街に暮らす3人の女性に、
オールインワンやワンピースを身にまとってもらい、
着心地からファッションへの向き合い方までを
聞きました。
3人目は、アクセサリーデザイナーの
Annika Inezさんです。

取材・文 仁平綾
写真 Keiichiro Nakajima

Annika Inezさんのプロフィール

アニカ・イネズ
スウェーデン出身のアクセサリーデザイナー。
Annika Inezのブランド名で
コンテンポラリーなコレクションを展開。
日本のセレクトショップなどでも取り扱われている。
身長172センチ、着用サイズF。

ブランド「Annika Inez」のウェブサイト

「シンプルなデザインだけれど、
ユニークなカットが施されていたり。
そういう控えめだけれどインパクトがあって、
小さなディテールを感じるものが好き。
だからこのドレスを見たときに、
私のスタイルだって思いました」

172cmのすらりとした長身に、
ネイビーのワンピースをまとったアニカさん。
着丈が足首上になるため、
足元にはボリュームのある
アンクルブーツをコーディネート。
ブーツはNYのファッションブランド、
A Détacherのもの。
スウェードの太いストラップを
足首に巻きつけて履くという、
こちらもまた“ディテール”を感じるアイテムです。

普段着はパターン化し、
「ユニフォームみたいになってきている」とアニカさん。
好んで着るのはワンピースや
ジャンプスーツ(オールインワン)。
冬だったらデニムとドクターマーチンの靴。
髪型はほぼまとめ髪。

「クリーンなスタイルが好きなんです。
NYではエフォートレスに見えることが大切。
すごくがんばっておしゃれしてる、
というふうに見られるのを好まない。
でも実際はエフォートレスであるために、
別の努力をしてるんですけれどね(笑)」。

ワンピースは、真夏を除いた
スリーシーズン楽しめるものを目指したとサヤカさん。
アニカさんも「サンダルと合わせてもいいし、
ブーツを履いてもいい。仕事に着ていくこともできれば、
マーケットに着ていくこともできる。
もちろんディナーにも。
いろんな用途がすぐに思い浮かびました」と答えます。

「シーズンレスな服。冬だったら、
ざっくりとした大きめのニットを
合わせてもいいなと思いました」

合わせたアクセサリーは、
自身の新作コレクションからブレスレットとピアス。
ニュアンスのある円形のブレスレットは、
シルバーと14金のゴールドフィルドという
2素材を組み合わせたデザイン。
ゴールドフィルドは金メッキよりも色あいがライトで、
黄味が控えめ。ゴールドならではの派手さがなく、
肌や服にしっくりなじむといいます。

耳たぶを包み込むような、柔らかな表情のピアスは、
「ワンピースのラウンドネックが素敵だったので、
同じラウンドシェイプのピアスにしました。
アクセサリーを服に合わせるとき、考えるのは形の相性、
そしてバランスですね」とアニカさん。
コーディネートのコツとして、もうひとつ、
こんな名言を教えてくれました。

「とある有名なフランス人のデザイナーが
言っていたんです。
『出かける前に鏡を見て、何かひとつを取り外すといい』
ってね」

鏡を覗いて、冷静に、自分らしい均衡を取り戻す。
エフォートレスな装いは、そうして生まれるのです。

2019-09-18-WED