暦帖ができました。
「暦帖」の製作は、
「こんなものがあったらいいな」という
伊藤まさこさんのアイデアを
かたちにしていくところからはじまりました。
判型(大きさ)は?
紙の厚みは、その質感は?
表紙のイメージは、硬さは、色は?
そして全体のデザインは? ‥‥と、
まずは「理想の暦帖のイメージ」をつくり、
なんどもサンプルをつくってたしかめました。
じっさいに「本」のかたちにする工程を
担当してくださったのは、
長野県伊那市美篶にある、
手製本の会社である美篶堂(みすずどう)です。
美篶堂では、オートメーションではなく、
人の手をつかっての(もちろん、機械の力も借りながら)、
ハンドメイドの製本を手がけています。
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その丁寧な仕事は、手軽なノートから特殊な美術書まで、
さまざまな分野でみることができます。
「ほぼ日」ではこれまで「ほぼ日手帳」のコンテンツや
TOBICHIでのイベントで紹介をしたことがありますから、
ご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんね。
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「weeksdays」が
暦帖の製作にあたって、大切に考えたのは、
なによりも、1年間付き合うにふさわしい品質。
そのために、「冊子」ではなく、
うつくしい「本」のかたちにしよう、
と考えました。
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そうして決めた仕様は、布表紙に金の箔押し、
花布、栞付の上製本(ハードカバー)です。
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しかし、問題は、束(厚み)。
カレンダーのみをシンプルに収録した
ページ数のすくない本をハードカバーにするには、
ある程度、厚みを出す必要がありました。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/MG_4535-1400x1400.jpg)
それをクリアするために、私たちは、
美篶堂の社長である上島(かみじま)明子さんに
相談しました。
すると、明子さんから、
「絵本製本にしましょう」という提案をいただきました。
ん? 絵本製本って、何だろう?
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この「絵本製本」は美篶堂が得意とする技術で、
見開きで片面のみ印刷をして、
小口をノリで貼るというつくりかたの本です。
つまり1ページが2枚仕立てになっており、
左右のページが1枚の紙に印刷されている。
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これ、どういう「いいところ」があるかというと、
ぱたんと、きれいに開く!
テーブルに置いて、開いたとき、
のどのところを「ぎゅっ」とおさえなくても、
きれいに開くという仕様は、
スケジュール帳にはとても大切。
それがこの「絵本製本」で実現しました。
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「絵本製本」のよいところは、
もうひとつあります。
それは、書き込みをしたときに裏写りしにくいということ。
1ページが2枚を貼り合わせた状態になっているので、
紙に倍の厚みがあって、
万年筆などのペンで記入しても前のページや次のページに
写ってしまうのを防ぐことができます。
また、筆圧の強い人にも安心。
(ただし、1ページめの年間カレンダーと
30ページめの奥付のみ、
製本の仕様により、2枚重ねになっていません。)
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/MG_4505-1400x1400.jpg)
用紙は、「アラベール ホワイト」。
柔らかく、画用紙のようなしっかりとした質感で、
繊細なやさしい風合いを持つ紙です。
スケジュール帳に使われることはあまりない、
よい紙なのですけれど、
書き心地もよい、ということも、
この紙を選んだポイントでした。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/MG_4542-1400x1400.jpg)
スケジュールは、見開きで1ヶ月のデザイン。
日付がシンプルに配置されたカレンダーです。
横罫線より縦罫線をすこしだけ薄く印刷することで、
全体の印象が軽やかになり、
数日続く旅行などの予定も
書き込みやすくなる工夫をしています。
カレンダーの上下と、
左の余白をしっかりととっていますので、
メモに使っていただけますよ。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/MG_4507-1400x1400.jpg)