余り革を使って、
オリジナルのブーツをつくりました。
今回の特別仕様の「SWIFT-ORIGINAL」は、
伊藤まさこさんが「この素材でつくってみたい」と、
trippenの革見本帳から選んだ革で
カラフルな冬のショートブーツがつくれないだろうか、
と相談をしたことから企画がスタートしました。
それは毛の処理をせずに鞣し仕上げた牛革で、
いろいろな色に染められていて、
最近のtrippenではあまり見ないものでした。
ところが、現在、この革は
ほとんどtrippenでは使われていない‥‥。
もうつくることはできないのかな?
と、ベルリンのtrippenに問い合わせることになりました。
すると、「OK」の返事。
ただし‥‥という条件がついていました。
できあがるまでのいきさつ、どうぞお読みくださいね。
(写真=Annette Hausschild, 有賀傑)
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/TrippenMai19Color-2566-800x533.jpg)
trippenのデザイナーであり
代表のミヒャエルさんは、
伊藤さんからオファーが来たときのことを、
こう語っています。
「これは、随分昔に、
イタリアのレザーフェアで見つけた素材なんです。
trippenが大好きな古風なイメージがあり、
ずっと強く興味を持っていて、
ウッドソールの靴に
今まで沢山使用してきました。
けれども最近は、この革を使っていなかったので、
今回、伊藤さんからお声掛けいただいたことを、
とても嬉しく思いました。
ただ、この革は、あたらしく手配をすることができません。
ですから、みなさんがほしいと思うだけの
じゅうぶんな数が用意できないかもしれませんが、
残っている革を使って、いろんな色をつくってみますよ、
って、提案をしたんです」
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/TrippenMai19Color-2545-1400x933.jpg)
おお、余り革!
牛革を多用するtrippenでは、
このような「残反」ならぬ
「残革」が出るのは仕方がないことです。
それをなるべく無駄にしないよう、
ベルリンに「Lederresteladen」という
ショップを持っているほどで、
直訳すると「レザースクラップストア」の意味をもつ
この店では、靴づくりで余った革を販売しています。
サンプル、あるいは余分に発注してしまったものなど、
いろいろな革を並べ、
一般の方がちょっとした革小物づくりをする
サポートをしているんです。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/Bildschirmfoto-2019-09-26-um-12.26.53-1400x933.jpg)
また、trippenには
「Made 4 You」というカスタムオーダー部門があり、
日本では直営店での不定期イベントとして、
ドイツではインターネットで
パーソナルオーダーを受けており、
ここでも、そういった余り革は使われています。
革という貴重な素材を無駄にしないよう、
せいいっぱいの努力をしているのですね。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/Bildschirmfoto-2019-09-26-um-12.25.48.jpg)
「そのなかから、毛をつけたまま鞣した牛革の、
いくらかのストックが見つかりました。
靴にできそうな量が確保できたのは、13色。
今回の依頼で、わたしたちの大好きなこの革の
活用法を見つけられて、とても嬉しいです」
そう語るのは、デザイナーで、
ミヒャエルさんのパートナーでもあるクラウディアさん。
こうしてはじまったとくべつな靴づくりは、
「何足、できるかわからないけれど」という
但し書きがついてのスタートでした。
この素材ゆえに、デザインを変更。
以前「weeksdays」でも販売をした「SWIFT」は、
アッパーが一枚革でつくられていましたが、
今回の仕様では、センターシームが入っています。
(ドイツ語では“Mittelscheotel”というそうです。)
革をひっぱって、3Dにしていくのは、
毛がついている革の場合、部分的に毛並みが荒くなるため、
まんなかで切り替えることで、
髪形のセンター分けのような流れができました。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/TrippenMai19Color-2596-800x527.jpg)
trippenの靴づくりは、手仕事。
この素材ゆえの苦労は? というと、
「全生産工程で、毛だらけになること!」
と笑うミヒャエルさんとクラウディアさん。
逆に楽しかったのは
表の色と、インナーカラーを
マッチさせる工程だったそうです。
「足にとってもっとも良い履き心地を提供したく、
まず初めに、最高のベジタブルなめしの
ライニングを選びました」
履いてしまうとわからないのですけれど、
持ち主だけが知っている
ちいさなひみつのような色づかい。
ぜひ注目してくださいね。
13色のバリエーション
今回、「weeksdays」での
インターネットでの販売は
BLK(ブラック)のみですが、
2019年11月21日(木)から24日(日)までの
4日間、trippen代官山店で開催されるイベントでは、
プラス12色の「SWIFT」がならびます。
それぞれアッパーカラー/インナーカラー/ソールカラーを紹介しますと‥‥(アルファベットはtrippenの色名です)。
[1]青 BLUE/AZUR/NAVY
[2]オレンジ ORANGE/ORANGE/BRW
[3]ダークグリーン FOREST/FOREST/PETL
[4]ライラック LILAC/NOTTE/GRAY
[5]ミリタリーカーキ MILT/SMG/SMG
[6]ライトブラウン CUOI/CUOI/TAB
[7]ピンク ROSA/ROSA/PERL
[8]ホワイト WHT/WHT/WHT
[9]スプリンググリーン SPRING/LIME/GRY
[10]グレー GRY/STONE/GRY
[11]エスプレッソ ESP/ESP/MR
[12]ナチュラル NAT/CHAMPAGNE/TAB
[13]ブラック BLK/BLK/BLK
ちなみに、ミヒャエルさんはピンク、
クラウディアさんはブラックがお気に入りだそうです。
完成した靴の数は、ぜんぶで199足。
そのうち、BLK50足を「weeksdays」のウェブサイトで、
そのほかの149足を、trippen代官山店で販売します。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2019/11/MG_0901-800x800.jpg)
trippen代官山店 × weeksdays
13色のtrippenと
HARRISSのカシミヤ&ニットのお店
2019年11月21日(木)から24日(日)の4日間、
trippen代官山店にて
今回ご紹介したSWIFT-ORIGINAL、
全13色の販売会を行ないます。
なにぶんにも余り革を使いつくっていますので、
できる数には限りがあります。
サイズの変更や、再生産はできませんので、
あらかじめご了承くださいね。
自分の思っていた色と違う意外な色との
「出会い」もあるかもしれませんよ。
そしてすぐ隣にはHARRISSのお店がありますので、
同時に販売を開始するHARRISS GRACEの
カシミヤリバーシブルノーカラーコート、
HARRISSのミラノリブニット
ロングワンピースも並びます。
会期中は、「weeksdays」チームのものが常駐。
初日は、伊藤まさこさんも遊びにいらっしゃいますよ!
trippen代官山店
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3-7-7 アピス代官山
[TEL] 03-3716-2935
[OPEN] 11:00 ~ 20:00
[お支払] クレジットカードのみとさせていただきます。