デザイナーとスタイリスト、
ふたりの目から。(2)
つくり手の岸山沙代子さん、
服づくりのアイデアをだした伊藤まさこさん、
デザイナーとスタイリスト、
ふたりの目から、同じ商品を紹介します。
どんな服? どう着るのがおすすめ?
2回にわけて、ご紹介します。
Vネックブラウス
袖口や襟ぐりから風が入っては抜けて‥‥。
涼しげな見た目だけではなく、
着ていると風を感じる一枚です。
この感じどこかで‥‥と思っていたのですが、
岸山さんの「平面的な折り紙のような」という言葉で、
そうか、浴衣と似ているんだ!
と気づいたのでした。
去年の夏はこのブラウスで乗り切ったと言っても
おかしくないくらい
洗っては着て‥‥を繰り返しましたが、
手に取る理由はその着心地だけでなく、
鮮やかなブルーのギャザースカートや
黒いパンツ、
ロールアップしたデニム‥‥と、
どんなボトムスとの相性もよいということ。
今日はパンツと白いサンダルで
同系色のコーディネートにしてみました。
(伊藤まさこ)
Vネックワンピース誕生の
もとになったブラウスです。
まだ「saqui」がうまれる前、
「SAYOKO KISHIYAMA」のネームで、
もっとパリッパリの生地でつくったブラウスが原型。
そのとき、こういうハリのある生地でつくると、
立体裁断なのに平面的な折り紙のような
たのしさ、かわいらしさがあることに気付きました。
今回の生地は日本製の上質な、
ハリのあるコットンタイプライターです。
(岸山沙代子)
テーパードリボンパンツ
先日、私と同世代の編集者が
多く集まる編集部に行きましたが、
「一日のうちだれかしらがsaquiの服を着ている」
と言っていました。
この世代、みんな何を着たらいいのだろう?と
本当に困っていると思うのですが、
着ていて楽ちん、
でもけしてだらしなく見えないsaquiの服って、
私たちの救世主になりつつあるみたい。
このパンツのウェストはゴムですが、
考えられたパターンのおかげで全体的にすっきり。
鮮やかな色とハリのある生地、
ウェスト部分のリボン‥‥と、これまた岸山さんの
細かな気配りが随所に見られます。
(伊藤まさこ)
ゆったり目のテーパード、ファスナーなし、
パジャマのようにリラックスして着られるパンツです。
でも、だからこそ、
メンズのスラックスに見られるような
「玉縁ポケット」とヒップにはパッチポケット、
クロップド丈の端正なデザインに仕上げました。
ゴムが入ってて、紐で止めるウエストから、
すとんとしたすっきりとしたテーパードシルエット。
ウエストには白のグログランリボンをつけ、
女性らしさをプラスしています。
(岸山沙代子)
タックギャザースカート
いくつになってもふんわりスカートが好きです。
ただしこの年でそれを着るのは、
いくつかのハードルを越さねばなりません。
まずシックな色合いであること。
上質な生地を使うこと、などなど。
スカートにボリュームがある分、
コーディネートはごくごくシンプルに
夏は白いTシャツと、
秋から冬にかけては同系色のニットでまとめて。
トップスによって手でくしゃっとさせて
ボリュームを出したり、
または抑えたりと形が自分で決められるのもうれしい。
春夏秋冬一年を通して着られる、
スカートです。
(伊藤まさこ)
もともとはドレスに使われる生地ですが、
伊藤さんが、「こんな感じのスカートが欲しいな」
というリクエストに、この生地がぴったり。
イタリア製の形状記憶の生地をつかった
たっぷりしたスカートができました。
自分で押さえてあげれば、
ストンとしたシルエットになりますし、
ここぞっていう時には、ふわっとさせて着る、
そんなたのしみがあります。
ポケットは左右にひとつずつついています。
ウエストはゴム。これもイタリア製の、
とても上質なものなんですよ。
(岸山沙代子)