COLUMN

水着迷子。

平野妃奈

オトナの女性は水着ってどうしているの? 
逡巡、後悔、諦念、‥‥それとも、勇気?
3人のかたに、エッセイを寄せていただきました。

ひらの・ひな

NO.12 GALLERY主宰。
国内外のジャンルを問わず
ユニークな作家達の自由な表現の場として
駒場と代々木上原の間に
NO.12 GALLERYを構えること15年。
現在8歳の娘と5歳の息子の2児の母で、子育て奮闘中。
食べること、旅することが好き。

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私はどれだけこの数年
水着迷子になっていることだろう。
なんとも偉そうに、
これはちょっとハイレグすぎる、とか、
生地が薄い、とか、
背中がなんだか普通過ぎる、とか、
あーだこーだと言うのだけど、
本当はわかっている。
それは40代になって
自分の体型が変わっていったから、
水着のせいじゃないって‥‥(涙)。

じゃあどうすればいいの? 
海でもないのに肌を隠すラッシュガードを着る? 
なんか負けた気がする。
せめてセパレーツならいけるかも、
と思って試着してみたら、
怠けたボディの一番見せたくないところが
際立つ仕組み! 
なんなの‥‥前に着た時は
そんな事1ミリも思わなかったのに‥‥。
やっぱり体型のせいだ。

そうして逃げ腰気味でネットで探してみたりすると
『体型カバー』とかそんなコピーが出てくるのね。
そうか、世の中に水着に困ってる
(体型に困ってる)人はごまんといたのね! 
なんかやけにヒラヒラがついていたり、
肌をまとってますみたいな布が
びろーんってなっていたり‥‥
え、泳ぎたいんだよ、私‥‥。
洒落込んでプールだの海だのに
行くつもりはないのよ、
子どもとガチで泳ぐための
かわいいシンプルでしっかりとした
普通の水着を探しているだけなんだよ‥‥。

色んなアンテナがありそうな人に聞いてみたりした。
「ねえ、いい水着売ってるところしらない?」
そうすると、いくつか素敵な
水着ブランドを教えてもらったりした。
でも、海外のものも多く、
試着できない、しかもパットは大抵ついてない。
そしてやっとあった! って思うと
「sold out」。
水着は、一番着たいと思うシーズンには、
もう大抵このさまだ‥‥。
みんな早いよ‥‥はあ‥‥。

そうした私は数年どうにかごまかしながら
あり物で乗り切っている。
海外に行けば必ず水着はチェックする。
こどもサイズの160くらいまで
作ってるものをチェックしてみると、
求めているデザインに近いものに、近づける。
でもなかなかまだ出会えない。
この冬にもハワイに行くから水着を探さないとなと思う。
今度バッチリな水着があったら、
2着は買い置きしておこうと思うくらい、
水着って気に入った物に出会えるのは難しい。

どこかにいい水着ないだろうか‥‥。
そんな矢先まさこさんにふと
「水着がない」と話したら「作るよ」と言う。
えー!! 
私のこれまでの不服不満を言ったら
「きっとひなちゃん気に入る」って。
早く見たい、早く着たい、あーきっと良さそう! 

で、でもこれでダメだったら本当にもう‥‥、
私、がんばらないとね。(苦笑)

2020-01-12-SUN