ごはんの時間。
伊藤まさこ
メニューを考えてから食材を揃える、
というスタイルから、
いまあるもので工夫するスタイルへ
みんなの暮らしがちょっと変化しているいま、
伊藤まさこさんはどうしているのかな?
と気になりました。
きいてみたら「なるべく外に出ないように、
ストックや乾物を使ってやりくりしているんですよ」と。
冷蔵庫のなかに食材がたくさんあるときよりも、
あんまりない中からあたらしい味が生まれることがあると、
知人の料理家のかたから聞いて、
「よしっ!」と思ったのだそうです。
どうやら伊藤家の食卓は、
いまある食材を無駄にせず、
足りない食材は工夫して、
テーブルやうつわも考えて(ここはプロ!)、
ごはんの時間をたのしくする
アイデアにあふれているみたい。
そこで、伊藤さんに、いまの気持ちで、
ほんとうにつくっているものを
紹介してもらうことにしました。
[5]切り干し大根とひじき
切り干し大根とひじきは、
いつもストックしている乾物です。
しょうゆと砂糖、出汁で煮たいつもの味もいいけれど、
ちょっと飽きてしまったのなら、
こんな料理はどうでしょう。
まずは水に戻します。
切り干し大根は、水気をよくしぼり、
ボウルに入れ、しょうゆ少々、酢、ごま油、
軽く炒ったじゃこ、白ごまを入れて
よく和えたらできあがり。
しょうゆを入れすぎると茶色くなってしまうし、
しょうゆの味が勝ってしまうので、
味を見て足りないようだったら塩でととのえます。
もどしたひじきは、
しょうゆとお酒少々を入れた出汁に入れ、
さっと煮たらそのまま冷まします。
(煮汁を作るのがめんどうだったら、
白だしやめんつゆでも。
ひじきにほんの少し味をつけるところがポイント)
その間に、鶏ささみを茹で、ほぐし、
れんこんは薄切りにしてさっと茹でておきます。
ひじきがすっかり冷めたら、
煮汁をよく切って、
すべての材料を合わせ、柚子胡椒を入れよく和えます。
切り干し大根はしゃきっとした歯ごたえが、
ひじきはれんこんや鶏のささみなど、
一口でいろんな食感がたのしめる、我が家の定番のおかず。
時々、一人暮らしの友人たちを集めて、
「おっかさんごはんの会」をしますが、
中でもこのふたつはみんなが大好きなメニューなのです。
そうそう、今日は干し大根も作りました。
大根おろしや、大根サラダ、
お味噌汁‥‥作っても作っても、
なかなか使い切れない大きな大根があったのです。
幅は5ミリくらい。
形はいちょう切り。
これをざるにのせて、ベランダで半日。
するとこんな状態に。
お揚げと合わせて炒め煮にしようか、
それともまずはお味噌汁?
生のそれとはまた違う味と食感をたのしもうと思います。