ごはんの時間。
伊藤まさこ
メニューを考えてから食材を揃える、
というスタイルから、
いまあるもので工夫するスタイルへ
みんなの暮らしがちょっと変化しているいま、
伊藤まさこさんはどうしているのかな?
と気になりました。
きいてみたら「なるべく外に出ないように、
ストックや乾物を使ってやりくりしているんですよ」と。
冷蔵庫のなかに食材がたくさんあるときよりも、
あんまりない中からあたらしい味が生まれることがあると、
知人の料理家のかたから聞いて、
「よしっ!」と思ったのだそうです。
どうやら伊藤家の食卓は、
いまある食材を無駄にせず、
足りない食材は工夫して、
テーブルやうつわも考えて(ここはプロ!)、
ごはんの時間をたのしくする
アイデアにあふれているみたい。
そこで、伊藤さんに、いまの気持ちで、
ほんとうにつくっているものを
紹介してもらうことにしました。
[8]炊きかたいろいろ
お米は年に4回、
新潟の知人の米農家から送ってもらっています。
ふだんからお米があれば大丈夫、
なんとかやっていけるさ、という気持ちでいましたが、
ここにきて主食が家に蓄えられていることの
安心感を身をもって感じています。
届いた玄米は、
半分ほどを精米機で白米にし、
残りは玄米のまま取っておきます。
それぞれ3合ずつポリ袋に分けて冷蔵庫へ。
玄米はそのまま食べることもありますが、
5分づき、7分づき、と好みのつき加減にし、
押麦や黒米などを混ぜて炊くことも。
いずれにしても、
炊きたてのお米のおいしさは、
どんなごちそうにもかなわない。
ああ日本人に生まれてよかった、
と思う瞬間です。
ふだん玄米は圧力鍋で、
それ以外は土鍋で炊いているのですが、
「そうだ、時間があるから、
いろんな鍋を使って炊いてみよう!」
そう思い立ち、
あれこれ実験する日々。
実験結果はというと、
ちょっとの水加減や火加減に気をつければ、
どんな鍋(ふたつきならば)でもたいていおいしく炊ける。
鍋につきっきりで、
鍋の中の音に耳を澄まして。
こんなにごはんを炊くことに集中するのは、
もしかしたら初めてかもしれないなぁ。
もちもちした食感が好きな娘は、
圧力鍋で炊いたのが好みみたい。
浸水しておけば、火にかけるのは3分。
おお、これは忙しいときの味方にもなりそうだぞ。
精米機はYAMAZENというところのもの。
年季の入った姿がいいでしょう?
精米した後の糠、
明日はじっくり炒ってみることにしよう。