REPORT

ごはんの時間。
伊藤まさこ

メニューを考えてから食材を揃える、
というスタイルから、
いまあるもので工夫するスタイルへ
みんなの暮らしがちょっと変化しているいま、
伊藤まさこさんはどうしているのかな? 
と気になりました。
きいてみたら「なるべく外に出ないように、
ストックや乾物を使ってやりくりしているんですよ」と。
冷蔵庫のなかに食材がたくさんあるときよりも、
あんまりない中からあたらしい味が生まれることがあると、
知人の料理家のかたから聞いて、
「よしっ!」と思ったのだそうです。
どうやら伊藤家の食卓は、
いまある食材を無駄にせず、
足りない食材は工夫して、
テーブルやうつわも考えて(ここはプロ!)、
ごはんの時間をたのしくする
アイデアにあふれているみたい。
そこで、伊藤さんに、いまの気持ちで、
ほんとうにつくっているものを
紹介してもらうことにしました。

[11]いちごのマリネ

最近あまいものを食べていない。
そうか! いつもだったら、
手土産をいただいたり、
出かけたついでに
その日に食べるおやつを買って帰ったりしてたんだ。
「家から出ない」「人と会わない」って
こういうことなんだなぁと、
おやつ不足で気づいたのでした。

とはいっても、
材料を揃えて、計量して‥‥という気にもならなくて、
だったらと作ったのがいちごのマリネ。
この季節、何度も作る我が家の定番のおやつです。

私が好きなのは、
八百屋で時おり見かける小粒のいちご。
あまさと酸っぱさが同居していて
マリネにぴったりなのです。

ヘタを取り、砂糖をかけて時々かきまぜて‥‥。

今日は三温糖を使いましたが、
グラニュー糖でも、上白糖でも。

時々かきまぜて、
一時間マリネしたら砂糖の浸透圧で水分が出て、
こんな感じになります。

そのまま食べるのとも、
火を通したのともまたちがう
フレッシュで「ちょっと手をくわえた」味。

アイスクリームにかけたり、
食パンの上に、泡立てた生クリームと
いちごのマリネをのせて、
オープンいちごサンドにしても。

今日は、バルサミコと
細切りにしたミントをくわえてマリネにしました。
グラスに盛って、白いプレートの上にのせれば、
ちょっとすましたかんじ。
「おやつ」ではなく「デザート」っぽくなるでしょう? 
フルーツの中でも、
ルックスがとびきりかわいいいちごですが、
一工夫するとよりかわいさが引き立つのです。

2020-04-20-MON