テーブルの上で、空気のように。
ガラスの魅力はなんといっても、
その透明感。
陶器や磁器がならぶテーブルの上に、
ぽん、とひとつ置くだけで、
その場所に空気が通る。
ファッションやメイクでいう「抜け」のようなものを
テーブル上で表現したい時に、
ガラスは力を発揮してくれます。
私がまいにち使いたいのは、
かぎりなく余分なデザインをそぎ落としたグラスや器。
それでいながら、
手に持った時の感触や、
口に触れた時の感覚が冷たくないもの。
水やビールをそそいだ時や、
料理を盛った時に、
ぐっとひきたててくれるもの。
今回、松徳硝子にお願いしたのは、
ほんとうにふつうの「コップ」と、
以前作った円筒形をした形のグラスを元に
サイズを大きくした器。
ひとつひとつ手でつくられるため、
感触にはあたたかみが。
それでいながら、
的確な作業が生み出すその姿はとても端正。
中に入れたものを、
「ぐっとひきたててくれる」、
願い通りのものができあがりました。
伊藤まさこ
2018-08-31-FRI