展覧会「まさこ百景」
全景解説 その3
「なにしろ琺瑯が好きなもので」
「Clean up⤴︎ではなくKeep→です
(ときどきもようがえ)」
2020年8月6日(木)から22日(土)まで開かれる
展覧会「まさこ百景」。
東京・渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」が
どんなことになっているのか、
開催前日に撮影した写真と解説でお届けします。
写真=有賀傑
なにしろ琺瑯が好きなもので
朝起きたら、琺瑯のやかんでお湯を沸かし、
バットを使って料理の下ごしらえ。
木べらはケトルに立てて‥‥という具合に、
我が家では琺瑯製品が大活躍。
使う場所は台所だけにあらず。
バスルームやダイニングもふと気づくと、
あれもこれも琺瑯。
どうして好きなのかというと
それはきっと見た目の清潔感のせいかもしれません。
それとあの琺瑯と琺瑯がぶつかり合う時の
コロン、という音も好きなんです。
(伊藤まさこ)
【出展するもの】バット/北欧のケトル/ランプシェード/工具入れ/洗面器/チェコのケトル/保存容器
「わたし、琺瑯が好きなんだ!」
と自覚したのは、おとなになってから、
だったという伊藤さん。
でも、小さな頃から、伊藤家の台所にしぜんとあった
あたりまえのような存在だったようです。
「だから、ちょっと懐かしい感じもあるんです。
そして、なによりも、清潔が保てるのも大好き。
琺瑯独特の質感にも魅かれます」
それでいつのまにか伊藤さんのところには
ずいぶんたくさんの琺瑯が集まって、
キッチンはもちろん、ダイニング、
納戸、バスルーム、家中のあちこちに。
展覧会の図録の表紙になったポットも、
ここのコーナーに。
黒くて大きな横姿のかわいいポットは、
一番右に展示してありますよ。
Clean up⤴︎ではなくKeep→です
(ときどきもようがえ)
そりゃ私だって、時々掃除が面倒になることもあります。
でも、掃除をした後のクリーンな空気を思うと
「よし、やるぞ!」という気分になるのです。
いつの頃からか、掃除道具はこれでないと! という、
自分の中の決まりのようなものができました。
どれも使ってうれしく
見ていてうっとりする美しいものばかり。
用途ごとにいろんな形や素材があるところも
掃除道具の興味深いところなのです。
(伊藤まさこ)
【出展するもの】たわし/スポンジ/ウェス/ほこりとり/ほうき/ブラシ/ペンキ
「掃除が好きなんじゃなくて、
片づいた状態が好きなんですよ」
と伊藤さん。
「そうだ、そもそもね、掃除って、
汚れたところをきれいにすることじゃないんですよ」
とも。えっ、じゃあ‥‥?
「汚れないようにきれいに保つのが掃除なんです」
な、なるほど!! でもそれが、なかなか。
「そうですよねぇ。じつはわたしもたいへんなんです。
毎日、気がつくとすぐ拭くようにしていて」
そういえば、この展覧会を設営するときも、
取材を受けながら、右手は展示場所をととのえ、
左手は拭き掃除をしてました。
だから、掃除の道具は美しいものがいい。
「どんな道具でも、絶対に、美しいものがあるから」
そんな道具たちがここに展示されています。
「それから、わたし、模様替えが好きなんですが、
模様替えをすると家具を移動するでしょう?
すると、うしろに溜まった埃を発見したりして、
その時すかさず掃除機で吸い取る。
ものを移動すると、部屋もきれいになるんです」
伊藤さん、ペンキ塗りも好きだし、
引っ越しも好きなんですって。動いてるなぁ。
展覧会「まさこ百景」
■日程
2020年8月6日(木)~22日(土)
■場所
渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」
■時間
11:00~20:00
■入場料
無料
※混雑した場合は、入場時間指定の整理券をお配りします。