REPORT

saquiの冬のコレクション、
岸山沙代子さんが解説します。
[2]

緑に囲まれた静かなエリアに
アトリエを移転したばかりのブランド、
saqui(サキ)。
伊藤まさこさんといっしょに
ひざしのあたたかな制作室におじゃまして、
主宰でありデザイナーの
岸山沙代子さんのお話をうかがいました。
「weeksdays」に並ぶこの冬の新作、
どれも、すてきなんです!
3回にわけて、おとどけします。

[2]シルクワンピースと、
ツイードスカート。

絹100%の素材で、ワンピースをつくりました。
もとになったデザインは、2年前の春夏のワンピース。
今回のものは、秋冬の発表ですけれど、
オールシーズン、着られるようにしています。

丈は、長め。「長さが新鮮!」と
言ってくださる方が多いんですが、
まさしく、今っぽい感じを取り入れています。

目立つのは襟の形。
すっきり見せつつ、かわいらしい、
ノーカラーのVネックなんですが、
留めるとそのVはそんな深くないのが
おわかりいただけると思います。

前身ごろの、左右の胸と、腰につけた
4つのポケットも、デザインのアクセント。
ポケットがポイントになることで、
長いワンピースでも、間延びしない印象を生んでいます。

1枚で着てもとても気持ちのよい素材ですが、
細めのパンツを下に穿くのもおすすめです。
裾をボタン留めせず、フワッと開いて着ると、
裾さばきもよく、軽快な印象になります。

キャミソールを着て、パンツを穿けば、
前ボタンを全部開けるのもかわいいですよね。
タイツにスニーカーも合います。

寒い時季は、上にコートや
ロングカーディガンを羽織って。
ちなみに、このワンピース、
saquiでは完売をしていますので、
「weeksdays」だけの取り扱いとなります。

グリーンに、ちょっと茶色が混じった、
ツイードを使ったスカートです。
ここまで鮮やかなデザインのツイードは、
saquiでは珍しいタイプです。
英国のリントン社(LINTON)の生地で、
フリンジになっている糸や、リボンのような糸、
コードなど、いろんな糸を使って織られている、
世の中では「シャネルツイード」とも
呼ばれているものです。
見本を見たとき、クラシックなコレクションのなかに、
saquiにきっと合う! と、
かわいくキラッと光って見えたのがこのデザインでした。

デザインとしては、前身頃に大きめのポケット。
かわいいだけじゃなく、
これがあると、お腹ポッコリも目立ちにくいんです。
後ろは「riri(リリ=ハイブランドも使っている、
スイスの古いファスナーのメーカー)」のファスナーで。
かたちはストレートで、裾にはスリットをつけました。

おすすめの着方ですが、
このスカートが主役級になるので、
全体をシンプルに品良く、スッキリした感じで
まとめるのがいいかなって思います。
たとえば、タイツを穿いて、ショートブーツと合わせる。
上はグレー、黒、白などのシンプルなニット。
ブラウスでもいいと思いますよ。

靴は、小柄な方は、ヒールのある靴を。
ショートブーツや、
ロングブーツもかっこいいと思います。

私がなぜこのスカートを作りたくなったかというと、
パリに、好きなバッグデザイナーさんがいて、
その人がツイードのタイトスカートを穿いていて、
すごく、かわいかったんです。
タートルを着て、白、グレーか白っぽい感じの
ツイードスカート。
そして、ちっちゃいバッグを斜め掛けにしたスタイルで
接客してくださって、「何てかわいいの!」と。
そのとき「ツイードのストレートかタイトのスカートを
いつか作ろう! 普通なのに、かわいいものを」
って思ったんです。
それが、この生地と出会って、実現しました。

(つづきます)

2020-11-03-TUE