LESS by Gabriele Riva
& Kanako Sakakuraの
パネットーネを紹介します。
ホリデーシーズンに向けて、
イタリアのクリスマス菓子であるパネットーネを
「weeksdays」で販売することになりました。
つくり手は、いまとても人気の高い、
東京・恵比寿の
「LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakura」。
ふたりのオーナーシェフが切り盛りする
このお店のこと、紹介します。
LESS by Gabriele Riva
& Kanako Sakakuraのプロフィール
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakura、
通称「LESS(レス)」。
東京の恵比寿に拠点をもつペストリーショップ。
ふたりのオーナーシェフ、
Gabriele Riva(ガブリエレ・リヴァ)さんと
坂倉加奈子(さかくら・かなこ)さんがタッグを組み、
2019年9月にオープン。
主軸とするパネットーネのほか、
見た目もうつくしいタルトも人気が高い。
●LESSのウェブサイト
●LESSのオンラインショップ
「どうしてこんなにおいしいの?!」
パネットーネを食べたことがある人も、
はじめて食べるという人も、
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
味にはびっくりします。
(じっさい、伊藤まさこさんもそうでしたし、
「weeksdays」のスタッフも、そうでした。)
たっぷり大きめのそのかたちは、
イタリア本国ほどじゃないにしても
(とっても大きいのがイタリア式なのです)、
むしろちょうどよくって食べやすく、
かつ「本場っぽさ」もある。
すっとあけやすいパッケージを開くと、
ぱっと立つあまい香り、
そして乳酸菌に由来する、自然で、
ふくいくとした醗酵の香り。
カットして口にふくむと、
しっとりとした質感と、複雑な柑橘のテイスト
(日本の柚子と、イタリア産のオレンジピール、
レモンピールを組み合わせているんですって!)。
表面にはアーモンド生地やあられ糖の、
ミラノ発祥といわれるクラストがちりばめられ、
サクサクと口のなかで、たのしい食感ではじけます。
そんなLESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネを、「weeksdays」で
紹介できることになりました。
季節のいろいろな素材を使っているLESSですが、
今回、お届けするのは、
いちばんプレーンなタイプである、
「アグルミパネットーネ」。
イタリア産オレンジピールのほか、
レモンピール、日本の柚子ピールの
3つのフレーバーを使った、LESSのオリジナルです。
伝統的なパネットーネには
オレンジとレーズンが入っていますが、
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraでは
柑橘のみに絞り、常に3種類を合わせ、
爽やかさ・ビター感・果肉感のバランスを
考慮しながらつくっています。
そもそもパネットーネは、イタリアで食べられる、
クリスマスシーズンの発酵菓子。
その昔、祝日に食されていた“パン・デル・トン”という
リッチな配合のパンから来ていると言われ
(由来には、ほかにも諸説があります)、
飲み物との組み合わせは、
午前中ならエスプレッソやカプチーノ、
午後はシャンパンやプロセッコで、
そして夜はウィスキーやブランデー‥‥と、
シチュエーションによりアレンジしてたのしむ、
ということからもわかるように、
ホリデーシーズンを彩るのに欠かせないものなんです。
東京・恵比寿に店舗をかまえる
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraは、
一年中、おいしいパネットーネを提供するお店。
ふたりのオーナーシェフ、
Gabriele Riva(ガブリエレ・リヴァ)さんと
坂倉加奈子さんがタッグを組み、
2019年9月のオープン以来、
とても人気の高いペストリーショップです。
店名の由来は、
建築界の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの言葉
「LESS IS MORE」
(少ないことは、より豊かなこと)から。
無駄のない建築の美しさをかたる、このことばは、
「不必要なものを削ぎ落とし、
質の高い仕事を行い、提供する」という、
お菓子の世界でふたりが大切にしていることと
同じであるという考えから名付けたといいます。
このパネットーネは、
ミラノの郊外で町いちばんの人気店だった
パスティッチェリア(菓子店)出身の
ガブリエレさんが製造を担当。
生きた酵母のみで、
添加物や保存料・香料を使用しない
本物の発酵菓子です。
その酵母は、ガブリエレさんの生家から受け継いだ
パネットーネ専用の酵母。
ロンドン、ニューヨークと海外で経験を積んだ
ガブリエレさんとともに旅をし、
現在、日本で「醗酵」を続けているんです。
ここで、ガブリエレさんと坂倉さんのことを、
もうちょっと詳しくご紹介しましょう。
ふたりが最初に考えていたのは、
じつはパネットーネではありませんでした。
坂倉さんが考えていたのはジェラート専門店、
ガブリエレさんが考えていたのは
自身が得意とする、チョコレートの専門店でした。
ちなみにふたりの出会いは「先生と生徒」として。
ラスベガスのペストリースクールで教えていた
ガブリエレさんのもとで、
ジェラートの研修をうけたのが坂倉さんでした。
ジェラートだけでなく、
チョコレート、パネットーネ、
ペストリーにおける全ての分野で
高技術を持ったガブリエレさんの研修は
坂倉さんにとってすばらしい経験となり、
また、菓子作りに対する姿勢や哲学が
とても似通っていることから、
一緒に店をやらないかという話が上がったのだそう。
坂倉さんが、ふたりが繋がるきっかけになった
「ガブリエレさんのジェラート」でお店をやりたいと
考えたのも、自然な流れでした。
「それなら、夏はジェラート、
冬はチョコレートのお店をつくるのはどうだろう?」
と、最初は、そんなふうに計画をしていたんですって。
でも、日本の市場を考えてみると、
ふたり合わせて50年、という製菓の経験と知識をいかし、
日本にすでにあるジェラートや
チョコレートの専門店ではなく、
「これまで存在しなかったペストリーショップ」を
オープンしたいと考えるようになりました。
そこでメインのお菓子に
位置づけることになったのが、パネットーネ。
なにしろガブリエレさんには、
ミラノの生家から受け継いだ
パネットーネの酵母がありました。
ロンドン、ニューヨークと、
海外で経験をつんだ長い旅の途中にも
手放さなかったその酵母を、
日本でいかそう、ということになったのです。
生きた酵母のみで添加物や保存料・香料を使用しない
本物の発酵食品である
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネ。
日本ではポピュラーなお菓子とは言えません。
でも、日本にはすでに発酵文化が根付いている。
きっとパネットーネは受け入れられられる!
とふたりは考えました。
そのアイデアはみごとに成功、開店1年で、
お菓子の好きな人のあいだでは、
“パネットーネと言えばここ!“
というイメージがうまれるまでになっています。
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraでは、
ほとんどのクリエイションは
ガブリエレさんの発想から生まれます。
パネットーネも彼だけの仕事。
(でももちろんテイスティングは共同で行ないます。)
坂倉さんは、ジャムや皿盛りのデザート、
イートインのドリンクのアイデアを担当。
また、できあがった作品を、販売する商品として
どのような形に仕上げていくか、
ポーションや価格、パッケージなども
坂倉さんが手がけます。
届いたとき、きっとびっくりしていただけると思いますが、
このパネットーネの箱は「発明」!
箱の中で傾いたりしないジャストなサイズ感で、
北海道のエゾマツの間伐材を使用した
100%の再生紙を使い、
しかも、高いデザイン性を持っています。
さて。
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネの特徴は、まず、
素材に、可能な限り、国産かつ旬のものを使うこと。
ただしナッツ類やチーズなど、
手に入りにくい素材はイタリア産を中心にしています。
冷凍フルーツやピューレは素材を補う役割程度にとどめ、
極力使用しません。
旬の国産の素材を使うことは、
自分達が今いる場所や国、
アイデンティティへの尊敬をもつことであり、
サスティナブルで、自然で、
質の高いものを使いたいという製菓職人としての思いから
選んでいるということです。
▲しぼんでしまうのを防ぐため、焼き上がったパネットーネは専用の機械で天井から逆さまに吊るす。この機械はLESSがはじめて日本に導入したのだそう。
パネットーネの良し悪しは、
酵母の健康状態が大きく関わるそう。
そのために、酵母に最適な温度や湿度を整える
毎日の種継(リフレッシュ)作業が必要です。
酵母は、人間のように温度変化に敏感ですから、
時には赤ちゃんのように
適温の温水に入浴させるんですって。
焼き上がったパネットーネは、
時間の経過と共に生地の中の素材同士が馴染んできます。
発酵過程で酵素の働きにより複雑な風味が生まれますが、
最初のフレッシュな状態では、
浅煎りコーヒーや紅茶、プロセッコ
(イタリア・ヴェネト州のスパークリングワイン)が
合う、といわれます。
すこし時間が経つと生地の質感に締まりが出て、
一体感が出ますから、
ブランデーやウィスキー、グラッパなどの
強めのアルコールと相性が良くなります。
ちなみに、クリスマス休暇のとき、
イタリアの人々は、パネットーネと合わせる飲み物を
1日のなかでも変えるそう。
午前中ならエスプレッソやカプチーノ、
午後はシャンパンやプロセッコ、
夜はウィスキーやブランデー。
そんなふうに楽しんでみるのもいいかもしれません。
ガブリエレさんと坂倉さんに、
お互いの「ここがすごいな」と思うところを
きいてみました。
「彼女のすごいところは、味覚。
そして即興でお菓子のプレゼンテーションを考え、
仕上げられることですね。
それから、唯一無二のオリジナルジャムを作ること。
製造からパッケージまで
オールマイティに仕事をこなすこと」(ガブリエレさん)
「毎日のように新しい商品作りをしていることです。
仕事の正確さ、清潔さ、
納得がいくまで何度も試作を繰り返すのも、
かなわないな、って感じます」(坂倉さん)
今の恵比寿のお店は、
最初のスタート地点だと思っているというふたり。
今後は製造とクリエイションだけに集中できる
ラボ(研究所)兼アトリエをつくるのが夢だそうです。
ガブリエレさんは、パネットーネだけじゃなく、
チョコレートも得意としているので、
そちらでも展開していきたいということでした。