こんなレシピを、
島さんの器で。
[めしわんと小どんぶり編]
伊藤まさこ
ふだんから島るり子さんの器を使っている
伊藤まさこさん。
どんな料理を、どんなふうに盛っているんでしょう。
そのようすを、レシピもいっしょにお届けします。
分量はざっくりですから、
好みの味をさぐりながら、
つくってみてくださいね。
(2回にわけて、おとどけします。)
一年を通して使っている島さんのめしわん。
ことに新米のおいしい今の季節は、
出番が多くなります。
手に持った時の安心感は、
私が持っているめしわんの中で一番。
「包容力がある」とでもいったらいいのかな。
もしも、めしわんえらびに迷っていたら、
まず最初のひとつとして、
このめしわんをぜひともおすすめしたい!
サイズはふたつ、質感もふたつ。
炊きたて、ほかほかのごはんを盛ったのは、
小さめサイズのめしわんです。
つやっとしたお米を、
おだやかに受け止める粉引の質感がいいでしょう?
この光景を見るたび、
「日本人に生まれてよかったなぁ」なんて思うのです。
中華風肉味噌ごはん
使う器‥‥めしわん・大
めしわんの大きな方に、
ごはんをよそい、上に肉味噌を盛ってみました。
「包容力がある器」ですもの、
中華風のごはんだっていけるんです。
小さなお敷にのせて、
横にはラーパーツァイ(白菜の甘酢漬け)を盛った
黄色の豆皿を置き、
真鍮のスッカラ(韓国のスプーン)をそえました。
あたたかい雰囲気を持つ粉引に、
磁器や真鍮をくわえると、
テーブルの上が引き締まる。
染つけや漆器との相性もいいので、
いろいろ合わせて、
テーブルの上をたのしくしてほしいなと思います。
作り方
1)フライパンに油(太白ごま油や米油など)を熱し、
みじん切りしたにんにく、しょうが、長ネギを入れ、
さっと炒めます。
2)1に豚ひき肉を入れ、しっかり火を通したら、
しょうゆ、紹興酒、味噌、豆板醤(少々)を入れ、
汁気がなくなるまで軽く煮詰めます。
3)ごはんを盛り、2と香菜をのせます。
卵とトマトの炒めものごはん
使う器‥‥小どんぶり
うどんに煮麺、雑炊、お雑煮、親子丼‥‥。
ひとつ持っていると、
とても重宝するのがこの小どんぶり。
今日は、卵とトマトの炒めものを
ごはんの上に乗せてみました。
赤と黄色が白い器によく映えて、食欲をそそる一品。
うちの娘の大好物でもあります。
朝ごはんに作ることが多い、このどんぶり。
「器、持ってきてー」と娘にたのむと、
彼女がえらぶのは、必ずと言っていいほど、
島さんの小どんぶり。
小さすぎず、大きすぎずのサイズ感がいいんです。
うれしいのは、どしりとして安定感があり、
割れづらいところ。
とかくばたばたと慌ただしい朝でも、
どーんと受け止めてくれる頼りがいのある器です。
作り方
1)トマトは湯むきし、ざく切りにします。
にんにくは半分に切り、
卵は溶きほぐして軽く塩をしておきます。
2)フライパンに1のにんにくと
油(太白ごま油など好みのみのを)を入れ火にかけ、
香りを出し、1のトマトを入れ、
軽く煮込み、塩で味を整えます。
3)別のフライパンに、
油を多めに熱し(軽く煙が出るくらい)、
1の卵を入れ、ふわーっと火を通します
(あまり火を通しすぎないこと)。
4)3に2を入れ、さっと混ぜます。
5)小どんぶりにごはんをよそい、1をかけます。
仕上げにこしょうをたっぷり振ってどうぞ。
この小どんぶり、
ごはんや麺だけのものにしておくのはもったいない。
フルーツだって合うんです。
今日は一口大に切った柿と梨を小どんぶりに盛り、
桜の小枝で作ったようじを添えました。
これからだったら、りんごもいいし、
冬の柑橘類を混ぜ合わせたマチェドニアもいいかも。
自由に、たのしい器づかいをどうぞ。