REPORT

漆の器の使い方。
伊藤まさこ
[すぎ椀 編]

20年来、伊藤まさこさんが愛用しているという
輪島キリモトの漆器。
じっさいにどんなふうに使っているのか、
教えていただきましたよ!

めいめいに、おひたしを。

すっとした形のすぎ椀に、
ほうれん草としいたけのおひたしを。
おひたしは、
大ぶりの器にどーんと盛ることもありますが、
こんな風にめいめいに盛ると、
品よくなるのがうれしい。

盛る時は、
盛りつけ箸を使ってていねいに。
ちょっと高さを出すときれいです。
仕上げにはちょこんとゆずの皮を置いてできあがり。


シンプルなお味噌汁。

平日、ひとりのお昼ごはん。
あり合せのおかずをつめて、
朝、お弁当を作っておくことが多いのですが、
温かい何かが欲しくなることがあるんです。

そんな時に、
私がお弁当にそえるのが、お味噌汁。
今日は、作りおきのだし汁に味噌を溶いて、
万能ネギのみじん切りをぱらり。
とても簡単ですが、
これがあるのとないのとでは満足度が違う。
あったかいものって、しみじみありがたいなぁ‥‥。

ネギだけ、お麩だけ、わかめだけ、
なんていう、
具のシンプルなお味噌汁に、
すぎ椀はぴったり。

あるのとないのとでは大違いなのは、
お腹の満足度だけでなく、
テーブルの上の景色も同じこと。
お椀があると、すごく幸せな気分になるのです。


おやつの時間にも。

柿とマスカットのマチェドニアや、
りんごのコンポート、
アイスクリームなどなど、
すぎ椀は、おやつの時間にも。
今日は、豆かんを盛ってみました。

じつは、そのまま食べられる容器に入って
売られていたのですが、
どうにも味気ない。
すぎ椀に移し替えて、
リネンのナプキンの上におき、
緑茶をそえたらいいかんじ。

漆器だからとかしこまらず、
どんどん使って、盛ってみて。
テーブルの上が、
きっとたのしく豊かになるはずだから。

2020-12-02-WED