台所には何も置かない。
2020年のラストは、
「まさこ百景」で紹介しきれなかった、
つづきの「まさこ百景」を、
伊藤まさこさんが綴ります。
ふだんしていることにくわえ、
新しくできた習慣や、
部屋の模様替え、などなど。
のんびりと、おたのしみくださいね。
「うちでごはんでもどう?」
なんて、友だちに誘われても、
席に座って、じーっと出てくる料理を待つ、
ということはあまりなくて、
お手伝いをすることがほとんど。
一緒になって料理をすると、
だんだんと、
その人の台所の流儀というか、
作法がわかるとでもいったらいいのかな。
果ては、食べものとの向き合い方まで
垣間見ることができて、
なかなかに興味深いのです。
料理上手な友人は、
掃除や整理整頓もさすがに上手。
感心することも多くって、
いうならば我が家の台所は、
そんな友人たちのお手本の結集という感じ。
先日、いつもお世話になっている、
年上の友人夫婦の台所で
洗いものの手伝いをした時のこと。
食器の水切りかごがないことに気づきました。
食洗機も使わないというし、
どうしているのか尋ねたところ、
水切りマットを使っているとのこと。
「場所をとらないから広々使えていいわよ」
と聞き、なるほど!
洗った器は、洗い上げたままにせず、すぐに拭き、
マットもすぐに乾すのだとか。
わー、これだったらじめっとせずに済む。
気持ちいいではありませんか!
思い立ったが吉日とばかりに、
帰ってすぐに買ったのが、
このグレーのマット。
▲水切りかごにする前は、
玉ねぎやじゃがいもなどの
根菜入れとして使っていました。
それと同時に、水切りかごを廃止して、
食洗機に入る小さなかごを
流しの中に置くことにしました。
水切りかごの間にたまる水垢が
気になってしょうがなかったのですが、
これでそのモヤモヤも解消です。
▲置いているのは、リネンのキッチンクロスだけ。
このさいだからと、
壁面のタイルに取り付けていた、
ステンレスのナイフラックもやめて、
流しの下の扉にナイフホルダーを取りつけ、
ガス台まわりに出していた塩や木ベラ、
菜箸、やかんも引き出しにしまいました。
我が家を初めて訪ねてきた人から、
「ほんとにここで料理をしているんですか?」
と不思議がられるほど、
なーんにもない台所になりましたが、
これが本当に気持ちいい。
食事の後片づけが終わったら、
作業台と壁、シンクの中など、
拭けるところはすべて拭き、
これで台所仕事は終了。
どこをさわっても、
さらっとした清々しい台所になりました。
(伊藤まさこ)