好きな色。
2020年のラストは、
「まさこ百景」で紹介しきれなかった、
つづきの「まさこ百景」を、
伊藤まさこさんが綴ります。
ふだんしていることにくわえ、
新しくできた習慣や、
部屋の模様替え、などなど。
のんびりと、おたのしみくださいね。
クローゼットにかかっている服は、
ネイビーと黒と白がほとんど。
我ながら、好きなものに偏りがあるなぁと
びっくりします。
着ていて落ち着くから、というのが
えらぶ理由のひとつかな。
さて、では部屋はというと、
白をベースに、グレーからブルーにかけての
「何色」とは一言で言い表せない、
微妙な色合いが多いことに気がつきました。
ハタと自分の手元を見てみると、
指に塗ったネイルもそんな色。
▲色合いが気に入って買ったソファはデンマークのもの。
その上に置いたピカソ柄のクッションは、
パリで見つけました。
ネイビーや黒が着ていると落ち着くように、
薄いブルーやグレーに囲まれていると、
どうやら落ち着くみたい。
どこを旅しても、
結局は「家が一番」と思う理由は、
色にも関係するのかもしれません。
▲20年ほど使っている気に入り。
和、洋、中、
意外なほどいろんな料理にしっくり合うんです。
このプレートとカップは、
イタリア人の陶芸家によるもの。
母が旅先で買ってきてくれたものですが、
あら、これもブルーグレー!
私が好きだからえらんでくれたの? と聞いたところ、
「忘れちゃったわ」との返事。
何も考えていないように見えて、
でも意思がはっきりありそうで。
なんとも言えない表情が気に入って買った、
陶器のオブジェ。
この人も顔以外は、薄い水色でした。
友人は、自分のテーマカラーを黄色と決めていて、
自身のショップカードや、
ここぞという時の服は必ず黄色。
今では、
黄色を見ると彼女を思い出すくらい
印象づけられていますが、
そういう色がひとつあるのも
いいものだなぁなんて思います。
もしかしたら、
器をえらんでくれた母も、
潜在的に私の色と思ってくれていたのかしら?
(伊藤まさこ)