REPORT

わたしがミモザを飾るなら。[2]
花瓶にいけられた花よりも。
長田佳子

ひとあし早く、3人のかたに
ミモザのリースを飾っていただき、
その感想を文章と写真で寄せていただきました。
きょうは、菓子研究家の長田佳子さんです。

長田佳子さんのプロフィール

おさだ・かこ
foodremediesという屋号で活動する菓子研究家。
パティスリーやレストランで経験を積んだ後、
YAECAのフード部門、PLAIN BAKERYを経て独立。
心と体に優しく寄り添うお菓子は、
ひと口食べるとほっとする味わい。
著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、
『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)
などがある。
「weeksdays」では
「あのひとのかごのつかいかた。」にも登場。

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私のもとにやってきたミモザのリースは、
どんなふうに手にとろうか、
すこし戸惑うくらいの、
ふわふわの赤ちゃんのような印象でした。

普段、黄色という色は華やか過ぎて
すこし遠い存在に感じていたのですが、
コロナ禍で、春を待つ気持ちも先走るのか、
黄色をはじめ赤やピンクなどの明るい色に
心が動くようになっているようです。
箱の中で輪を描くミモザを隅々まで眺めて、
両手でゆっくり取り上げました。

一日励ましてもらえる場所に居てほしいと思い、
アトリエの風が抜けるすこし大きなドアや
ガラスの前に飾ることに決めました。

リースが届いた時は
ちょうどアトリエのリフォームの際中で、
空間も訪れる人々も、
すこし緊張しながら時間を過ごしていました。
しかし、不思議なことに花瓶にいけられた花よりも
人々の心を惹きつけおしゃべりにさせるのか、
ミモザを通して会話をする機会が増えたのです。

花がやわらかい時期は光のぬける低い位置に飾り、
ドライになるとすこし日陰の高い場所へ飾り、
距離を楽しみました。

まっすぐに伸びる健やかなミモザも良いけれど、
輪になっていると
さらにあたたかなエネルギーを感じられるもの。

今回は私に送っていただきましたが、
私からは、妊婦の友人やレストランで働く友人など
誰かの思いに応えようと頑張っている人たちに
プレゼントしたいと思いました。

2021-02-16-TUE