グラストンベリー・
内田起久世さんにきく
「本格的なつくりだけれど、
ちゃんとレディース仕様なんです」
輸入アパレル商社であるグラストンベリーで
バイヤー、プロデューサーとして活躍している
内田起久世さん。
フランスのHonnete(オネット)も、
内田さんたちが長く手がけてきたブランドです。
じつはHonneteは、もともと
フランス南西部のトゥールーズ地方で
テキスタイルメーカーとして設立され、
フランス海軍用のウェアをつくっていた会社。
そのいきさつは
以前のインタビューをごらんいただくとして、
今回は、このトレンチコートの魅力について
教えていただくことにしましょう。
Honneteのトレンチコートは、
クラシカルでマニッシュな
ミリタリーのディテールが施されているのが魅力です。
たとえばエポレット(肩章)、
ガンフラップ(右肩から肩にかけての共布)、
スロートラッチ(襟裏に収納されているベルト)。
ディテールが、クラシカルでマニッシュでしょう?
これらはすべて、本格的なミリタリーに
由来するものなんですよ。
とはいえ、わたしたちが展開しているHonneteは
レディースブランドです。
軍もの特有の、タイトで肩肘の張った、
重くて、着るだけで肩が凝る、なんていうのでは、
ちょっと困ってしまいますよね。
シルエットや着心地は、現代の日本の女性たちに
合うものでなくてはいけません。
そこで、全体のシルエットは、
オーバーサイズでトレンド感のあるものにしています。
そうすることで、
ドルマンスリーブのインナーでも楽に着られますし、
たっぷりした袖を
袖口のアームベルトでギュと絞って
シルエットを楽しむ、
なんていうこともこともできます。
オーバーサイズといっても、
肩のラインはスッキリしていますから
ダブルブレスト+マキシ丈のボリューム感がありながら、
全体がシャープな印象になっているんです。
素材は、イタリア・
Olmetex(オルメテックス)社のもの。
1954年に設立されたイタリアのメーカーで、
綿やナイロン、ポリエステルなど
高機能なファブリックを主力としている
世界的な生地メーカーです。
今回使っている素材は、
高密度のコットンナイロンに
PUコーティングをほどこしたギャバジン。
撥水性が高く、しっとり滑らかな質感が特徴です。
ほのかな艶感や程良いこしなど、
絶妙な仕上がりとなっていますよ。
わたしは、スウェットやブルゾンに、
羽織るように着て、スニーカーを合わせたり、
コートの上から、あえてボアのベストを着てみたり。
そんなスポーティーなコーディネートもしています。
もちろん、白シャツやハイゲージのタートルに
デニムなどのトラッドな合わせをして、
スカーフでアクセントをつけたり、
また、春夏には強めのプリントドレスに羽織ったり‥‥。
長年の着用でもくたびれにくく、
3シーズン、デイリーユースで使用することにも
適している生地ですから、
長く、愛用いただけたらと思います。
(談)