1970年うまれの同い年。
「weeksdays」と「ほぼ日」を
愛読してくださっているという
坂井真紀さんをおむかえしました。
坂井さんがずっとほしかったけれど
タイミングをのがして買えなかったという
「ベトナムのかご」のサンプルを使っていただき、
その感想をぜひ、というおはなしから、
じぶんたちの年齢のこと、
似合うものが変わってきたはなし、
からだをつくること、
いまの仕事のこと、
だいじなインプットのこと、
そして子育てのこと。
ふたりのおしゃべり、どうぞおたのしみください。

写真=有賀 傑
スタイリング(坂井真紀)=梅山弘子
ヘアメイク(坂井真紀)=ナライユミ
ヘアメイク(伊藤まさこ)=草場妙子

坂井真紀さんのプロフィール

坂井真紀 さかい・まき

1970年、東京生まれ。俳優。
一女の母。
1990年、三井不動産の
4代目リハウスガールに選ばれる。
1992年にテレビドラマ
「90日間トテナム・パブ」で役者としてデビュー。
以後、多数のドラマ、映画、舞台、バラエティで活躍。
最近ではNHK総合 連続テレビ小説
「おかえりモネ」に出演。

●公式サイト
http://sakaimaki.jp/

その1
同い年って。

伊藤
坂井さんがweeksdaysを
読んでくださっているとききました。
ありがとうございます。
坂井
はい、チェックしています。
年代的なこともあるのか、
自分からネットでの発信を
積極的に取り入れるほうじゃないんですけれど、
「ほぼ日」を見ていると、安心するんです。
伊藤
わぁ。みんな、よろこびますよ。
坂井
それこそステイホームの時は、
伊藤さんが海外にお住まいのみなさんと
オンライン対談をなさったでしょう?
あの記事も熟読しました。
伊藤
うれしいです! 
そういえばわたしも、ずいぶん長く、
インターネットで自分から発信をする、
という場所から遠いところにいました。
でも、12、3年ぐらい前から、
こういうこと(製品をつくったり、紹介したり、
それについてのコンテンツをつくったり)をしたいな、
どこで発表すればいいのかなと思って、
機会をうかがっていたんです。
それで、あるとき「ほぼ日だ!」と思って。
糸井さんが自由にさせてくれる感じや、
「ほぼ日」の社風が、
自分のやってみたいことと、
すごく合っていると思って。
坂井
それで、実際に立ち上げられて、
きちんと更新をなさっていて。
すごいことですよね。
伊藤
4年目になりました。
最初は、毎日、
新製品を発売しようと思っていたんですよ。
そうしたら「それはさすがに難しい」って。
販売の仕組みや、お客様対応のことだけじゃなく、
「毎日、送料がかかっちゃうから、
お客様が困っちゃう」。
つくりたい気持ちを優先しすぎて、
買いたい人の気持ちに
寄り添っていなかったんですね。
坂井
たしかに、そうですね。
伊藤
それで「あ、そっか!」となって、
「1週間のテーマを決めて、発売は週に1日」
となりました。
それで週1の発売に向けて、
コンテンツで盛り上げるという
スタイルをつくったんです。
自分がほしいから提案をして、
コンテンツを書いているのも自分なのに、
写真や動画、対談や取材の原稿、寄稿などが揃って
ページが出来てくると、
自分が真っ先にほしくなっちゃうんです。
「これ、やっぱり買う!」。
坂井
(笑)自分がほしいものを扱う、
ということを、とても大事になさっているから。
伊藤
この歳になると、ほしいものが
若い頃とは明らかに変わってくるわけですよね。
たとえば「洗いざらしの、しわのあるリネンの服」よりも、
ツルっとしたもののほうが似合うようになる。
この年齢の肌にはね。
坂井さんはちがうかもしれないけれど。
坂井
わかりますよー!
伊藤
ほんとう? こう、ザラッとした質感の服って、
若い子の肌じゃないと似合わないんですよね。
だから、若いデザイナーとめぐりあっても、
「weeksdays」で扱うのはなかなか難しいんです。
坂井
なるほど。
伊藤
そうなんです。
いつかは、そういうことができるかしれませんが、
いまは自分の身の丈のものを提案しています。
そんななか、坂井さんが
「ベトナムのかご」に注目してくださっていると聞き、
とても嬉しかったんです。
坂井
はい、服飾スタイリストの梅山弘子さんが
仕事場に持って来ていらしたのを見て、
「いいな、いいな」と。
「買わなきゃ」と思ったんですが、
その時は売り切れでした。
それで再販を待ったんですが、
タイミングが合わなくて買えなかった。
それで「ほぼ日」にメールをしたんですよ、
再々入荷のお問い合せ。
伊藤
えっ、えっ(笑)。
そんな女優さんいますか。
坂井
ふふふ、すごくご丁寧なお返事をいただきました。
伊藤
よかった! 
坂井さんだってわからずに
返信しましたよね、きっと。
坂井
はい、本名で連絡をしていますから。
それで、ベトナムでつくっているので、
入荷を待つしかないとわかりました。
でも梅山さんに会うたび、かごを見て、
「はやく発売しないかなぁ、いいなぁ、いいなぁ」。
伊藤
ありがとうございます(涙)。
そのことをわたしに伝えてくれたのは、
料理雑誌の副編集長をしている女性で、
梅山さんとの共通の友人なんですよ。
「坂井さんがすごく気に入ってくれていて、
でも買えなかったみたい」と。
坂井
そしたら、この対談のお話が来て。
「え? 伊藤さんにも会えるの?!」(笑)。
伊藤
そんな、そんな。逆です(笑)!
ぜひ、サンプルを使っていただいて、
感想をお聞きしたいなと思ったんです。
坂井
ありがとうございます。
とってもお会いしたかったんです。
3日間ぐらい、
伊藤さんの仕事と暮らしを追ってみたいです。
なにを読んだり、なにを見たり、
どんなことをインプットしているのかなって。
「weeksdays」の商品が信用できるのも、
伊藤さんあってのことですから、
知りたくなるんです。
この説得力はどこから来るのか、
だからなにを食べているのか、飲んでいるのか、
知りたくなるんですよ(笑)。
伊藤
そんなあ。
わたしこそ、坂井さんに会えるって、
キャッキャしましたよ! 
坂井さんとわたしは、同世代ですよね。
わたしは1970年2月9日うまれ。
坂井
同い年です。
わたしは1970年5月17日うまれですから、
学年は伊藤さんがひとつ先輩になるんですけれど。
でも、伊藤さんの落ち着きと目利き感で、
勝手に、自分より絶対‥‥(笑)。
伊藤
姉さんだと思ってた?
坂井
姉さんだと思ってました、
ごめんなさい(笑)。
伊藤
えばってるからね(笑)。
坂井
逆に自分の成長してなさが
恥ずかしくなっちゃう。
伊藤
いえいえ! 
なんか同い年って、すごく‥‥。
坂井
安心ですよね。
伊藤
うんうん。
同じ時代を生きてきたとか、
それぞれ子育てを経験しているとかね。
(つづきます)
2021-07-30-FRI