1970年うまれの同い年。
「weeksdays」と「ほぼ日」を
愛読してくださっているという
坂井真紀さんをおむかえしました。
坂井さんがずっとほしかったけれど
タイミングをのがして買えなかったという
「ベトナムのかご」のサンプルを使っていただき、
その感想をぜひ、というおはなしから、
じぶんたちの年齢のこと、
似合うものが変わってきたはなし、
からだをつくること、
いまの仕事のこと、
だいじなインプットのこと、
そして子育てのこと。
ふたりのおしゃべり、どうぞおたのしみください。

写真=有賀 傑
スタイリング(坂井真紀)=梅山弘子
ヘアメイク(坂井真紀)=ナライユミ
ヘアメイク(伊藤まさこ)=草場妙子

坂井真紀さんのプロフィール

坂井真紀 さかい・まき

1970年、東京生まれ。俳優。
一女の母。
1990年、三井不動産の
4代目リハウスガールに選ばれる。
1992年にテレビドラマ
「90日間トテナム・パブ」で役者としてデビュー。
以後、多数のドラマ、映画、舞台、バラエティで活躍。
最近ではNHK総合 連続テレビ小説
「おかえりモネ」に出演。

●公式サイト
http://sakaimaki.jp/

その2
アイデア会議。

伊藤
坂井さんは「ベトナムのかご」の
どういうところを
気に入ってくださったんですか?
坂井
伊藤さんが高さや大きさを
考えられたっていうところですよ。
絶対、いいはず! と思って。
原型があったと聞きますが、
最初の出会いはどんなことだったんですか。
伊藤
ベトナムに初めて行った25年ぐらい前、
市場でこれの原型のようなかごを見たんです。
それは余ったカラーテープを使って編んでいたので、
すっごくカラフルで、
同じ色の組み合わせがふたつとなかった。
わたしはその時、それには目もくれず、
自然素材のかごを探していたんですね。
ところが、ベトナムにはそういうかごを
全然売っていなくて。
聞くと、湿度が高過ぎて、
自然素材のものはすぐカビちゃうんですって。
だからプラスチックのかごは、
気候に合って生まれたものだとわかりました。
そこから愛着がわいたんです。
「weeksdays」のこのプロジェクトは、
ベトナムのホーチミンに住んで仕事をしている
田中博子さんにディレクションをお願いして、
進めることができました。
白のかごを最初に作ったんですが、
再発売のたびに色を足して、
だんだん増えていったんです。
坂井
ふうむ。
伊藤
完売すると追加生産と新色を依頼するんですが。
ベトナムもどんどん変化をしていて。
外国資本が入ってきているから、
工場で働く人たちが
より良い条件のところに転職して、
人手が足りなくなり生産性がおちたり、
編み手を辞める人が出てきたり、
工場そのものがなくなってしまったり‥‥。
町に近い工場ほどその影響が大きくて、
そのたびに、田中さんが、
別の町に探しに行ってくれるんです。
再生産でつくる工場がかわることもあるので、
かたちは一緒でも、微妙に色が違うとか、
そういうことが起きます。
「赤」も、以前はくっきりした明るい赤でしたが、
今回の販売ではおちついた赤になりました。
坂井
最初につくるとき、
伊藤さんが大事にしたのは、
どんなことでしたか。
伊藤
自立して(倒れずにまっすぐ立つ)、
口も底も広く、使わないときは重ねて
入れ子で収納できることですね。
自分がスタイリストだということが
この形に影響していると思います。
物をたくさん持って移動するからですね。
坂井
このかご、
おうちで収納として使うのもいいですよね。
伊藤
そうそう! 
坂井さんなら、どうやって使いますか?
坂井
まず、タオル、でしょうか。
ブランケットも。
あとは、車でものを運ぶときですね。
今、子どもが小学生なので、
なんだかんだ車での移動が多いんです、
後ろの席にいろんな飲み物や着替えを積むのに、
このかごはとても便利です。
載せやすくて、取り出しやすく、
安定感もありますよね。
伊藤
これがそのまま大きな
クローゼットの引き出しみたいな感じですよね。
引き出しをそのまま動かせるみたいな。
坂井
そう! 
スーパーマーケットに行くのにもいいですよ。
伊藤
そうなんですよ! 
けっこう重いものを入れても大丈夫。
坂井
やっぱりベトナムの人も、
生活の一部分として使っているんですよね。
伊藤
そうなんです。
おじちゃんとか、おばちゃんとか、
ボロボロになっても使っていますよ。
自然素材の国でも、たとえばフランスで、
おじさんがマルシェかごのボロボロのを
持っていたりしますが、
同じことなんじゃないかな。
生活の道具。
そうだ、使い方としては、オフィスでも。
坂井
オフィス?
伊藤
たとえば「ほぼ日」は今、フリーアドレスなんですって。
決まった机がないので、朝、自分のロッカーに行って
その日に使う仕事の道具を持って
「今日の居場所」まで運ぶんだそうです。
このかごは、社内の移動に便利だと、
使っている人が多いんですよ。
坂井
そうなんですね!
伊藤
そう。何が入っているの? って訊いたら、
ノートパソコンにケーブルやコネクタ類、
その日の資料、お財布とカードキーと携帯、
化粧ポーチ、そんな感じでした。
たしかに、わたしも外で仕事の時は、
パソコンや資料を入れて、車で移動します。
ほんと、机の大きな引き出しを
ひとつ持っていくみたいな感じ。
坂井
へぇぇ。
伊藤
「ほぼ日」に行って、使っている人を見ると
「ありがとうございます」って言うんです。
「今度、黒も出ますから!」って営業したり(笑)。
「ほぼ日」社内で使ってくださっているのは
ほとんどが女性なんですけれど、
黒いのができたら男性にも持ってほしいな。
坂井
ああ! たしかに、カッコイイですね。
これを持っている男子って。
伊藤
ランドリーかごにしてもいいかなと思う。
坂井
持ってこいですね。
きっと、プレゼントにもいいですよね。
伊藤
男子にプレゼント? なるほど!
シャツとかを入れて
クリーニング屋さんに持って行ったりとか、
いいかもしれないですね。
ふふふ、そういう男性客も取り込もう!
坂井
(笑)伊藤さんは、
おうちでは、どういうふうに置かれてるんですか。
なにも入れていないときは、重ねて?
伊藤
はい。白も赤も持っているんですが、
使わない時は、重ねて、納戸に仕舞っています。
坂井
そう、重ねられるのがいいんです。
このかごは、
さらに変化していく予定はあるんですか。
伊藤
色だけじゃなく、形ですよね。
いま、大・小・ミニの3つは、
いいバランスだと思うんですけれど、
逆に、坂井さん、使ってみて、
「こういうサイズがあったらいいのに」
と思ったりしましたか?
坂井
言ってもいいですか?! 
あの‥‥もっとちっちゃいのが欲しいです。
伊藤
どのくらい、ちっちゃいんだろう。
「ミニ」の内側にもう1個入るくらい? 
もっとかなぁ?
坂井
この子(「ミニ」)を仕事に行く時に持って、
その中に、さらに1個入れたいんですよ、
うんとちっちゃいのを。
そうですね‥‥ほんとに、
長財布と携帯が入ればいいんです。
それだけ持っていれば、
(楽屋を出て)買い物に行けるような。
伊藤
それ、かわいいかも! 
「真紀モデル」、できるかも? 
坂井
ほんとですか。
伊藤
もしかしたら「ミニ」の短辺が、
長辺になるくらいでも
いいかもしれないですね。
坂井
わぁ、それ、すごくいいかも!
伊藤
で、深さは、もうちょっと浅くて。
このかごのヘビーユーザーである
梅山さん(坂井真紀さんのスタイリスト)は
ほかにどんなサイズがあったらいいと思いますか。
梅山
「現場バッグ」として
ガムテープやお裁縫箱を入れたいんです。
そうすると「ミニ」でもちょっと大きすぎて。
伊藤
ああ、なるほど。
梅山
「ちょっと小さめ」があったら、
現場でも持ち歩くと思うんです。
伊藤
分かりました、
おふたりのリクエストは2サイズ、
「ミニ」のひとまわり小さいものと、
超スモールの「真紀モデル」ですね。
考えます! 
ああ、こういうことなんですよね。
雑談の中からものが生まれる。
ステイホーム中、みんなで会っての
ミーティングができなかったんです。
ワイワイ、キャッキャ、みたいな、
ただのおしゃべりに見えるような中から、
生まれるものって、「weeksdays」は多いんです。
いろんなヒントが出てくる。
坂井
そうなんですね。
参加できてうれしいな。
(つづきます)
2021-07-31-SAT