1970年うまれの同い年。
「weeksdays」と「ほぼ日」を
愛読してくださっているという
坂井真紀さんをおむかえしました。
坂井さんがずっとほしかったけれど
タイミングをのがして買えなかったという
「ベトナムのかご」のサンプルを使っていただき、
その感想をぜひ、というおはなしから、
じぶんたちの年齢のこと、
似合うものが変わってきたはなし、
からだをつくること、
いまの仕事のこと、
だいじなインプットのこと、
そして子育てのこと。
ふたりのおしゃべり、どうぞおたのしみください。
写真=有賀 傑
スタイリング(坂井真紀)=梅山弘子
ヘアメイク(坂井真紀)=ナライユミ
ヘアメイク(伊藤まさこ)=草場妙子
坂井真紀さんのプロフィール
坂井真紀
1970年、東京生まれ。俳優。
一女の母。
1990年、三井不動産の
4代目リハウスガールに選ばれる。
1992年にテレビドラマ
「90日間トテナム・パブ」で役者としてデビュー。
以後、多数のドラマ、映画、舞台、バラエティで活躍。
最近ではNHK総合 連続テレビ小説
「おかえりモネ」に出演。
●公式サイト
http://sakaimaki.jp/
その7後にしようボックス。
- 坂井
- 伊藤さんは、インプットみたいなものって
どんなふうになさっているんですか。
- 伊藤
- 今です! 今、してますよ(笑)!
- 坂井
- (笑)対談のお仕事もインプット。
- 伊藤
- そうですよ! インプットです。
あとは本。好きで、自分でも買いますし、
仕事柄、いただくことも多いんです。
そういう時は、すぐに読んで、
感想のお手紙を出します。
読み終わったら、ともだちや仕事の仲間に
「これ読むといいよ?」って薦めたり。
- 坂井
- わたし、伊藤さんの秘密、分かっちゃった。
- 伊藤
- えっ、えっ?!
- 坂井
- 「後にしよう」は、ない。
そうじゃないですか?
- 伊藤
- うーん、ない。
今やっちゃう。
- 坂井
- わたしなんて「後にしよう」ばっかり(笑)!
- 伊藤
- それはそれで、その人の味わいだし、
かわいいところですよ?
- 坂井
- ううん、そんなことないです。
心の中に「後にしようボックス」
みたいなものがあって、
「これ、やんなきゃ」
っていうことを入れちゃうんです。
それが溜まっていっちゃう。
わたしが思うに、仕事が早い、できる方って、
「後にしようボックス」なんて
持っていないんですよ。
すぐやってしまうから。
だからそれこそ、
今年、わたし、決めたんですよ、
小っちゃなことだけれども、
領収書を溜めずに、その日のうちに分類する。
それを始めただけで、
自分がちょっとだけ
変われた気がしているんです(笑)。
- 伊藤
- そのことについて考えたことがあるんです。
あのね、「時間は同じ」なんですよ。
今やろうが、後でやろうが。
- 坂井
- そう、そう!
でもね、それができない‥‥。
本読むのが早いこともそうですが、
すぐにはマネできそうにないです。
本は、そんなふうに循環させることで
おそらく家の中を
すっきりさせているんだと思いますが、
自分の持ちものは、どういったサイクルなんですか。
いらなくなったとき、入れ替えは?
- 伊藤
- 激しいですよー。
- 坂井
- 激しいですか。
- 伊藤
- 服は気に入っていたけれど、
似合わないなと感じたら、
すぐに年下の友人たちにあげちゃう。
でもくやしいの、
みんながかわいく着てると、
「やっぱり、返して」みたいな気分になる。
冗談で言ったりもします、
「返して~」(笑)。
- 坂井
- (笑)。
- 伊藤
- 「weeksdays」を始めてからは、
ここで売る物は、全部自分で買って、
使ったり、着てみないと書けない。
そういう使命感があるので、
必然的に買い物が多くなるんです。
- 坂井
- 伊藤さんは、決断も早そうですね。
- 伊藤
- 早いかもしれない。
たとえば「weeksdays」のミーティングは、
みんなで集まる時間を週に1回、
1時間取っているんです。
日々、メールやLINEで確認したりもするけれど、
みんなで話したほうがいいことを持ち寄るんですね。
直近のことだけじゃなく、
商品開発は1年以上先までしてるので、
決めることも多いんですよ。
サンプルをひとつつくるのでも、
素材はどれに、色はどうしたい、
そういうことがリストになっていて、
1時間のあいだに、
たくさん決めないといけないことがある。
ただ、判断は早いんですけれど、
あまりにいっぱい案件があると、
あたまがショートするらしく、
「ごめん、もう考えられない」ってなる。
- 坂井
- どうするんですか。
- 伊藤
- 「いま冷静じゃないから、考えるのをやめて、
明日の朝、返事をするね」と。
- 坂井
- あはは! なるほど。
- 伊藤
- それで翌朝起きて、いちばんにメール。
- 坂井
- 素晴らしい。
- 伊藤
- そんな日は家に帰ってぼんやり考えたりもして、
娘に意見をもとめたりもしますよ。
そうすると「そっか!」と思えるような、
別のちょっとしたインプットがあって、
結論が出ることもあります。
娘の存在、ありがたいですよ。
- 坂井
- なるほど。
お酒もお好きと聞きましたが、
毎日飲まれますか?
- 伊藤
- 毎日飲みます。
- 坂井
- 飲んだら、もう、仕事をしませんよね?
- 伊藤
- 絶対、しない!
- 坂井
- さすが(笑)。
- 伊藤
- 坂井さんのインプットは?
- 坂井
- この10年くらいは、子育てがおもしろくて。
もう一回、自分の新たなもう一つの人生をやっている感じが
おもしろかった。それがインプットでしたが、
10歳になって、次の段階に入ったと感じ、
今は、映画を見たり、
本を読んだりする時間をつくってます。
ずっとその暇がなかったんです。
(つづきます)
2021-08-05-THU