REPORT

鋼正堂のうつわ、
あのひとのつかいかた。
[その4]料理を盛るだけじゃなく。
ダンディゾン/fève オーナー 
引田かおりさん 後編

内田鋼一さんと伊藤まさこさんが立ち上げた
うつわのブランド「鋼正堂」(こうせいどう)。
今回は、吉祥寺にギャラリー「fève(フェブ)」と
パン屋さん「Dans Dix ans(ダンディゾン)」を
やっている、引田かおりさんです。
もともと鋼正堂のファンだという引田さん、
おうちで、どんなふうに使われているのでしょう?

(取材・文=伊藤まさこ 写真=有賀傑)

引田かおりさんのプロフィール



ひきた・かおり

「吉祥寺においしいパン屋をつくりたい」
という思いを実現すべく、
夫であるターセン氏の退職をきっかけに、
2003年に「Dans Dix ans」を夫妻で開業。
同じ建物の2階には、引田夫妻が
「素敵だと感じるもの」を紹介するギャラリー
「fève」を同時にオープンさせた。
近著に『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社)がある。


新しく家にやってきた器は、
すぐにしまわず、
まずは目につくところに置いて、
その姿を愛でるというかおりさん。

うかがったこの日は、
これから撮影をする
鋼正堂の器をずらりと並べて待機中。
最近、買ったという
アアルトのペールグレーの半円テーブルに、
白い器がよく合います。

「こうして眺めながら、
どんな風に使おうかな? と考えるの」

いつ来ても掃除が行き届いていて、
清々しい空気を放つ引田家。

ふと玄関に目をやると、
なんとそこには鋼正堂の耐熱皿が!?

「耐熱皿に、炊いたお香のパッケージを置いておくと、
あらいい香りね! なんて言ってくれたお客様にも
どんなものを使っているか分かるでしょう?」

なるほど。
このホスピタリティ、さすがかおりさんです。

耐熱皿を「料理を盛る器」として使わないところも新鮮。
そうか、自由に使ったらそれだけ用途も広がるってこと。
器もきっと喜んでる。

「アクセサリーも、買ってきてすぐは眺めていたいから、
引き出しの上にお皿を置いて、そこに並べます」

右はお母様から譲り受けたという指輪を
リメイクしたもの。
左は貝のボタンのネックレス。

「昔ながらの立て爪だったんですが、
それだとつけないな、と思ってネックレスにしました」

耐熱皿の使い方もしかりですが、
使うものや身につけるものを、
自分仕様に変えるその自由さ。
(ちなみにsaquiのパンツのリボンも「取っちゃった!」とおっしゃっていました。)
気分よく暮らすかおりさん、見習いたいものです。

2021-08-25-WED