伊藤まさこさんが考えていた、
「こんな下着があったらいいのにな」という思い。
ではどこで‥‥? と考えたとき、
藤井志織さんがコラボした「KEnTe」の下着を知り、
買ってつけてみたところ、これはよし! 
「KEnTe」なら、頭に思い描いていたものを
つくっていただけそう‥‥と、
「weeksdays」のレースの下着プロジェクトが
スタートしました。
藤井さん、そして
「KEnTe」のみなさんに加わっていただき、
チームが考えたコンセプトが「ラクでかわいくて、
持っていて気持ちが上がる下着」ということ。
そうして、ブラレットとショーツ、
セットアップでつけていただけるアイテムがうまれました。
開発にかかわった3人のトーク、
できあがるまでをふりかえりながら、
「女性と下着」についての深い考察がすすみました。
キーワードは「幸せ」です!

藤井志織さんのプロフィール

藤井志織 ふじい・しおり

編集ライター。
雑誌、書籍、WEBなどで編集や取材、執筆を行うほか、
イベントの企画やディレクションを行うことも。
料理からインテリア、ファッションまで、
垣根なく繋げていきたいと考えている。
担当した書籍に、
重信初江著『昔ながらのおかず』
草場妙子著
『TODAY’S MAKE BOOK 今日のメイクは?』
オカズデザイン著『マリネ』
ウー・ウェン著『100gで作る北京小麦粉料理』
小堀紀代美著『ライクライクキッチンの旅する味』
などがある。

榎本由花さんのプロフィール

榎本由花 えのもと・ゆか

KEnTeプレス。
株式会社RAVIJOUR所属。
文化服装学院卒業後、20年以上、
アパレル/ランジェリーの製造・デザインに携わる。
現在はKEnTeのPRを担当。

●KEnTe Online Store

西山まりさんのプロフィール

西山まり にしやま・まり

KEnTeディレクター/デザイナー。
2005年よりランジェリーのデザインを始めた後、
2019年よりKEnTeの
ディレクション/デザインを手がけている。
「身体に寄り添う、心地よい、
今までにないランジェリーの商品開発をしています」

●KEnTe Online Store

その3
自分のために。

藤井
ホント、かわいくないですか? 下着って。
伊藤
かわいい! けど、わたしは、
引き出し見るだけでいいかな(笑)。
でも下着の話をするのはすごく好きですよ。
藤井
そう! そういう話ができる人が増えた気がします。
前はあんまり下着の話のできる人が少なかった。
それが最近、インスタに載せるのも、
以前に比べてはばかられることがなくなって。
「つくりました」って載せたときは、
男性陣からは「いいね! が、できない」
とDMをもらいましたよ。
やっていることはいいって思うんだけど、って。
男性のみなさん、そんな気をつかわず、
「いいね!」してくれていいのにな。
アイテムとしてこれかわいくない? みたいなことで、
洋服を載せるのと一緒の感覚の人が、
女性には、最近、すごく増えたなと思います。
伊藤
フランスの人とか、旦那さんや恋人が
一緒に下着を買いに来ていますよね。
試着室をのぞいて「あ、いいね」みたいな。
そういうのって、わたしたちには、ないものね。
藤井
デパートの下着売場も、長らく、
必要品を買う、みたいなイメージでしたものね。
高いものは高いもので、
強めのラグジュアリー感があったり。
伊藤
わたしは海外の通販サイトで、
下着のセレクトショップを使ってました。
藤井
教えていただきましたね。
商品も見せ方もかわいいですよね。
伊藤
そんなやりとりをしているなかで、
「ブラレット、いいね」という話になって。
流行りはじめているんじゃない? って。
藤井
ワイヤーもパットもついていないから、
締め付け感がなくって着心地がいいんです。
バストラインをキレイに見せるし、
ちらっと見えても大丈夫。いいですよね。
‥‥と、つくりはじめたんですが、
意外にたいへんでした。

 

西山さんのコメント



何回も何回も、
胸のところの生地の重ね方を検討して、
試作をくりかえしましたね。

伊藤
結果、こういったレースの下着は、
セクシーになっちゃうことがあるけれど、
できあがったものは「KEnTe」ならではの
「さっぱり、かわいい」ものになりました。
ブラレットと、セットアップのショーツ、
きれいにまとまりましたね。
「KEnTe」さんのラインナップには
ショーツの股上が浅いものもあるんですが、
わたしたちが一緒につくったものは、股上が深いんです。
それがいい。
セットアップで着ると、
ボディスーツみたいに見えますね。

 

西山さんのコメント



ショーツに関しては、
ハイウエストの2種類(レース2種)が
ありますが、どちらとも、
程よいレースの透け感と身体に沿う心地よい履き心地、
響きにくさを実現したデザインになっています。
前身頃にはレースの下にチュールを重ねており、
程よい透け感です。
マチ部分には肌あたりの優しい
シルク100%の生地を使用しています。
ハイウエストで、
腰位置が高めに見える分、足長効果も期待できます。
程よい透け感で軽い見た目なので、
ハイウエスト未経験な方にもおすすめです。

藤井
おなか、ほぼ、あかない。
伊藤
かわいいですよね。
──
これは「weeksdays」のオリジナルですね。
伊藤
はい、オリジナルです。
自分が着て気分が上がるものがつくれて、
よかったなと思ってます。
藤井
でもね、ブラレット、
私が持っていた別のブランドのものは、
薄いレースだけのものだったんです。
それは着ることで
とても気分の上がるものなのだけれど、
機能的ではなかった。
ちょっと、自己満足だったんですね。
伊藤
うん、でも、そういうものって、かわいいよね。
藤井
ええ、そう思っていたんだけれど、
今回のサンプルができあがって
試着したときにおどろいたんです。
気分が上がるだけじゃなく、機能的だって。
動いても胸がずれない。安定するんですよ。
ブラレットって、胸の下に
ぐるりとした部分があることが、
すごく大事なんだってわかりました。
榎本
アンダーのレースの部分ですね。
藤井
はい、レースの下着なのに、ちゃんと機能的って、
なかなかないことだったんですよ。
レースにストレッチがきいていることが、
機能性を高めていますよね。
榎本
よかったです、ありがとうございます。

 

西山さんのコメント



レースの生地は平面なので、
身体のカーブラインに沿わせるためには、
裁断する時のパターン(バストの立体感だったり、
ゴムをレースにつける部分)で、
全てのカーブラインが身体に沿う様、
立体感をださなければならないんです。
そのため、全体のバランスを見ながら、
パターンのラインをmm単位で調整したり、
レース生地のいせ込み分量を調整することで立体的に、
自然に身体のラインに沿うように仕上げています。
プラス、ランジェリーの端にある
レースのスカラップを出す事で、
アウターに響きづらく、
かつ、繊細な雰囲気も演出しています。
レースの柄を生かした、シンプルなデザインだからこそ、
シルエットをこまかく考えながら
パターンを作成していきました。

(つづきます)
2022-02-22-TUE