REPORT

Trench Coat Olmetex Gabardine
あのひとのコーディネート。その2
志賀朋子さん

エポレット(肩章)や
ガンフラップ(右肩から肩にかけての共布)、
スロートラッチ(襟裏に収納されているベルト)など
クラシカルでマニッシュなミリタリーのディテール。
なのに、全体のフォルムは新しい、
Honnete(オネット)のトレンチコート、
ことしの新色を、ふたりのかたに着ていただきました!

(取材・文=伊藤まさこ)

志賀朋子さんのプロフィール

しが・ともこ
都内在住。夏の間は軽井沢で過ごす。
趣味や習い事で毎日アクティブに暮らしている。
ファッションと旅行が大好き。


このコンテンツにご登場いただいた須永理世さんに、
トレンチコートが似合いそうな方、
どなたかご存知ないですか? と相談を持ちかけたところ、
「お客様でとってもすてきな方がいらっしゃるんです!」
と真っ先に候補に上がったのが、
志賀朋子さんです。

理世さんが推薦してくださるのなら‥‥
とお会いするのをとても楽しみにしていた私たち。
撮影当日、カメラの前に、
さっそうと現れた志賀さんのお姿に、
「おおー!」と一同どよめき。

「写真は苦手」とおっしゃいますが、
スックとした立ち姿のなんとかっこいいこと。

襟を少し立ち上げたり、
袖口をほんの少したくし上げたり‥‥と、
コートをすっかりご自分のものにされています。

「ネイビーは着慣れた色だから、
袖を通した瞬間からしっくりきました」。

中に合わせたニットは、
あえてボタンを外してカジュアルダウン。

「デザインがおもしろくて崩せる余裕のある服が好き。
私ね、服はまともに着ないのよ」

と志賀さん。
ボタンの間からチラリと覗く首元の肌の見せ方も絶妙です。

ニットは、気に入りのブランドのもので、
なんとメンズ! 
しなやかなカシミヤは、
見るだけで気持ちよさそうです。

「一度、好きになった服は長い間着る」という志賀さん。
少し高いかな‥‥とためらう値段でも、
10年、20年と着るから、
それを考えると安い買い物になるんですって。なるほど。

買い物の失敗などはしないのですか? と尋ねると、
「買って家で着てみて、あれ? と思うことはあるけれど、
そういう場合は何年か寝かせるの。
そうすると熟成されて、
いつかしっくりと着られる日がやってくるのよ」

アクセサリーは、
ジョージジェンセン
小さなバッグも、少しヒールのある靴も、
コートのコーディネートに一役買っていますが、
何よりもすごいのは、そのスタイル。
体重は毎日測り、
少し増えたら元に戻すようにしているのだとか。

「1キロ、2キロ増えただけならすぐに戻せるでしょ?」

ジムにもエステに行ってないのだそう。

この日はなんと、ノーファンデーション。
日焼けも気にされないとか。

「だって夏は焼けるのが自然だから」

でもその代わりに、
化粧水やウォータースプレーは忘れずに。
日頃の心がけが美しさの秘訣なのかな。

ベージュは普段あまり着ないという志賀さんですが、
ネイビー同様こちらもまるでご自分の服のように
馴染んでいます。

トレンチに合わせたのは、
ファーのバッグ。

「これも20年選手。かわいい! と思って買ったけれど、
何にも入らないの。だからアクセサリーね」

トレンチとファーバッグ、髪の色が同じトーン。
デニムとの相性もぴったりです。

お好きなバッグやアクセサリーを目立たせるために、
服はベーシックに。抑え目に。

朱色のインナーはフレンチスリーブ。
これもずっと大切に着ているものだとか。

「一枚だけでは着られないから、最近は中に着る用。
ジャケット着る時、袖があるともたついちゃうでしょ、
それがいやで」

コーディネートの理由をひとつひとつ尋ねると、
淀みなく明確な答えが返ってくる。
これはお洒落に年季が入っていないとできないことです。

お年をうかがうと、70代半ばという驚きのお答えが。
二人のお嬢さんは、
お母様のおさがりを心待ちにしているとか。
一緒にお買い物に行くこともしょっちゅうなんですって。
こんなかっこいいママ、羨ましいなぁ。

2022-03-02-WED