マルシェかご
「仕入れウイーク」である今週の「weeksdays」。
長いこと、伊藤さんが使い続けてきたものを、
紹介したいと思います。
きょうは「マルシェかご」です。
はじめて行ったパリでとても印象的だったのは、
エッフェル塔でもなく、
おしゃれなパリジェンヌでもなく、
マルシェで見かけたパリの人たちの買いもの風景でした。
肉屋に八百屋、チーズ屋、パン屋‥‥
ずらりと並ぶ店の中に、
どうやらそれぞれの行きつけがあるらしく、
店の人とは顔馴染み。
くだものの匂いをかいで熟成具合をたしかめたり、
店の人におすすめの調理法をたずねたり。
おいしいもののためならば行列もなんのその。
パリの人たちはなんて食いしん坊なのだろう!
その中で、私の目を引いたのが
おじいちゃんが持っていた買いものかご。
持ち手はボロボロ、底の部分もやや擦り切れていて、
いったい何年使っているんだろう?
という年季の入った代物。
でも目を凝らしてよーく見ると、
持ち手に縫い跡がある。
そうか、大事に大事に使っているものなんだ!
そのおじいちゃん、
まわりにたがわぬ食いしん坊らしく、
あちらこちらで買い物してまわり、
かごをパンパンにして満足気。
一人で買い物にきていたけれど、
家にはおばあちゃんが待っているのかしら?
帰りがけ、マルシェの近くの荒物屋で見つけたのが、
さっきのおじいちゃんが持っていたようなかご。
大事に抱えて持って帰り、
買いもののおともはもちろん、
洗いたてのリネンを入れたり、
ピクニックに持って行ったりしたものでした。
weeksdaysでは、それよりもやや小ぶりのものと、
それよりもさらにひとまわり小さなもの、
2種類のかごを紹介します。
大きな方は、買いものかごとしてはもちろん、
根菜を入れて台所の床に置いたり、
ランドリー入れにしたり。
今だったらマフラーや手袋など、ぬくぬくしたものを入れて
クローゼットの整理にしてもいいし、
夏は、これを持って海なんかに行ってもいいなぁ。
夢は広がります。
小さな方は、こんな風にいただきもののりんごを入れて、
近くに住む友人へ、かごごとおすそ分け。
そうそう、その後その友人の家に遊びに行ったら、
子どもたちのおもちゃ入れになっていて、
なんだかうれしかった。
お姉ちゃんの方は、時々、買いものの時に、
お母さんを真似て
このかごを持って行くんですって。
いつか、
パリのおじいちゃんのかごみたいに、
「ぼろぼろになっても大切」みたいになるといいなぁ。
(伊藤まさこ)