田中真理子さんと
ちいさな革のトートバッグ
「あの人が持ったら、どんなだろう?」
できあがったばかりのシルバーバッグを、
編集者の田中真理子さんに持っていただきました。
伊藤まさこさんにとって、
おしゃれの大先輩だという田中さん、
どんなふうにコーディネートするのでしょう?
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田中真理子(たなか・まりこ)
フリー編集者・ライター。
伊藤まさこさんとは集英社LEE編集部在籍中に知り合い、
その仕事っぷりのよさに惚れ続けているひとり。
2019年1月に、プライベートで長年通ったハワイの旅行記
『大人心の、気ままなハワイ』(小石川書館)を出版予定。
おしゃれな人の定義は、
流行りに敏感とか、スタイルがいいとか、
そういうことではなくて、
なにより一番は
「自分に似合うものをよく知っていること」なのだと思う。
編集者の田中真理子さんとは
15年以上前からの知り合いですが、
その当時からずっと、ご自分にぴったりな
「真理子スタイル」を築いてらっしゃる。
まっ赤な丸襟のシャツとか、
だぼっとしたパンツとか。
おおっ! という新鮮な色づかいや、
私には着こなせなさそうな形の服をさらりと着こなす。
私のずっと先を歩くおしゃれのセンパイです。
「自分の持ってるバッグのほとんどが四角」
とおっしゃる真理子さん。
「しかも縦横の比率はだんぜん横長で、
ファスナーや蓋つきはほとんどなし。
色や素材は、様々なんだけど、
そこが共通しているところかな。
トートの延長でえらんでいるのかも。
だから、このバッグも最初見たときに、
いいなって思ったんだ」
古着のネイビーのニットに、
白いコットンのギャザースカート。
首元にはショッキングピンクのマフラー。
シルバーのバッグをお届けしてまだ間もないというのに、
もう完全にご自分のものにされているではありませんか。
「シルバーもいい。ピカピカしてないから、
グレーに近い感覚で持てて、白より私にはなじむと思う。
横長好きの私にもこのバッグの縦横比率は新鮮です」
でも、ですね、と真理子さん。
「口がしまらない分、たしかに緊張感もある。
持ちやすいか、っていうと
もっと持ちやすいものはあるかもしれない。
安全かというと、もっと安全なものはあるかもしれない。
いろんな場面に使えるか、というと、
A4サイズの書類は、とび出ちゃいますしね。
でも、そういうのは持ってるし、
このバッグ、他のバッグが持っていないものを
持ってますから、それでいいんです」
そうそう、私もひとつのバッグにすべての要素は求めない。
かわいければいいんじゃないの。
持っていてうれしければ、それでいい。
分かってくれて、うれしいなぁ。
「新鮮とか緊張感って、おしゃれにはとても大事。
持つと気分が上がるもの、着ると気分があがるもの、
そういうものを一つは身につけていたいです」
この日、散歩がてら真理子さんと近くの公園に行きました。
ネイビーのちょっとごわっとした
厚手のコットンのコートと、
足元はコム デ ギャルソンとドクターマーチンが
コラボレートしたという黒いごつめのタッセルつきの靴。
バッグの中を見せていただくと‥‥
わー、かわいい。
黄色いマフラー、ピンクの携帯カバーとエコバッグ。
「マフラーとか手袋とか、
冬の小物は派手めなものが多いので
そういうのを上にちょこんと乗せて見せられるのも、
うれしいです。
このバッグ、東京の街の今年の冬のお出かけ用になりそう」
なんてうれしいお言葉をいただきましたよ。
(伊藤まさこ)