REPORT

ロロスツイードのこと。

ノルウェーでつくられているロロスツイード。
その歴史と品質について、紹介します。

ノルウェー中部のロロス村。
海抜600メートル、冬はマイナス40度にもなるという
世界遺産としても知られる小さな村で、
「ロロスツイード」はつくられています。

無農薬の牧草で育つ羊の新毛(ニューウール)をつかい、
北欧で唯一、国内で紡績(糸づくり)をしている
関連会社のラウマ社とともに、
染織、機織りまでの製品化の工程を
グループ内で一貫しておこなっているロロスツイード。
その織物づくりの歴史は、
18世紀にまでさかのぼります。

ロロス村はもともと銅鉱山の町として
1644年から333年にわたって栄えてきました。
そんななか、18世紀に、鉱山管理者のヒョルト氏が、
まずしかった村の人々のための基金を設立。
それをもとでに、村人たちは
ウールなどの手織りの仕事をはじめます。
それが伝統的に受け継がれてゆき、
個人宅での手織り仕事をグループ化して、
まとまった販売所をもうけるというかたちで、
1938年にロロスツイード社が誕生しました。
そして1952年には織機を使っての工業生産を開始。
そうして現在のような、世界的に評価される
ロロスツイードがつくられるようになったのでした。

▲ノルウェーにあるロロスツイードの工房

原毛は「ノルウェージャン・ホワイトシープ」から。
無農薬の牧草を食べて育った
健康な羊たちから、春に刈り取った毛をつかいます。
この羊毛のいいところは、
水に強く、かつ、繊維の回復力が高いこと、
そして柔らかさも兼ね備えていることです。
織り上げた生地は、お風呂くらいの温度のお湯で洗浄、
乾燥ののちスチームとブラッシングを繰り返して、
ふんわりと起毛させることで、
ほどよいボリューム感がありながら、弾力性にとみ、
防寒・保温性ばつぐんのツイードがうまれます。

ロロスツイードの魅力は、品質だけでなく、
そのデザインにもあります。
ブランケットなど製品のデザインは、
基本的に社内のデザインチームが行ないますが、
ノルウェーを代表するような芸術家たちとの
コラボレーションも数多く手がけています。
もちろん、長く愛されている定番的なデザインもあります。
品質そして色とデザインのよさ。
これは、冬がながく厳しいノルウェイで、
家の中でたのしくあかるく暮らしたいという
ひとびとの気持ちから、来ているのかもしれません。

▲「ヴィンタースコッグ」(Vinterskog)という
ロロスツイードを代表する「もみの木」柄。

2018-12-10-MON