杉工場の小ひきだしと鏡
わたしの使い方
伊藤まさこ
伊藤さんが持っていた
日本の古道具のかたちをもとに、
福岡のうきは市・日野にある「杉工場」に製作を依頼した
「weeksdays」の「小ひきだし」、
そして、その打ち合わせで工場をおとずれたときに
「あったらいいな」というアイデアから生まれた、鏡。
このふたつのアイテムの、久しぶりの再販にあわせて、
伊藤さんの「このごろの使い方」をおききしました。
4回連載でお届けします。
(写真・文=伊藤まさこ)
1・分類をする
最近、わたしの中で古い器が再加熱。
骨董屋巡りをしたり、
骨董市に行って、
(時にはインスタショッピングも)
気に入りを見つけてはホクホクしています。
古い器のいいところは、
長い年月を過ごしてきただけあって、
味わいが増しているところ。
だからかな、
「はじめまして」という感じがなく、
もともとあった器とすぐに馴染むんです。
さて、
厳選して少しずつ買っている器。
じわじわ増えているから、
気がつかなかったけれど、
食器棚をあらためて見てみると、
あれ? なんとなく息苦しい感じ。
そこで、休みのある日、
整理をすることに。
‥‥といっても、減らすのではなく、
あくまでも整理整頓。
重ねて取り出しづらかった、
小さな湯呑みは、竹の入れものに入れ棚へ。
こうすると一目瞭然です。
同じように、
「古伊万里の白と瑠璃色の向付け」とか、
「リネンのナプキン」とか、
アイテムごとに分類していきます。
中断に置いていた小ひきだしは、
一段下げて、上から覗きやすいようにしました。
(右はweeksdaysオリジナル、
左はそれの元となった古い小ひきだしです)
今回、取り掛かったのは、
小ひきだしの中の整理。
箸おきを仕切っていたポリプロピレンの容器、
じつはずっと気になっていたのです。
そこで、箸おきをポリプロピレンから、
小さい湯呑みに入れ替えたら‥‥
ひきだしの中が、
格段に美しくなりました。
金継ぎに出さないとと思っていた、
ちょっとひびが入った器も、
新しい役割を得て、なんだか生き生きして見えます。
ひきだしに入れたら、
それでおしまい、ではなく、
ひきだしの中も時々見返して進化させて。
いつでも心地よく、
いたいものです。