あのひとのウッドバスケットの使い方
ウー・ウェンさん
薄く、軽く、強くて美しい曲線をもつ、
成形合板のウッドバスケット。
「weeksdays」限定カラーの再販にあたって、
このかたのお宅を伊藤まさこさんと訪ねました。
「いつでもきれいに」暮らしている
料理研究家のウー・ウェンさん、
このウッドバスケットを
どんなふうにお使いなのでしょう?
(取材・文=伊藤まさこ)
ウー・ウェンさんのプロフィール
ウー・ウェン
北京生まれ。1990年に来日。
母親から受け継いだ小麦粉料理が評判となり、
料理研究家の道へ。
雑誌、新聞、テレビなど幅広く活躍中。
中国に伝わる家庭の味、
シンプルでからだにやさしい家庭料理を、
日本の素材で手軽に作れるようにと
工夫を凝らして紹介している。
1997年から、東京でクッキングサロンを開始。
小麦粉料理、中国家庭料理を中心に指導を行なっている。
家庭では、二人の子どもの母親でもある。
『料理の意味とその手立て』(タブレ)
『本当に大事なことはほんの少し~料理も人生も、
すべてシンプルに考える生活術』(大和書房)
『体と向き合う家ごはん』(扶桑社)
など、多数の著作をもつ。
『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』、
『ウー・ウェンの炒めもの』
(ともに高橋書店)では、
伊藤まさこさんがスタイリングを手がけている。
「『いらないものを入れる』
ゴミ箱えらびって、すごく難しいと思うんです」
とウーさん。
今まで、欲しいものがなかなか見つからず、
やむなく、
四角いプラスティック製の容器を、
ゴミ箱代わりにして、バスルームに置いていたとか。
「木製のものを使った時もあったけれど、
ナチュラルな雰囲気が強くて、
今の家に合わなくなってしまって」
ゴミ箱に関して、
つねにいいものがないか? と
頭を悩ませていたウーさんが、
「私の探していたの、これじゃない?」
とピンときたのが、
weeksdaysのグレーのウッドバスケットだったとか。
晴れてウー家にやってきたウッドバスケット、
まずひとつは玄関に。
コロナになってから、
お客様用のスリッパは使い切りのものにしているそう。
木箱に入れたスリッパの横が定位置です。
端に置かれたスツールと、靴べらはなんと透明。
たしかにここに木のゴミ箱だと、
少し重たい印象になってしまうかも。
ラグマットの色合いともぴったり。
ウッドバスケットは木製ですが、
グレーに色づけされているので、
見た目が軽やかなのです。
もうひとつは、バスルームに。
横にかかっているのは、
weeksdaysのグレーのタオル!
そうそう、このタオルも、
「これ!」とピンときたというウーさん。
ハンド、フェイス、バスを
たくさん揃えてくださったのでした。
ウーさんのご自宅の扉は、
ウッドバスケットと同じグレー。
白×グレーがシックな印象。
そして何より潔い。
見ていてとっても気持ちいいのです。
家に置いているゴミ箱は、
キッチン以外にこの2つのみ。
広々としたこの家で、
ご家族に不都合はないですかと尋ねると、
「大丈夫。だって
家の社長は私ですから!」
ですって。
じつは我が家の方針も同じ。
家の中のことは、家の社長が決めるのです!
さて、ウーさん。
ゴミ箱に蓋がないといやだという人もいますが‥‥?
「私は逆に蓋があるといや。
キッチンに置くものと違って、
ゴミを見せないことに違和感があるんです」
と興味深いお言葉。
「だって、見えた方が、ゴミを増やさないでしょう?
ゴミの捨て方のセンスも必要だと思ってるんです。
性格的に隠すのもいやですしね」
ただただぽん、と入れるのではなく、
ゴミを美しく捨てる。
「ゴミに見えないように捨ててもらいたい。
だってその方が気持ちいいでしょう?」
というウーさんの言葉に一同、深いため息‥‥。
ゴミの捨て方にも美学があることに気付かされた、
衝撃の1日なのでした。
お客様の多いウーさんのお宅。
来客時には、ウッドバスケットを
リビングに置くこともあるとか。
「軽いから、移動が楽。
ある程度高さがあるから、
ゴミが見えにくいところもいいですよね。
形に緊張感があるので、
時々、ここに捨ててもいいですか?
なんて聞くお客様もいるんですよ」
ゴミの量の目安は、
ウッドバスケットの容量の半分以下。
こうすることで、
「美しく捨てる」がかなうとか。
ゴミ捨ての美学、
私も今日から実践します!