REPORT
わたしが ふだん つかうもの
[10] 空き缶には何を入れる?
2018年から2019年にかけてのホリデイウィーク3週間は、
「weeksdays」の新作アイテムの販売は、おやすみ。
そのかわりに、もりだくさんのコンテンツをお届けします。
さいしょの2週間は、伊藤まさこさんのエッセイ、
テーマは「わたしが ふだん つかうもの」です。
伊藤さんがお家、アトリエで使っているものについて、
1日ひとつ、写真とともにご紹介します。
そして1月4日からの1週間は、伊藤さんが
ニューヨークに出かけての、矢野顕子さんのご自宅での対談!
どうぞ、おたのしみに。
この世の中には、
かわいい缶に入った食べものがたくさんあるから困りもの。
だって、どんどん空き缶がたまっていってしまうから。
それでもせっかくだからと、
それぞれの空き缶に用途を与えるのが私の使命。
クッキーの缶には小銭や新札入れを。
キャンディーの缶にはミシンの下糸をいくつか。
おかきが入っていた渋めの缶にはポチ袋を。
缶と中に入れるものがぴったりだと、
すごくうれしい。
「空き缶」から
「用途のあるもの」になるのだから。
先日、フランス土産にいただいた
プルーンのお菓子の缶に入れたのは、
シルバー磨きの布と専用の磨き剤。
今までカトラリーの引き出しに、
ポンと入れていただけなのですが、
大きさも深さもちょうどぴったり。
缶も役どころを得てうれしそうではありませんか。
ところで先日、実家の屋根裏部屋で
探しものをしていた時に見つけたのは、
鯛せんべいの缶。
年季の入ったその缶の中には、
若かりし頃の父の写真がおさまっていました。
どうしてアルバムじゃなくて缶なの?と母に尋ねたら
「さあ、缶が気に入ったんじゃないの?」という返事。
血は争えないものですねぇ。
(伊藤まさこ)
2018-12-30-SUN