わたしが ふだん つかうもの
[14] ラッピングには紐を
2018年から2019年にかけてのホリデイウィーク3週間は、
「weeksdays」の新作アイテムの販売は、おやすみ。
そのかわりに、もりだくさんのコンテンツをお届けします。
さいしょの2週間は、伊藤まさこさんのエッセイ、
テーマは「わたしが ふだん つかうもの」です。
伊藤さんがお家、アトリエで使っているものについて、
1日ひとつ、写真とともにご紹介します。
そして1月4日からの1週間は、伊藤さんが
ニューヨークに出かけての、矢野顕子さんのご自宅での対談!
どうぞ、おたのしみに。
季節のくだものを使った
ジャムやシロップ作りは、
私の通年行事。
くだものは、
そのまま食べてもおいしいけれど、
手を加えたのもまた格別ですから。
できあがった瓶詰めは、
友人知人へお裾分け。
そのまま渡すのも味気ないから、
茶色や白の素朴な紙で包んで、
紐でキュッとしばります。
リボンではなく紐をえらぶのは、
素朴で、紙の質感にも合っていて‥‥と
理由はいろいろあるのですが、
なにより一番の理由は、
中身よりも目立たないところ。
ラッピングは、さりげなさが命と思っています。
外国へ行くと、
スーパーや文房具屋をのぞいて紐探しをします。
品揃えのいい店より、
どちらかというと回転のあまりよくない、
ひなびたかんじの店に、
掘り出しものがあることが多い。
要は売れ残りというわけですが、
私にとっては宝みたいなもの。
この宝探しはなかなかたのしくて、くせになります。
いつか、昔見た外国の雑誌の家のように、
キッチンの一角にラッピング用の作業台を作りたい。
その時は、この紐をずらりと並べて‥‥
と妄想は広がるけれど、
そうしょっちゅう瓶詰めを作るわけでもなし。
きっと妄想だけで終わるんだろうな。
(伊藤まさこ)