昨年末も開催した
「weeksdays」のアーカイブをさかのぼる
チームメンバーの座談会、ことしもやります!
金曜日から次の水曜日までコンテンツを更新し、
毎週木曜日に新作を発売するというスケジュールで
この1年をかけぬけた「weeksdays」、
たくさんのかたに登場いただいて、
たくさんのアイテムをご紹介してきました。
この座談会では、伊藤まさこさんとチームメンバーが
とくに記憶にのこっているコンテンツを紹介します。
よかったらリンク先のページを読み返してみてください。
そして「こんなアイテムがあったんだ!」という
発見につながると、うれしいです。
伊藤まさこ
「weeksdays」プロデューサー。
2018年夏に始めたこのプロジェクト、
近年のコロナ禍をものともせず、走り続けてはや6年目。
2023年も爆走を続ける予定。
「あのね、○○、買っちゃった」の発言は、
もはや「weeksdays」の週一回のミーティングの風物詩。
さて2023年は何を買う?!
太田有香
「ほぼ日」商品事業部。愛称「おーた」。
2022年のいちばん大きなトピックは、引っ越し。
部屋づくりに際しては「weeksdays」の
経験がおおいに役に立ったという。
それにともない、2023年の目標は運転の上達。
ペーパードライバーを脱却し練習を重ねて
「趣味はドライブ」と言える
ドライビングテクニックを習得することが目標。
数年来つづけているチェロの練習も続行中。
山川路子
「ほぼ日」デザインチーム。
愛称「みちこ」「みっちゃん」。
双子の娘がみごとにプリンセスブームにハマり、
まったく自分の文脈にはなかったプリンセス風味の洋服と
子ども用のジュエリーを買ったのが2022年のトピック。
おかっぱの2人がピンクの
プリンセスコスチュームを着ると
「阿佐ヶ谷姉妹さながらやねん」と謙遜するが、
目撃情報によると「すっごくカワイイ」とのこと。
2023年は10年以上使ってきた
家電を買い替えたいと計画中。
篠田睦美
「ほぼ日」商品事業部。愛称「むっちゃん」。
社内でも知られるサウナー。
2022年は初めて北海道に行き、サウナの後、
積もった雪にダイブするという夢を叶えた。
「想像以上の冷たさで皮膚が痛かった」と
感じる自分はまだまだだと反省、
自らを鍛えるべく筋トレを開始。
2023年はバランス良く筋肉をつけるのが夢。
諏訪まり沙
「ほぼ日」デザインチーム。愛称「まりさ」。
2022年は念願の引っ越しを敢行。
緑の多い地域をもとめて郊外へ。
部屋がすこし広くなったことで家具にも関心がわき、
2023年は「椅子」が欲しいと思っている。
はじめて一人暮らししたときの
ワークチェアをずっとダイニングで使っているので、
それとは別に
「座ると落ち着くような椅子を見つけたい」。
岡本加奈子
「ほぼ日」商品事業部。愛称「おかも」。
「なんだかきれいになったんじゃない?」と言われ
「そんなことない、なんにもしてない」と言っていたが、
じつはこっそりダイエットをしていた。
1年で7キロの減量に成功したそう。
2023年はホームプロジェクターを買って
大画面で映画を観るのが夢。
ずっと探しているのだが「これだ!」
というものに出会えていない。
中山奈津実
「ほぼ日」商品事業部。愛称「なつみ」「なっちゃん」。
2022年はちいさな
ホワイトゴースト(観葉植物)を育てはじめた。
2023年の目標は実家からの独立。
洗濯すら母に任せきりの生活だったが
「洗濯ブラザーズ」と出会って
「だいぶ、まともに洗濯ができるようになりました」。
独立費用を捻出すべく、大好きな買い物を控えるつもり。
南萌
「ほぼ日」デザインチーム。愛称「みなみ」。
大学の卒業にあわせて、思い切って
イタヤカエデの三本脚の丸テーブルを買ったのが、
2022年の大トピック。一生使うつもりで、
小さな部屋には大きめのサイズを導入。
2023年には「棚」が欲しいと思っている。
「USMハラー」に憧れ、
休日はリサイクルショップを回っている。
高山七虹
「ほぼ日」インターン生。
「七虹」は「ななこ」と読む。2022年のトピックは
「生まれて初めて夜にひとりでラーメン屋に入ったこと」。
なんともいえず気持ちが満たされたそうで
「思い切ってみるものだなぁとしみじみしました」。
2023年の夢は、友だちを喜んで招けるような、
とっておきの部屋を持つことと、
料理の腕を上げること。
いつも招かれる側ばかりで、
「私を嬉しそうに招いてくれる子に憧れています」。
坂口蓉子
「ほぼ日」商品事業部。愛称「さかぐち」。
今回の座談会では司会を担当。
2022年のトピックは
「今まで見て見ぬふりをしていた掃除しずらい場所を、
おもいきって掃除したこと」。
今の家に住んで数年たつのに放っておいたので、
おどろくほどの汚れが見つかったと反省中。
2023年の夢は、大好きなラジオ番組の
20周年イベントのチケットを入手すること。
「もし行けたら、最高すぎて、1年頑張れる気がします!」。
武井義明
「ほぼ日」商品事業部でコンテンツの編集を担当。
愛称は「シェフ」だがそう呼ぶのは
古株仲間のあややくらいになってしまった。
2022年のマイブームは「豆麺」(定期購入)、
トピックは「eBayで100年前のコラージュを
イタリアの人から買ったら、鑑定書ナシ、
コピーアートですという説明だったのに、
本物にしか見えないものが来たこと」。
ま、きれいだからどっちでもいいやと
額装して飾り、にんまりしている。
2023年はちょっとくらいのんびりと
旅がしたいと思っている。
01お目にかかれて
- 坂口
- (立ち上がって)伊藤さま、みなさま、
ほんじつはお集まりいただいてありがとうございます!
進行を務めさせていただきます、
不肖、さ、さ、サカグチです。
ふだんはコンテンツの進行管理を担当しております。
いつもの「weeksdays」の座談会では司会の
さんが本日は不在ということで、
わたくしが代打を仰せつかりました。
なにぶんにも不慣れでございますし、
至らぬ点も多々あるかと存じますが、
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
‥‥言えた!
- 伊藤
- どうしたの坂口さん!(笑)
- 山川
- 硬い、かたい!
- 篠田
- 台本つくってきたの? すごい。
- 太田
- そうだよリラックスして!
もう年末年始のお休みに入る人も多いし、
「ほぼ日ストア」の発送もお休みになるから、
みんなでワイワイ、
1年を振り返っておしゃべりしよう、
って集まったんだから。
- 坂口
- さ、左様でございますね‥‥。
- 山川
- まだ硬い。
- 坂口
- コホン、えーっと、すみません、無理がありました。
いつものように話していいですか。
- 中山
- そうしてください!
- 坂口
- では‥‥、はじめたいと思います。
今年もたくさんの人にお会いしました!
- 山川
- すご~~~く、いっぱい
対談をしましたね、伊藤さん。
2022年の対談コンテンツ、
思い出深いものがいっぱいです。
- 伊藤
- そうだよね!
もう、ほんとうに‥‥。
ウー・ウェンさんのところに伺ったの、
忘れられないなぁ。
‥‥って、こんなに前なの?
- 坂口
- そうですね。
ウーさんのお宅に伺ったのは、対談が2月、
そのあとにももう一回、半年後、
バスケットの取材に伺いました。
- 伊藤
- 深澤さんもそうだけれど、
「暮らしが見える」場所に伺うことができたのは、
わたしにとっては、すっごく大きなことでした。
勉強になったし、
あの本の中の世界が本当のものなんだ!
と感動もしました。
ウーさんとは、取材の後、
「欲しいものもあるけど、
いらないものもいっぱいあるから、
それをテーマに対談をいつかしましょうね」
みたいな話になりましたね。
- 諏訪
- そうでしたね!
- 伊藤
- 「これ、いらなくない?」
っていうもの、わたしもすごく多くて。
‥‥世の中に。
- 一同
- (笑)
- 山川
- 聞きたいです(笑)。
- 伊藤
- 「weeksdays」はものを売る場所だから、
「欲しい!」をあつめたコンテンツだけれど、
その向こうには「いらない」もあるんですよ。
そういうことを考えるのって、
ちょっと「ほぼ日」ならでは、っていう感じがする。
ウーさんもわたしも言うことがはっきりしてるから、
あらためて対談をしたらちょっとおもしろいかなと(笑)。
「これ、いらないですよね」
「そうよ、これ、いらない!」みたいな。
- 一同
- (笑)
- 山川
- 度肝を抜かれそう(笑)。
- 諏訪
- バスケットで取材に伺った時に、
そういう話に、ちょっとだけ、なった気がします。
- 伊藤
- そう! そしてね、
そんなに「いらない」っていう人が、
実際「weeksdays」の商品を
買ってくださっていたっていうのが。
- 山川
- タオルもバスケットもですよね。
- 諏訪
- たしかに、
あんなに選び抜かれたものしかないおうちに
選ばれたって、光栄です。
- 伊藤
- 印象的だったのが、
「ごみにもきれいなごみと、
きれいな捨て方がある」ということば。
- 諏訪
- そんなこと考えたことなくて、
すごくびっくりしました。
- 坂口
- 「ごみの捨て方にもセンスが必要だと思っているんです」。
はぁぁ‥‥!
- 山川
- 「美しく捨てる」んですね。
- 伊藤
- 坂口さん「はぁぁ‥‥」って言ってる(笑)。
- 坂口
- そうですよ、私、これを読んで、
発売当日にこのバスケット買ったんです。
ごみ箱にしようと思って。
- 山川
- 買ったんだ?
- 坂口
- はい。ウーさんを意識して、
最初は汚く見えないようにごみを捨ててたんです。
- 伊藤
- 今は?
- 坂口
- 今は‥‥ちょっと雑に。
- 山川
- 伊藤さんでしたっけ?
バナナの皮をそのまま捨てるなんてすごく嫌だ、って。
- 伊藤
- そうよ。わたしは生ごみは全部、
すぐ冷凍庫に入れている。
生ごみが出たら、すぐ袋に入れて空気を抜いて
冷凍庫の中に場所を決めて冷凍しておく。
- 諏訪
- 冷凍庫!
- 伊藤
- 嫌じゃない? 臭くなるの。
- 諏訪
- 夏とかすぐ。
- 山川
- 虫もわくし。
それは週に1回とか捨てるんですか。
- 伊藤
- マンションにごみ置き場があるんだけれど、
タヌキやハクビシンが近くの公園に出て、
生ごみを漁りにやって来るのね。
だから生ごみは蓋付きの大きなバケツがあって
みんながそこに入れるようになっているのだけれど、
開けるたびに、「うっ」ってなるのが嫌で。
せめてすこしでも、
部屋でもごみ置き場でもにおいを減らそうと、
冷凍しておいて、回収直前に出すようにしているんです。
この話をするとね、「生ごみを冷凍庫に?!」って、
よく驚かれるんだけれど、
りんごの皮にしてもお魚の骨にしても
新鮮な食材から出たものなんだから、
べつに汚いものじゃないのよ。
‥‥って、なぜわたしのごみ捨ての話に(笑)。
- 諏訪
- 興味津々で聞いちゃいました(笑)。
- 伊藤
- そうなんだよね、
こうしたらきれいになるっていうより、
こうしたら自分が気持ちいいっていうのは、
わたしたち二人に共通している気がしました。
- 南
- ウーさんのタオルのコンテンツで、
私が衝撃を受けたフレーズがあって。
- 伊藤
- なんですか?
- 南
- 「お客さんをお呼びする時に、
あらためて掃除はしない」
- 伊藤
- ああ。
- 南
- それはつまり、いつもきれいだから、なんですよね。
衝撃といったら恥ずかしいですけど、
お客さんが来るとなったら、
念入りに、念入りに、みたいなイメージがあったんです。
私自身はそうなので。
でも、日々を大事にするというか、
自分もお客さんのように大切に扱ってお掃除し、
美しくその場を保っているというのは、
すごくいい考え方だなって思ったんです。
それは自分自身のためでもあるし、
おもてなしするお客さんのためでもあるし、
その全てをリスペクトしてる感じが‥‥。
- 伊藤
- そうしないと、自分も気持ち悪いんじゃないかなって。
お客さんの多い家だということもありますよね、
うちも、わりと予告なしに人が来るの。
だからいつでも大丈夫なようにしている。
- 山川
- 伊藤さんのおうち、
ほんとうにいつもきれいです。
- 伊藤
- わたしはいつも
写真を撮るみたいな目で、家を見ているの。
イスがちょっと曲がっていると気持ち悪いなあとか。
そういえば、ウーさん、毎日あの広い家を、
全部自分で水ぶきしているんだって!
- 山川
- 手で拭いてるって、私も本で読みました。
- 伊藤
- それがエクササイズなんですって。
タオルもきちんと折って仕舞うのね。
それはお茶を習っていて、
袱紗をたたむ習慣があるからよ、
みたいなことをおっしゃって。
- 中山
- 憧れます‥‥。
- 伊藤
- 深澤さんもそう。
ほんとにもう細部にわたるまで
「ここは!」って気になるところが
おうちのなかにいっぱいあって。
それがすごい勉強になったし、
2人ともすごい人なのに、
全然、偉そうじゃなくて、
「好きだからやっているんですよ」っていう感じが、
すばらしかったですよね。
それから、深澤直人さんとの対談、アトリエに
同行したチームが興奮してた。
すごい、すごい、って。
- 諏訪
- そうです。深澤さんのアトリエって、
「その場にいて気になることが、一個もない」んです。
これ、うまく説明できるか自信がないんですが、
会社にいたりすると、
照明がちょっと目にまぶしかったり、
乾燥が気になったり、暑すぎたり、
寒すぎたり、ドアの開閉音がどうとか、
このにおいなんだろうとか、
その空間が完璧に気持ちいいっていうことはあまりない。
「そういうものだ」と思って過ごしてますよね。
ところが、深澤さんのところに行った時に、
驚いたんです。全くなんにも、気にならない。
- 伊藤
- 現地で、すごくそう言ってたよね。
- 諏訪
- もう呼吸がしやす過ぎて(笑)。
びっくりしました。いかに普段、
ストレスの多い環境にいるんだって気づきました。
- 伊藤
- 深澤さんが、センスがいいっていうことを、
センサーがいいとおっしゃっていましたね。
デザインがどうのっていうこと以上に、
そっか、すごく高性能なセンサーを
持っている人なんだっていうのを、改めて思った。
- 諏訪
- センサーの話、覚えてます。
そのことに対して、感じられる人が
それをできる人っておっしゃって。
- 伊藤
- わたしは、家が散らかっていると、
センサーが鈍ると思ってて。
それも、いつも家をきれいにしている理由かも。
- 諏訪
- 研ぎ澄ましておくっていうことですね。
あと、深澤直人さんって、
プロダクトデザインのイメージが強かったんですけど、
たまたま家をまるごとデザインされたっていう
タイミングで対談をオファーしたじゃないですか。
やっぱり伊藤さん「持ってる!」って、
その時、思ったんですよ。
- 一同
- (笑)
- 諏訪
- ほんとにできたてのタイミングで、お伺いして。
- 伊藤
- 「来てほしかった」って言ってくださった!
- 諏訪
- それを知っていて
お願いしたわけじゃなかったんですけど。
- 伊藤
- タイミングがいいこと、
「weeksdays」ではよくあるよね。
- 中山
- 私は「あたらしいクリエイティブが
世界に灯をともす」。
これは、軽井沢の須長檀さんたちがやってらっしゃる
ラッタラッタルさんのお話で、
とても印象的でした。
- 伊藤
- 読んでどんな感じでしたか?
- 中山
- そもそも、場所がすごくすてきで!
お写真を見て、すごいワクワクしたんです。
そして、文中にもあったんですけれど、
障害のある方の手づくりのものって、
バザーなどで見かけるものとして認識していたのが、
ちゃんとアート作品として成り立っていることが
素晴らしいと思いました。
経営してるみなさんと、
障害のある方が、対等な位置で。
- 伊藤
- そう! このメンバーの誰がいなくても、
絶対、このプロジェクトにはならなかったと思います。
そして、須長檀さんというすばらしいデザイナーが
いたからこそのプロジェクトですよね。
わたしもすごくいいコンテンツだと思っています。
- 中山
- 感動しました。
ものづくりの方法においても、
「これをつくろう」ということが先にあるのではなく、
「絵を描いてみよう」っていうところから、
「こういう絵が描けたね。これで何をつくろうか」
っていう、そういう方法論も、
すばらしいと思ったんです。
- 伊藤
- 目的があって何かを描くとかっていうのが多いけど、
先に絵があって、
それに適したっていうものづくりというのは、
わたしもハッとさせられました。
中山さんの言う通り、この場所は、
どこを撮っても絵になるんです。
ものづくりには、環境って本当に大事だなと思います。
美しいところにいないと、
きれいなものなんて、できない。
だから、ね、「ほぼ日」の撮影スタジオもね。
- 一同
- (笑)
- 伊藤
- いつもきれいにしていましょう!
って、こんなところで(笑)。
- 山川
- ほんとうですよ、
きれいにしないと
きれいな写真は撮れないです(笑)。
- 伊藤
- (笑)絶対そうだと思うの!
- 山川
- 伊藤さんのおかげで
なんとか弊社のスタジオが
きれいに保たれています。
「きれい」って大事ですね。
- 中山
- 軽井沢町の「お薬手帳」が
コンテンツに出てきたじゃないですか。
あれもとてもきれいで、
うらやましく感じました。
一冊ずつ手描きなんですよね、表紙が。
- 坂口
- 軽井沢の方、いいですよね。
- 伊藤
- 考えてみたら、お薬手帳って、
こうじゃなくちゃいけないという
フォーマットがなく、
薬局が出してくれるシールが貼れる
紙の冊子があればいいんだものね。
どんなデザインでもいいんだということに
まったく気づかなかった自分は、
すごく既成概念にとらわれていたんだって、
あれを見て、ハッて思いました。
- 諏訪
- 絶対、こっちのほうがいいじゃん!
ってなりますよね。
- 坂口
- 持ってて、気持ちが晴れやかになる。
- 伊藤
- これはほんとに刺激的な仕事でした。
- 南
- リスペクトがたくさん、
詰まっている感じがします。